2026年3歳牝馬クラシック
桜花賞、オークスを制す馬は?(前編)
では、2026年の3歳牝馬クラシック戦線はどうなるのか。昨年同様、現時点では伏兵の一角にすぎない馬たちがのし上がっていくのか、それとも、すでに重賞勝ちを収めて有望視されている馬がそのまま世代の頂点に立つのか。はたまた、これからデビューする馬が一気に台頭するようなことがあるのか。
出世レースのGⅢアルテミスS(10月25日/東京・芝1600m)を勝ったフィロステファニが故障で引退し、GⅢファンタジーS(11月1日/京都・芝1400m)の覇者フェスティバルヒルが負傷して戦列を離れてしまったなかで行なわれた年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。12月14日/阪神・芝1600m)は、1番人気のアランカールが5着に敗れる小波乱となった。
代わってレースを制したのは、GⅢ中京2歳S(8月31日/中京・芝1400m)で牡馬相手に2着と好走して臨んだ2番人気のスターアニス。同馬はJRA賞の最優秀2歳牝馬にも選出された。
阪神JFを前にして「近年稀に見る激戦」と言われた今年の3歳牝馬戦線。はたして、スターアニスが女王の座を守っていくのだろうか。スポーツ紙、専門紙の記者など5人の識者に、今年の桜花賞(4月12日)、オークス(5月24日)の勝ち馬をいち早く予想してもらった――。
太田尚樹記者(日刊スポーツ)
◆桜花賞=スターアニス(牝3歳/父ドレフォン)
◆オークス=アランカール(牝3歳/父エピファネイア)
スターアニスはスプリント重賞2勝のエピセアロームの産駒とあって、阪神JFでは初のマイル戦への対応が不安視されましたが、終わってみれば、1馬身4分の1差の完勝でした。
管理する高野友和調教師が「牝馬にしてはパワータイプで、スピードとスタミナを兼備しています」と評するように、阪神マイルへの適性も証明。中京2歳Sでは首差の2着に敗れたものの、1400mを1分19秒4という驚異的なタイムで駆け抜けており、高速決着になりやすい桜花賞にもマッチすると見ます。
一方、オークスはアランカールに期待します。母がオークス馬シンハライトで、かねてからマイルの距離は適性よりも短いと見られていましたが、実際に阪神JFではその不安を露呈する形になってしまいました。
とはいえ、オープン特別の野路菊S(9月20日/阪神・芝1600m)で見せた豪脚は鮮烈でした。ラスト1ハロンだけで、後続に3馬身半差をつけましたから。そうしたスタイルからも、距離が延びてから真価を発揮するタイプだと思います。
初戦の新馬戦(7月5日/福島・芝1800m)では稍重で、レース全体の上がりが36秒7というタフな馬場を克服。晴雨兼用なところも頼もしい限りです。
坂本達洋記者(スポーツ報知)
◆桜花賞=スターアニス
◆オークス=アランカール
年明けの時点で、牝馬クラシック路線は実力伯仲といった印象。頭ひとつ抜けているような存在はいないように思います。
牝馬の場合は、早い時期に頭角を現わした完成度の高い馬がその後のクラシックでも有力、という見立て。ですから、桜花賞候補には2歳時の実績を重視し、重賞などで高いパフォーマンスを披露した馬を選出しました。
そのスターアニスは、2歳女王決定戦となる阪神JFを制覇。牡馬相手の中京2歳Sでも2着と好走し、牝馬戦線で一歩リードした存在です。
阪神JFでは、初のマイル戦という距離延長がポイントになると見ていましたが、道中問題なく折り合って、手応えもよく、直線ではそのまま外から突き抜ける強い内容。これなら、マイル戦はもちろん、さらに距離が延びてもやれそうなイメージが湧きました。
母エピセアロームは、芝のマイル以下で活躍して重賞2勝を挙げた実績馬。ただ、同馬は3歳時、前哨戦のGⅢ(現GⅡ)チューリップ賞(阪神・芝1600m)2着から、本番の桜花賞では15着と惨敗を喫してしまいました。
そうした母の無念を......と感傷的なことを言うつもりはありませんが、スターアニスはそんな母の武器であったスピードをいい形で受け継いでいると思います。また、父ドレフォンはダート色が強い種牡馬ですが、この馬自身は500kgを超えるような大型馬ではなく、速い時計にも対応できます。クラシック一冠目への期待は膨らみます。
桜花賞から一段と距離が延びるオークスでは、アランカールをイチ押ししたいです。
デビュー2連勝で野路菊Sを制しましたが、新馬戦と比べてガラッと変わったレース内容は見逃せません。こういう大きな変化がある馬は、得てして走る馬が多いですから。
昨夏の新馬戦では粗削りな面が見られ、レース内容からは幼さが感じられました。鞍上の北村友一騎手が競馬を教えながら、地力の違いで押しきった印象が強かったです。
それが、2戦目では抜群のキレ味を見せて快勝。大器の片鱗を示しました。少頭数、スローペースでの決め手比べのレースだったとはいえ、メンバー最速の上がり33秒3をマーク。大外から強襲する姿には、現地取材した初戦との違いから「オッ!?」と声が出ました。
阪神JFでは最後方から運ぶ形になって、道中もスムーズさを欠くような走りでした。それでも、5着まで追い上げて1番人気としての格好をつけられたのは、能力があるからこそ。かかるタイプではなく、距離が延びても不安はありません。
(つづく)◆3歳牝馬クラシックで頂点に立つのはこの馬だ>>



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