後編(全3回):渡辺康幸が占う第102回箱根駅伝
2026年1月2日・3日に行なわれる第102回箱根駅伝。
青山学院大、駒澤大、國學院大、中央大、早稲田大が「5強」を形成する情勢のなか、その牙城に割って入る可能性を秘めたチームはどこになるのか? シード権争いの行方は? 予選会突破組のブレイクスルーは?
学生駅伝のテレビ中継、また箱根駅伝では第一中継車の解説でおなじみの渡辺康幸氏(住友電工陸上競技部監督)に、個人的な注目点も含めて語ってもらった。
前編を読む>>>渡辺康幸が分析する 「5強」の勢力図 初優勝を狙う國學院大、優勝候補・駒澤大、対抗・青山学院大の強さは?
中編を読む>>>渡辺康幸が分析する覇権争いの行方 中央大は山区間の課題をクリアして頂へ 早稲田大は2区・5区の強み生かして往路に賭ける
【帝京大はしぶとさに「強さ」と「速さ」がプラス】
――5強に続くのは、近年シード校に定着した創価大(出雲3位、全日本7位)、軸がしっかりしている城西大(出雲6位、全日本9位)、今季好調で全日本で6位に食い込んだ帝京大の3校でしょうか。
渡辺 そのなかでは帝京がかなりいい状態です。今までの帝京の持ち味である「世界一あきらめの悪いチーム」のしぶとさに、上位校に対抗しうる「強さ」と「速さ」も加わった印象ですね。5強崩しの最有力として名前を挙げてもいいと思います。
――おおっ。渡辺さんは、駅伝シーズン前に今季の注目チームに挙げていましたが、その通りの力を見せています。全日本では2区区間賞を獲得した楠岡由浩選手(3年)が目立ちますが、他のメンバーも力をつけてきています。
渡辺 メンバーはいますよ。上位校が落ちてきたら、ベスト3に入ってくる可能性は十分に秘めていますし、実際にそうなっても驚きません。
――シード争いは熾烈を極めます。
渡辺 帝京は5強に近い位置にいる印象で、創価大や城西大がそれに続く勢力図ですが、シード権争いは大混戦になるので、順天堂大に日本大なども絡む可能性があると思います。あと4年生がいい日本体育大や前回4校による3つのシード権争いから抜け出した東京国際大もいます。
――前回6位の創価大はいかがですか。
渡辺 2区にはスティーブン・ムチーニ選手(3年)もいますし、小池莉希選手(3年)、石丸惇那選手(4年)と核となるメンバーはいるので、5位以内を狙える力も有しています。過去の展開を見れば、往路がうまくいった年が総合順位でもいい結果につながっているので、往路がカギになるでしょう。一方で出遅れると巻き返すのが厳しい部分もあります。
――前々回に3位に入った城西大は1年時から主力を務めてきたヴィクター・キムタイ選手と斎藤将也選手が最上級生としてチームを引っ張ります。
渡辺 斎藤選手は上るでしょうし(5区)、キムタイ選手も安定しています。ただ、キムタイ選手は上りが得意ではないので、2区の終盤の坂を考えると、おそらく3区ではないでしょうか。ですので、城西にとっては、2区をどうするか。1・2区で出遅れない布陣を敷いて、3区、5区で勝負をかける戦略を取るのではないでしょうか。
――東京国際大は前回2区で区間記録を樹立したリチャード・エティーリ選手(3年)、菅野裕二郎(4年)が中心です。
渡辺 エティーリ選手という強力な大砲はいますが、菅野選手含めて日本人の力を生かすことがシード権獲得のカギとなります。いい結果を残すときは4年生の頑張りがポイントになっていますので、その部分でどれだけ踏ん張れるか。これは優勝争いでも、シード争いも、どのチームにも共通した部分ではありますけど、箱根駅伝は最上級生がすべてカギを握ります。
――東洋大は20年連続でシード権を獲得中ですが、今年度は全日本大学駅伝への出場を逃しました。
渡辺 ここまで東洋の名前を挙げてこなかったことは申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、しぶとくシード権は取ってくると思います。前回は苦戦しましたけど(総合9位)、酒井俊幸監督が2度、失敗するとは思えません。
【シード権争いの行方は? 2区のハイレベルな争いも注目】
――3年連続出場の日本大、また、ともに4年連続出場の大東文化大と立教大の評価は?
渡辺 日大は確実に強くなってますよね。2区候補のシャドラック・キップケメイ選手(3年)を軸に、往路を任せられる箱根経験者もいます。立教は前回2区区間7位の走りで7人抜きを果たした馬場賢人選手(4年)の状態次第です。状態がよければ前回区間7位ですし、力はついていますので、流れを作れると思います。大東大は、2区や5区をいかに凌ぐか。
前編でも触れたようにとにかく2区のレベルアップが半端ないので、1時間6分1ケタ秒で帰ってこないと遅れたことになります。1時間7分台だったら、ブレーキになってしまうわけですから。
こう考えると、15校くらいがシード権に絡む可能性がありますね。
――天候に恵まれることが前提ですが、年々、各区間のレベルアップが著しいなか、花の2区は、2大会前でも区間14位までが1時間7分台、前回は1時間5分台3人、6分台8人でした。
渡辺 そうですね。今回も相当レベルの高い戦いになると思います。日本人では青学大の黒田朝日選手(4年)を筆頭に帝京大の楠岡選手、早稲田大の山口智規選手(4年)、中大の溜池一太選手(4年)、留学生では東京国際大のエティーリ選手や創価大のムチーニ選手、日本大のキップケメイ選手、予選会全体トップの山梨学院大のブライアン・キピエゴ選手(3年)がエントリーして実際にしのぎを削っていくと、(1時間)5分台は確実にいきますし、(1時間)4分50秒前後とか。
――4分台までいきますか! 区間記録はエティーリ選手が前回樹立した1時間05分31秒です。
渡辺 向かい風にならなければ、最低でも5分15秒くらいまでは、普通にいくのではないでしょうか。
――勝負の行方とは別に、個人的に注目しているところはありますか。
渡辺 第1中継車の解説を務める立場という前提で、私自身の勝手な青写真ですけど、國學院大の9区を吉田蔵之介選手(3年)が走ってケツメイシのお父さん(大蔵)が給水をするシーンが見られると、テレビ的に盛り上がると思います(笑)。
――吉田選手は終盤区間のイメージがあるので、勝負がかかった場面でそのシーンが見られると確かに大きな注目を集めますね。
渡辺 前田監督の信頼があってのことだと思います。あとは僕が早稲田大の監督時代に総合優勝した時、2位の東洋大との差が21秒だったのですが、現在もそれが史上最小差の優勝争いということになっています。ですので、それを上回るくらいの「大手町決戦」「日本橋決戦」を期待したいです。
戦っている当事者からしたらたまったものではないのですが、視聴者的には盛り上がると思います。
――そういう展開になるためには、どういう条件が必要でしょうか。
渡辺 6区が終わった時点で、優勝戦線が見えてくるんじゃないですか。
――ここ10年近くは、「やっぱり青学は強い」という展開が多かったです。
渡辺 ただ、違う学校が一番前に出ている可能性も十分にあります。早稲田が往路を制してその勢いに乗って復路はどうなる? という展開も考えられます。青学、駒大、中大あたりが追う展開になると、混戦になるのではないでしょうか。
――青学ファンには怒られるかもしれませんが、青学以外のチームが往路を獲ったほうが接戦という意味では盛り上がる。
渡辺 これまでの実績や現在の勢力図から見ると、そういうことになりますね。早稲田や中大など、OBもたくさんいる伝統校、また初の総合優勝を狙う國學院大が往路優勝するのが一番盛り上がると思います。とはいえ、青学大と駒大は、間違いなく学生駅伝を引っ張り続けるトップランナーですので、また新しい強さを見せてくれるレースも期待しています。
⚫︎プロフィール
渡辺康幸(わたなべ・やすゆき)/1973年6月8日生まれ、千葉県出身。



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