ミラノ・コルティナ五輪メダル候補 後編
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前編では、冬季ミラノ・コルティナ五輪のスケート競技で、メダル獲得候補の日本人選手を挙げたが、後編ではスキー、スノーボードなど山競技でのメダル候補をピックアップしてみた。
北京五輪に続き、メダル候補の筆頭であるスキージャンプの小林陵侑photo by Action Press/AFLO
【スキージャンプは男女ともにメダルの可能性】
冬季五輪史上最多18個のメダルを獲得した2022年北京五輪で、スキージャンプの小林陵侑(チームRYO)はノーマルヒルで金メダル、ラージヒルで銀メダルを獲得。今回もスキージャンプは、1998年長野五輪の4個を上回りそうな気配を見せている。
そのチームを引っ張るのはもちろん小林だ。昨季のW杯は優勝3回、3位2回ながらも、総合は前季の2位から9位に落としていた。だが今季は、第2戦で優勝するなど全戦で10位以内をキープして総合2位と安定感を見せている。
1月中旬の札幌大会でも、第1戦の予選は唯一のヒルサイズ(137m)超えの139mで1位通過。本戦の1本目は悪条件で10位だったが、2本目は全体3位のジャンプで5位に順位を上げた。さらに第2戦は前日の助走ポジションを修正して1本目を2位につけると、2本目は138.5mを飛んで全体1位のジャンプ。今季絶好調のドメン・プレブツ(スロベニア)は捕えきれなかったが2位と、各試合で常にメダル圏内のジャンプを見せている。
また3回目となる五輪に対しても、その時の運不運がつきものになる競技性もあるなかで、「みんなが狙っているなかで、獲れるのはひとりだけだから、特に金メダルを狙っているわけではないです。とにかくビッグジャンプをしたいと思っているだけです」と平常心で臨もうとしている。
手強いライバルとしてはプレブツのほか、昨季のW杯総合順位を3位まで占めたオーストリア勢。今季はそこまでの元気はないものの、本番では警戒が必要だろう。
また、日本は小林だけではなく二階堂蓮(日本ビール)が急成長してきているのがプラス材料だ。
二階堂の父・学さんは高校生だった葛西紀明(土屋ホーム)とともに世界選手権にも出場した選手。その資質を受け継いだ二階堂は、昨季のW杯で7回トップ10入りを果たし、総合は19位だった。今季は第5戦で初表彰台の2位になってから安定感が増し、1月のジャンプ週間のインスブルック大会では初優勝。札幌大会は第1戦も3位になるなど、小林に次ぐW杯総合3位につけている。さらに1月下旬の2日間4本のジャンプで争う世界フライングヒル選手権でも3位になり、その後の団体戦でもエースが飛ぶ4番手を務めて初優勝に貢献と、小林との複数メダルの可能性も高めている。
彼の急成長でメダルが見えるようになった種目がある。これまでの4人で戦っていた団体戦ではなく、2人3本ずつのジャンプで争う形式に変わったラージヒル・スーパー団体だ。ライバルはプレブツと総合5位につけるアンジェ・ラニシェクがいるスロベニアになる。オーストリアも手強いチームになるが、現状では日本とスロベニアの一騎打ちという状態でメダル獲得の可能性はかなり高い。
一方女子も丸山希(北野建設)が、好調を維持してW杯は開幕から3連勝。その後も5戦連続表彰台と絶好のスタートを切った。1月には3戦連続で8位となり総合1位はニカ・プレブツ(スロベニア)に譲ったが、現在総合2位と有力なメダル候補だ。
2022年の北京五輪シーズンでは、期待されながらもその前年10月に左膝靱帯損傷の大ケガをして冬のシーズンを棒に振った経験がある。元々追い風の条件にも対応できる空中姿勢が持ち味だったが、今季は助走姿勢を安定させて確率の高いジャンプを出せるようになっている。
丸山は個人2戦でもメダル候補だが、彼女の成長で男子の小林や二階堂と組むであろうノーマルヒル混合団体も優勝候補に浮上。ライバルはプレブツ兄妹がいるスロベニアだが、スロベニアの女子の2番手は総合8位の高梨沙羅(クラレ)より下位で11位にいるニカ・ボーダン。僅差の優勝争いは必至だが、日本が若干優位と考えてもいい。
【スノーボードは複数メダルか】
北京五輪では銅メダルだった男子モーグルの堀島行真(トヨタ自動車)も、前季までの3シーズンはW杯総合2位だったが、今季はデュアルモーグル1戦を含むW杯の5戦で2勝、2位2回で総合1位と、優勝候補筆頭の位置にいる。
前回の北京ではメダル3個だったスノーボードも、今回はその数をさらに増やせそうな状況だ。
ただ、前回北京の男子ハーフパイプで優勝し、今季もW杯開幕戦で優勝していた平野歩夢(TOKIOインカラミ)が、4戦ぶりに出場した1月17日の大会で複数箇所を骨折や打撲するケガを負ったのは心配だ。それでも出場することを表明しているが、出てくるからには優勝を狙う滑りを見せてくれるだろう。
さらに男子ハーフパイプはメダル候補が豊富だ。平野が優勝した開幕戦で戸塚優斗(北京10位/ヨネックス)が2位になり、平野流佳(北京12位/INPEX)が3位になっている。戸塚はその後も優勝1回、2位1回でW杯種目別総合では1位。
また今回が初出場の山田琉聖(チームJWSC)もW杯第2戦では優勝していて可能性を持っている。
女子も冨田せな(北京3位/宇佐美SC)がW杯種目別総合4位につけている。今回が五輪初出場となる工藤璃星(TOKIOインカラミ)は種目別総合2位につけているだけでなく、1月にアメリカで開催されたⅩゲームで2位と調子を上げている。さらに同じく初出場の清水さら(TOKIOインカラミ)もW杯は第5戦出場のみだが、1月のXゲームでは優勝と力を見せている。
男女とも複数メダル獲得に期待がかかるハーフパイプと同じく、スロープスタイルとビッグエアも複数のメダル獲得が期待される。
昨季の世界選手権では、女子ビッグエアで村瀬心椛(北京3位/TOKIOインカラミ)が優勝し、岩渕麗楽(北京4位/バートン)が2位、深田茉莉(ヤマゼン)が3位と表彰台を独占した。深田がW杯開幕戦で優勝して種目別総合2位で、岩渕も開幕戦2位で総合6位。さらに第1戦、第2戦とも6位だった村瀬も、1月のXゲームでは優勝と調子を上げているだけに、複数メダルも見えている。
また、村瀬はスロープスタイルでもW杯種目別で1位に立ち、Xゲームでも3位。深田もW杯種目別総合は2位といい位置につけている。
男子ビッグアエアーも、昨季世界選手権優勝の木俣椋真(ヤマゼン)がW杯第1戦3位、第3戦4位で種目別総合6位につけている。
スノーボードアルペンのパラレル大回転では、昨季の世界選手権は回転優勝、大回転2位で、W杯もスノーボードアルペン総合優勝を果たしていた三木つばき(浜松いわた信用金庫)が今季も好調。パラレル大回転は種目別総合1位と優勝候補になっている。



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