【従来のやり方を変え、徹底的に走りこんだ】
「あの時と比べれば、断然、今年度のチームに手応えを感じています。」
少し余裕のある表情で、中央大の藤原正和監督はそう言った。「あの時」とは前々回の箱根駅伝だ。中大は、エースの吉居大和(現・トヨタ自動車)ら実力者を擁して優勝を狙っていた。
今季は当時2年生だった吉居駿恭(4年)を主将に置き、チームをつくり上げてきた。そして、藤原監督が確かな手応えを感じているのは、今度こそ優勝するだけの戦力が整ったからだ。
「上半期は例年通り、トラックでスピードの強化を行ないました。ただ、夏からは従来のやり方を変え、箱根駅伝を見据えて徹底的に走りこみました。その際、私は『箱根優勝』という言葉を封印したんです。2年前はその言葉で引っ張りすぎ、選手が疲れてしまった部分がありました。
今年は、言葉ではなく、練習メニューや細かいところのこだわりをさらに徹底し、姿勢や雰囲気で箱根に対する私の執念を出していったんです。選手はそれを感じ取り、夏の厳しい練習に取り組んでくれました」
夏の取り組みを変更したのは、それまでの苦い経験からだ。例年、中大はトラックでのスピードは滅法速い。だが、それがロードでは生かされず、箱根では勝てなかった。
ロード強化は泥臭く走りこむしかない。今年の夏はそこから目をそらさず、距離を踏んだ。その疲労が抜けきらないなか臨んだ10月の出雲駅伝は10位にとどまったが、状態が整ってきたなかで迎えた11月の全日本ではその成果が出た。
4区で柴田大地(3年)が区間賞を獲るなど、各選手が安定した走りを見せて2位でゴール。この結果によって、チーム全体に「やれる」という自信が浸透した。トラックでのスピードには自信があるが、ロードでどれだけやれるか、チームとしてどのくらい戦えるのか。全日本で結果が伴ったことで、それらの不安を払拭できた。
【10000mの平均タイムは20チーム中トップ】
しかも選手たちは、その全日本後も成長の上昇カーブを描いている。藤原監督も驚きを隠さない。
「全日本の後、箱根の(区間距離の)中間点くらいの10kmをイメージして走るように、(いずれも11月22日開催の)MARCH対抗戦の10000mと、八王子ロングディスタンス(10000m)に選手を出場させました。前週に比較的強度の高い練習をしてレースを迎えたのですが、みんな非常によいパフォーマンスを見せてくれ、地力が上がってきていると感じました」
MARCH対抗戦では、27分40秒50の好タイムを出した藤田大智(3年)をはじめ、出走14名中、なんと12名が自己ベスト(初10000mも含む)。一方の八王子ロングディスタンスでは岡田開成(2年)が27分37秒06で中大記録を更新し、本間颯(3年)も27分45秒05の自己ベストをマーク。
また、11月16日の上尾シティハーフマラソンに出場した白川陽大(4年)も1時間01分34秒で1年時以来となる自己ベスト更新、折居幸成(4年)も1時間02分45秒の自己ベストをマークした。
藤原監督は今季の手応えをこう語る。
「2年前の箱根で体調不良者が出て結果が出なかったことを、今の3、4年生が苦い経験として知っているのが大きいですし、その後も(出雲、全日本、箱根の)三冠を目指して戦ってきたものの、勢いだけでは優勝に届かないことと、掲げる目標までの距離感を理解したうえで練習を積み上げてきたからだと思います。
今、優勝への手応えは選手が一番感じているはず。2年前、力のあるメンバーは箱根優勝に向かっていましたが、部員全員が優勝を意識するまでには至らなかった。今のチームは箱根優勝に向けてひとつになっています」
エントリーメンバー16名中上位10名の10000m平均タイムは27分台に突入し、青山学院大を抜いて20チーム中トップ。分厚い選手層の"中大史上最強"とも言えるチームが完成した。このスピード軍団を率いて箱根に臨むわけだが、藤原監督はレース展開をこう予想している。
「往路ではほとんど差がつかず、復路までもつれる展開になるでしょう。山(5区、6区)が終わってから『よーい、ドン!』みたいなこともある。前回、駒澤大が(エース格の)佐藤圭汰君(当時3年)を7区に配置して首位に迫ったように、ウチも(吉居)駿恭を(7区に)置いて抜け出すプランを考えています。
その一方で、(前回のように)1区から逃げるパターンも考えていますし、最後までもつれた場合に備え、10区に競り勝てる選手を置くことも考えています。いろんなシナリオを想定して、最終的に自分たちの強みを最も出せる配置を考えていきたいと思います」
藤原監督は2区と3区に関して、それぞれ前回も同区間を走った溜池一太(4年)、本間の起用を公言。また、全日本の直後には、箱根のレースプランについて「先手必勝」と話していた。吉居は7区ではなく、やはり前回同様に1区に起用し、最初からガンガン攻めることも考えられる。今季、結果を出している岡田、柴田は、復路でゲームチェンジャーとしての起用もあるだろう。そのほかにも力のあるメンバーが揃い、平地区間に関しては、むしろ誰を削るのかという難しい作業になる。
【課題の5区、6区をどう乗りきるか】
そんななか、ポイントになりそうな山の5区、6区について、藤原監督はこう語る。
「前回は、平地では青学大とそれほど差がなく、山でやられたタイム差がそのまま負けにつながり、大きな課題として残りました。今回、(早稲田大の)工藤君(慎作・3年)、さらに(青学大の)黒田君(朝日・4年)が5区を走れば、1時間09分台が視野に入ってくると思います。ただ、ウチはそこまでのタイムは望んでいません。平地で十分なアドバンテージを得たなかで5区に渡せればいいかなと。6区も非常にいい人材が見つかりました」
5区は折居が希望しており、6区は佐藤蓮(3年)が走りそうな気配だ。
折居は5区についてこう語る。
「5区のために山の中で走りこみをして、日頃もアップダウンの多いコースを走るなどしてトレーニングを重ねてきました。(前回の青学大の)若林(宏樹)さんのタイム(1時間09分11秒・区間記録)を狙いにいくのは現実的ではないですが、1時間10分から11分というところはしっかりと狙える練習ができているので、中大記録(1時間10分36秒)は狙っていきたいと思います」
6区を希望している佐藤は、かなり自信ありげだ。
「日頃からアップダウンのあるコースを走り、夏の合宿でも積極的に上って下ってというのを意識して取り組みました。6区は前回、(青学大の)野村(昭夢)さんが56分47秒(区間記録)を出して、今回はどこの大学も56分台を目指してくると思います。ここで58分、59分とかかるようでは通用しないので、最低でも57分台を出さないといけないと思っています」
前回首位を明け渡した5区をしっかり走りきり、往路優勝を果たすことで総合優勝も見えてくるが、藤原監督は「(往路)2位以下の場合でも、先頭から1分以内は逆転の射程圏内」と考えている。
そのうえで総合優勝するためには「不可欠な要素がある」と言う。
「優勝するチームには強い4年生がいますが、今回のウチは3年生の活躍がマストかなと思っています。本間は前回3区で区間賞を獲っていますし、藤田は(10000mで)27分40秒までタイムを伸ばしてきてゲームチェンジャーになるだけの力をつけています。山(6区)の話をしていた佐藤蓮もいますし、昨年駅伝を走れなかった柴田は全日本で区間賞を獲ってくれました。この4人がどれだけ活躍してくれるかが重要です」
今回の箱根では、ミスさえなければ前回同様に序盤から上位でレースを進めるだろう。そして、どんな展開になっても対応できるだけの戦力は整った。
「30年ぶりの優勝を果たしたいと思います」
藤原監督の想いの実現が、中大の新しい時代の幕開けになる。
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