箱根駅伝2026全チーム紹介

シード校 後編

(シード校 前編:3連覇を狙う青山学院大など「5強」の充実度をチェック 優勝争いをリードするための戦術も予想した>>)

 2026年1月2、3日に開催される箱根駅伝の全チーム紹介、シード校の後編では、前回大会で6位から10位に入ったチームの戦力を見ていこう。

【箱根駅伝2026全チーム紹介(2)】新たな山の神の誕生にも...の画像はこちら >>
【前回6位:城西大】

 城西大は前回、ヴィクター・キムタイ(4年)が2区で10位と振るわなかったが、"山"が強かった。

5区の斎藤将也(4年)と6区の小林竜輝(2年)がともに区間3位で順位を押し上げると、9区の桜井優我(4年)が区間賞、10区の中島巨翔(3年)が区間7位と好走して6位に入った。

 出雲駅伝は1区の柴田侑(3年)が7位でスタートし、キムタイが3区で3年連続の区間賞を獲得するなどしてチームは6位。全日本大学駅伝は9位に終わったが、最終8区を担った斎藤が3人抜きを見せた。前回の箱根を走ったメンバーで卒業したのは3人のみ。キムタイと斎藤の区間で加速し、上位進出を目指す。特に斎藤は、前回は1週間前に発熱があったことを考えると、万全な状態で臨めれば"山の神"クラスの大活躍を見せるかもしれない。

【前回7位:創価大】

 創価大は前回、6年連続のシード権を獲得。今季は小池莉希(3年)が日本選手権5000mで決勝に進出するなど、シーズン前半から活躍した。出雲では、榎木和貴監督が「最強の6人」と呼ぶ選手全員が区間5位以内で走り、過去最高の3位。全日本は7位に入った。両駅伝でスティーブン・ムチーニ(3年)は精彩を欠いたが、小池がスピード区間で活躍。野沢悠真や石丸惇那(ともに4年)、織橋巧(3年)も確実にタスキをつないだ。

 さらに、山口翔輝(2年)が世田谷ハーフを1時間1分46秒の大会新で制するなど、大きく成長した。今回の箱根は、2区に経験者のムチーニが入ることが有力で、故障上がりで前回は10区(13位)を担った小池はスピード区間、同5区(10位)の山口は平地にまわる可能性もある。充実戦力で「3位以上」を目指す。

【前回8位:東京国際大】

 東京国際大は前回、2区のリチャード・エティーリが(3年)が1時間5分31秒の区間新記録を樹立。14位から2位に急上昇して往路を11位で折り返すと、復路は5位と健闘。大混戦となったシード権争いを勝ち切って8位でフィニッシュした。

 前回のメンバー6人が卒業したが、出雲(11位)は5区終了時で7位につけていた。エティーリの爆走を生かして、前回6区で10位の中山拓真(4年)、同9区で3位の菅野裕二郎(4年)、同10区で6位の大村良紀(4年)らで堅実につなぎ、連続シードを狙う。

【前回9位:東洋大】

 東洋大は前回、2区で19位に沈むといった窮地を乗り越え、20年連続シードを確保。今季は、全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会で敗退。3年生以下で臨んだ出雲も9位と苦しんだが、調子を上げてきた。

 スピードが魅力の松井海斗、前回3区の迎暖人、同5区の宮崎優、6区を希望している内堀勇ら2年生が成長。

そして経験豊富な4年生(緒方澪那斗、西村真周、網本佳悟、岸本遼太郎)が最後の箱根駅伝に燃えている。1秒をけずりだす継走でシード権獲得、さらに上位を目指す。

【前回10位:帝京大】

 帝京大はシード権獲得はもちろん、"5強"崩しも狙えるかもしれない。前回5区で区間17位に沈んだ楠岡由浩(3年)がエースに成長。全日本の2区で区間賞を獲得し、10000mのタイムも帝京大初となる27分台に突入した。

 チームは全日本大学駅伝で早稲田大と35秒差の6位。2~7区は2位から5位の間でタスキをつないでおり、箱根でも上位進出の期待が高まっている。"花の2区"は楠岡の起用が有力で、前回1区で5位の島田晃希(4年)、2年連続で3区を務めている主将・柴戸遼太(4年)も往路候補。そして6区には、前回4位の廣田陸(2年)が控えている。選手層の厚いチームなだけに、自信がある復路(前回4位)で、ひとつでも順位を押し上げたい。

(予選会突破校&関東学生連合:3連覇を狙う青山学院大など「5強」の充実度をチェック 優勝争いをリードするための戦術も予想した>>)

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