高木豊のドラフト総括 パ・リーグ 後編

(前編:高木豊がパ・リーグでドラフト戦略を高く評価した球団は? 佐々木麟太郎を指名のソフトバンクは「余裕を感じさせる」|「ソフトバンク・日ハム・オリックス」編>>)

 高木豊氏のパ・リーグのドラフト総括後編。今季に苦しんだチームの指名について、どのように評価したのか。

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◆楽天【◎】

1位 藤原聡大(投手/花園大)

2位 伊藤樹(投手/早稲田大)

3位 繁永晟(内野手/中央大)

4位 大栄利哉(捕手/学法石川高)

5位 伊藤大晟(投手/れいめい高)

6位 九谷瑠(投手/王子)

7位 阪上翔也(外野手/近畿大)

 関西屈指の右腕・藤原の単独指名に成功。2位でも即戦力として期待の右腕・伊藤を指名するなど、ウイークポイントだった右の先発候補の補強に注力した。

「藤原の投げる球は相当"強い"ですよ。どこかの球団が外れ1位で指名するかと予想していましたが、競合したくなかったと思いますし、1位指名も納得です。楽天は内星龍や荘司康誠が伸び悩んでいて、右の先発投手が不足しています。まだ粗削りな部分はありますが、大学生の投手のなかではスケール感は一番かもしれません。
 
 2位の伊藤も先発候補です。40歳の岸孝之がチームの右投手で勝ち頭ですが、シーズンを通して考えたらスタミナ面で厳しくなりますよね。それと、3位の繁永は守備がうまい。昨年獲った宗山塁が一定の活躍をして、村林一輝がブレイク、黒川史陽もシーズン後半にいい活躍を見せるなど、「内野手は必要ないのでは」とも思ったのですが、黒川をファーストに移してセカンドに繁永を入れたりもできますし、彼が期待通りに成長すれば、若くてしっかりした内野陣が完成しますね」

◆西武【◎】

1位 小島大河(捕手/明治大)

2位 岩城颯空(投手/中央大)

3位 秋山俊(外野手/中京大)

4位 堀越啓太(投手/東北福祉大)

5位 横田蒼和(内野手/山村学園高)

6位 川田悠慎(外野手/四国銀行)

 バッティングが売りの捕手、小島の1位指名を事前公表し、単独1位指名に成功。2位以降も野手を3人指名するなど、日本ハム同様に野手中心の指名となった。

「小島のバッティングは即戦力として大いに期待です。

パンチ力もあるし、バットコントロールもいい。キャッチャーとしてはこれから経験値を積んでいかなければいけませんが、これだけバッティングがうまいのは、センスがいい証拠でしょうね。最近は『キャッチャーは打てなくてもいい』という考えは薄れてきていますし、打てる捕手も増えてきましたからね。

 2位の岩城は体ががっちりしていて、力強い真っすぐを投げます。先発というよりも、リリーフで力を発揮できるタイプだと思います。4位の堀越は球速があっていい球を投げます。まだ粗削りでちょっと制球に難がありますが、そこを克服できれば戦力になると思います」

◆ロッテ【◎】

1位 石垣元気(投手/健大高崎高)

2位 毛利海大(投手/明治大)

3位 奥村頼人(投手/横浜高)

4位 櫻井ユウヤ(内野手/昌平高)

5位 冨士隼斗(投手/日本通運)

6位 岡村了樹(捕手/富島高)

7位 田中大聖(投手/Honda鈴鹿)

 高校生No.1右腕の石垣との交渉権を引き当て、2位には大学生屈指の左腕・毛利を指名。以降も、横浜高時代にエースで4番を務めた奥村を3位、4位で高校屈指のスラッガー・櫻井を指名するなど、充実のドラフトとなった。

「石垣は常時150キロ以上の球を投げられますが、出力に対して体がちょっと弱いので、焦らず慎重に育てるべきかなと。体を仕上げてから投げさせたほうがいいでしょうね。順調にいけば、世界に羽ばたけるような素材の投手だと思います。

 毛利は、大学生ではNo.1の左投手だと思いますし、間違いなく即戦力。

よく2位で残っていたなと思います。出力を上げて三振を取りにいく時と、そうじゃない時のメリハリがあるピッチャーで、センスを感じます。今のロッテは小島和哉がピリっとしませんが、小島に代わって左投手の柱になる可能性も感じます。

 3位の奥村は左投手ですが、バッティングもいい。二刀流はないと思いますが、投手で伸びなかったらバッターで勝負させるかもしれません。それくらいバッティングセンスがありますから、育成に焦る必要はないです」

【プロフィール】

高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

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