中島佑気ジョセフ(陸上400m)インタビュー@中編
◆中島佑気ジョセフ・前編>>世界陸上1カ月半前は出場すら危うい「崖っぷち」だった
◆中島佑気ジョセフ「私服」フォトギャラリー>>
今年9月に開催された「東京2025世界陸上」で、男子400mに出場した中島佑気ジョセフ(富士通)は数々の快挙を成し遂げた。予選では44秒44の日本新記録を樹立。
中島は東京都出身。地元開催の世界大会で存在感を示した。そんな中島のルーツに迫った。
※ ※ ※ ※ ※
中島の両親は、「どちらかと言うと、スポーツ系よりも文化系の人」だと言う。中島は「読書家」としてメディアに紹介されることも多いが、「父はけっこう本を読んでいました」と言い、少なからずその影響もあったのだろう。陸上を始めたばかりの中学生の頃に読んだ『ウサイン・ボルト自伝』(集英社インターナショナル刊)は、中島に大きな衝撃を与えた。
「『世界で活躍するのはこんなにすごいのか!』とか『こんな世界があるのか!』って思ったきっかけになりました」
陸上選手としての中島にとって、原点とも言える一冊になっている。
中島が陸上を始めたのは小学6年生の時だった。当時、一番仲のよかった友だちが陸上クラブに入っていたのがきっかけだった。
「最初は地域の方が教えているクラブに入りました。週1ぐらいで、練習のあとにアイスをくれるんです。
ちなみに、それまではサッカーやバスケットボールに親しんだこともあったが、「決して苦手ではなかったが、チームスポーツが合わなかった」と言う。勝手な想像だが、中島の身体能力が突出していたゆえに、そう感じただけだったのではないだろうか。それを中島にぶつけると、こんな回答だった。
「うーん。どうなんですかね......。もちろん足は速かったですし、ジャンプ力もありましたけど、めちゃくちゃ器用なタイプではなかったです」
ともあれ、こうして中島の陸上競技への道が切り開かれたというわけだ。
【中学3年間は「成長痛」との戦い】
最初は遊び感覚で始めた陸上だったが、小6の後半から中学に入学するまで、東京多摩地区の強豪チームである「KMC陸上クラブ」にも入った。
「全国で優勝する方を何人も輩出しているクラブです。もう昔のことなので(入った理由は)明確にわからないですけど、陸上をもう少し掘り下げてみたいっていう気持ちはあったのかなと思います。自分はまだそんなに速くなかったので、全国大会に行くような人は『雲の上の存在』でした」
足は「速いほう」ではあったが、中島の才能が開花するのは、まだまだ先のことだった。
中学に入学すると、「身長が高かったので、バスケ部からすごく勧誘を受けた」と悩んだが、結局は陸上部に入った。
小学生の時には走高跳とハードルにもチャレンジした。中学では走幅跳を試したこともあったという。
中学入学時に170cm程度だった身長は、一気に185cmぐらいまで伸びた。中学3年間は「成長痛」との戦いもあったという。
「アスファルトの上を走ると、ひざがめちゃくちゃ痛かったですね。だから、学校の外周を走るのが嫌いでした。普通にサボっていましたね(笑)。
中学や高校の時はどちらかというと、『陸上自体が楽しい』っていうよりは、陸上部の人たちと仲がいいから一緒に活動していて楽しいなっていう感覚のほうが大きかった。走っていて疾走感は感じましたけど、陸上自体に楽しさはあまり見出してはいなかったです」
そんな中島が真剣に競技に取り組むようになったのは、中学3年を迎える前の冬季練習にあった。当時のチームメイトから「リレーで関東大会、全国大会に出場するために、今年はお前もがんばれ」とハッパをかけられたことがきっかけだった。
「冬季練習を死に物狂いで、初めて真面目にやったんです。それで体力もけっこうついてきて、中3でやっと都大会でも戦えるぐらいのタイムを出せるようになりました」
【全国区のレベルには遠かったが...】
現在の専門種目である400mに力を注ぐようになったのも、この頃だ。
「中1か中2の時に400mを1回走ったんですけど、めちゃくちゃきつくて、その時は『やっぱり100m、200mのほうかな』と思いました。
体力もあったので、スタートしてすぐよりも後半のほうが速かったです。その頃から身長が高かったので、自分の長い手足を生かせる種目ということで始めました」
中島自身、早い時期から自分を客観的に見ることができていたのだろう。いずれロングスプリンターとしての才能を見出される日は来たと思うが、このようにして中島は「400m選手」としてのキャリアをスタートさせた。
しかしながら、都大会では通用するようになったものの、まだまだ全国区のレベルには遠かった。それでも漠然と、自分は陸上の道を進んでいく、という予感があった。
「僕が中3の時にリオ五輪があって、ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)が引退間近だったんです。サッカー少年がロナウドやメッシに憧れるように、僕もそういった世界への憧憬がありました。
深く考えたわけではなかったんですけど、直感的に『陸上で自分の道を決めていきたいな』と思うようになっていました。それに、中3の終わりぐらいになって、やっと、ちょっとだけ活躍できるようになって、そこから強くなることの楽しさを感じるようになりました」
中学卒業後は強豪・城西大学附属城西高校に進学した。同校は、在学中から世界で活躍したサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)や、インターハイの100mを制した塚本ジャスティン惇平といった好選手を輩出しており、中島は密かに憧れを持っていた。
「サニブラウン選手とはかぶってはいないですけど、同じハーフの選手が活躍されていたので、雰囲気的にも合っているかな、この環境で強くなりたいなと思っていました。
【今の土台が形成された高校3年間】
そんな中島の思いとは裏腹に、城西高の顧問で、シドニー五輪男子400m日本代表の山村貴彦先生はちゃんと見ていた。都大会に出場した際に、山村先生から声がかかった。
「(城西高に)自分が行きたいと思っていたうえに、400m界のレジェンドに直接声をかけていただいて、こんなにうれしいことはなかったです。だからもう『ここしかない!』と思いました」
その直感は間違ってはいなかった。山村先生の指導を受けた高校3年間で、今の中島の土台が形成されていった。
たとえば当時、高校生でサングラスをかけている選手はそんなにいなかったんですけど、山村先生は『日差し対策になるし、集中力がアップするんだったら、かけてもいい』という考えでした。
ある意味、外資系企業みたいな感じというか、実力主義でメリハリがしっかりしていました。自由と創造性を重視していて『自分で考えて』とけっこう言われていました。『どうしたら速くなれるのか』を常に頭のなかで考えていますが、そういった想像力、素養はそこで育まれたかなと思います。本当にすごくいい高校だったと思います」
専門種目が「400m」に定まったのも高校時代だった。
実は当初、山村先生からは「100m、200mのほうがいいんじゃない?」という提案を受けたという。実際に高校2年生の南関東大会では、400mが予選落ちだったのに対して200mは8位に入り、全国まであと一歩だった。
「この時点ではトントンか、むしろ200mのほうがいいんじゃないかっていう感じでした。自分でも200mのほうが楽しかったです。400mはやっぱりキツいですから」
インターハイ予選を終えて秋以降の方針を検討した際に、一度は100m、200m路線で行くことが決まった。
そんな矢先のことだ。中島は肉離れに見舞われてしまった。
【いつか越えないといけない存在】
「まだ体の使い方もできていませんでしたし、筋力もなくて未完成だったので、たぶん体がスピードに追いつかなくて肉離れしてしまったんですよ。
肉離れを一回してしまうと、スプリントがかなり重くなりました。100%のスピードで走る能力がなくなってしまった感じがありました。自分で意図したわけじゃないんですけど、またケガをしたくはなかったですし、結果的に400mになりました」
思わぬケガに、中島は期せずしてロングスプリンターとしての道が定まった。
高校時代の400mのベストは48秒05。
ちなみに、中島の恩師・山村先生は高校時代にインターハイで200m、400m、4×400mリレーの3冠を成し遂げ、さらには日本選手権では400mのタイトルも手にし、高校生として39年ぶりの日本一に輝いた。そして、21歳でシドニー五輪に出場し、世界陸上にも2度出場している。今なお残る45秒03の学生記録を持つ、日本を代表する400m選手だった。当然、中島にとっての大きな目標だった。
「いつかは絶対に超えたいというか、超えないといけないなって思っていましたね。その当時は雲の上の存在でしたけど、いつかは追いつけるだろうなと思っていました」
そんな思いを持ち続けて、高校卒業後は東洋大で競技を続け、さらに上を目指した。
(つづく)
◆中島佑気ジョセフ・後編>>44秒台連発で「陸上競技の核に触れられている」
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【profile】
中島佑気(なかじま・ゆうき)ジョセフ
2002年3月30日生まれ、東京都立川市出身。小学生から陸上を始め、城西大附城西高を経て2021年に東洋大へ。2023年・2024年に日本選手権400m連覇。2024年パリオリンピックでは4×400mリレーに出場し、決勝でアジア新記録をマークする。2025年の世界陸上(東京)では400m予選で44秒44の日本新記録を樹立。決勝にも進出して6位入賞を果たし、1991年世界陸上の高野進(7位)を上回る日本人過去最高順位を残す。富士通所属。身長192cm。



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