ロコ・ソラーレの吉田知那美がこれまでの人生で影響を受けた「言葉」や「格言」にスポットを当てた連載。今回は、日本代表決定戦を終えたロコ・ソラーレに送られてきたファンからのメッセージを紹介。
第17エンド◆吉田知那美が代表決定戦敗退後のコメントに秘めていた想い>>
吉田知那美にちなんだ『32の言葉』
連載◆第18エンド
勝手にロコと(共に)戦っていたので数日体調が悪くなりました
(匿名のロコファン)
先月、稚内で行なわれた日本代表決定戦からおよそ1カ月が経ちますが、ロコを応援してくれる方、カーリングファンのみなさまから、数えきれない激励や労いのメッセージを受け取っています。心を寄せていただき、ありがとうございます。
「強いからではなく、楽しそうだからロコが好きです」という言葉や、ロコの戦いにご自身の人生を投影してくれて「何点取られても、何回負けても勝つことだけにとらわれず、楽しむことを最終目標としているロコの試合を見ていると、私も頑張れます」など、私自身も再び心奮い立つような言葉に感謝しています。
今回の言葉も、一緒に戦ってくれたファンからSNSを通していただいたもので、読んだ時は思わず笑ってしまいました。わざとではないですが、いつも劇場型になってしまいがちで、ハラハラさせてしまいごめんなさい。
先月の負けはカーリング選手としてはとても悔しいものでした。でも、少し時間が経ったからかもしれませんが、人生の中で"負け"ということは、そんなに悪いことじゃないと捉えてもいます。むしろ、人生の必要な時に訪れてくれる転機でもある気がしています。
私は以前、北海道銀行フォルティウスに所属していて、ソチ五輪にも出場することができました。でもその後、すぐに退団することが決定していると知りました。
でも、仮に今、私の身にタイムリープが起きたとしても「あの日」の出来事だけは決して変わらないようにすると思います。あの日がなければ、さっちゃん(藤澤五月)と(鈴木)夕湖と(吉田)夕梨花とカーリングをするという人生が私には訪れなかった。今の私にはなれなかった。
だから、今回の負けもしっかり受け止めて糧にします。負けたことがあるという経験により、深みのある人間で構成されたロコ・ソラーレになれるように。努力はやめません。
チームはまずグランドスラム2大会を含む3大会に出場し、その後、日本代表としてパンコンチネンタル選手権を戦います。来年3月にカルガリーで行なわれる世界選手権へ続く重要な大会で、JD(ジェームス・ダグラス・リンドコーチ)の地元であるカルガリーでの世界選手権出場を大きな目標として今季を過ごすことになります。
2026年のオリンピックの道は途切れてしまいましたが、今季は始まったばかり。世界一へ続く道は何本もあります。

1991年7月26日生まれ。北海道北見市出身。幼少の頃からカーリングをはじめ、常呂中学校時代に日本選手権3位入賞。2011年に北海道銀行フォルティウス(当時)に入団し、2014年ソチ五輪で5位に入賞した。その後、2014年6月にロコ ・ソラーレに加入。2016年世界選手権準優勝、2018年平昌五輪銅メダル、2022年北京五輪銀メダルという結果を残した。趣味は料理で特技は食べっぷりと飲みっぷり。最近の趣味は東京地裁での裁判傍聴。
※上の写真
森野友香子●ヘアメイク hair&make-up by Morino Yukako
本多仁美●スタイリング styling by Honda Hitomi
衣装協力:Tシャツ ¥3,190/キャン カスタマーセンター(ルノンキュール)、 ピアス ¥25,300/ete 、ネックレス ¥31,900/ete 、靴 ¥9,900/オーアールティーアール(ダブルエー)