「もちろん、負けて悔しいよ。でも、日本は世界ランキングで18位(スコットランドは40位)、終盤まで拮抗した展開だった。
日本が84分の伊東純也(ヘンク)のゴールで1-0の勝利を収めたスコットランドとのフレンドリーマッチのあと、ホームチームのセンターバックとして先発したジャック・ヘンドリー(アル・イテファク)はそう話した。たしかに彼が言うように、日本は後半にレギュラーと言える選手を投入し、敵地ハムデン・パークで白星をつかんだ。
一方のスコットランドは現時点のベストメンバーを先発に並べたが、試合前にスティーブ・クラーク監督が「何よりも全員がいい状態で試合を終えることが重要だ」と話していたように、MFジョン・マッギン(アストン・ヴィラ)もDFアンディ・ロバートソン(リバプール)もMFスコット・マクトミネイ(ナポリ)も、チームが失点する前にベンチに退いている。結局のところ、実力の差が結果に現れたと言えるだろう。ヘンドリーは現在、サウジアラビアのアル・イテファクでプレーしており、日頃からカリム・ベンゼマやクリスティアーノ・ロナウド、アイヴァン・トニーといったワールドクラスのストライカーと対峙している。トップレベルの敵を知る守備者は、日本の攻撃陣をどう感じたのだろうか。
「ブラジルを相手に3度もネットを揺らした日本は、実にやっかいだった。今日は最終的に1点を取られたが、長い時間、彼らに得点させなかった。そこから学びを得たいと思う。日本はゴールに迫ってくる時の連係が巧みで、怖さを感じた。彼らはワールドカップでも、いいところまで行くと思う」
日本が誇るコンビネーションに間近で対応したスコットランドのMFルイス・ファーガソン(ボローニャ)は、次のように語った。
「とても難しい試合だったが、実にいいテストになった。日本には真のトッププレーヤーがいるので、それは予想できたことだったけれども。当然、敗北のあとは気持ちがよくないものだ。ホームゲームだったので、なおさら。それでもポジティブな点もあったので、前を向きたい」
【組織的なプレスが最大の強み】
鈴木唯人が所属するフライブルクと同様に、今季のヨーロッパリーグでベスト8に進出しているボローニャでキャプテンを務める26歳は、日本の印象をさらに続けた。
「ボール回しが早くて正確なので、ついていくのに苦労した。加えて、守備時のプレスが組織的かつ執拗で、それも彼らの特長だと思う。あるいはそこに、最大の強みがあるのかもしれない。誰かひとり特別な選手がいるというわけではなく、全体のクオリティが高い。
特に後半に入ってきた選手たちのインテンシティがすごかった。ただ、こちらにもチャンスがあったので、決めるべき時に決めないと、その代償を払うことになる」
その責任の一端を負うべきFWリンドン・ダイクス(チャールトン)も、試合後のミックスゾーンに現れた選手のひとりだ。オーストラリアで生まれ育ち、学校で日本語を学んだこともあるという30歳は、次のように話した。
「当然、負けて悔しい。
自分はオーストラリアで日本のことを学んだ。日本人は他者を敬う人々で、日本にはすばらしいカルチャーがある。その慎ましさで歩みを進めていけば、きっといいワールドカップになるだろう」
慎ましさ──他国の人が見る日本人の特性のひとつに挙げられるものだ。ただ、今の日本代表は「ワールドカップで優勝する」と高らかに宣言している。それは慎ましさとは、対極にあるものだろう。なにしろ、日本代表のこれまでの最高成績はベスト16でしかないのだ。
なのに、今の日本代表の監督も選手もスポンサーも、「世界一になる」と言ってはばからない。これに違和感を覚えているのは、筆者だけだろうか。
【日本のレベルは高い。ただ...】
この点について、スコットランドの選手には質問する機会を逃してしまったので、近くにいた現地のジャーナリストに訊いてみた。そういうのって、どう思います?
「今日の試合では、時間が経つにつれて、日本がどんどんよくなっていたと思う」
そう応じてくれたのは、スコットランドの日刊紙『デイリー・レコード』のマイケル・ギャノン記者だ。ベテランのフットボールライターは続ける。
「日本はとてもレベルの高いチームだ。それは間違いない。ただ、アルゼンチンやフランス、スペインといった優勝候補と同等かと言われると、そうではないと思う。日本がワールドカップを制する姿は、ちょっと想像しにくいよね、率直に言って」
── まだベスト8にも到達したことがないんです。そんなチームが優勝を狙うと、胸に秘めるのはまだしも、盛り上げるためだかなんだかわからないけど、それを公言していることには違和感を覚えます。
「実は一度だけ、スコットランドの監督がそんなふうに言ったことがあるんだ。1978年のアルゼンチン大会の前に、当時のアリー・マクラウド監督は自信満々に、『次のワールドカップではトロフィーを維持することになる』と宣言した。
予選でイングランドを下した当時のチームには、直前のシーズンにリバプールでヨーロピアンカップ(チャンピオンズリーグの前身)を制したFWケニー・ダルグリッシュやMFグレアム・スーネスを筆頭に、複数のトッププレーヤーがいたこともあってね。
でも本大会では、ペルーに敗れ、イランと引き分け、最後にオランダを下したものの、グループで3位に終わって早期敗退したんだ」
今夏に日本が同じ轍(てつ)を踏まないことを祈る。

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