3歳牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)がまもなく行なわれる。

 目下1番人気と目されているのは、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。

12月14日/阪神・芝1600m)の覇者スターアニス(牝3歳)。今回はそれ以来のレースとなるが、スポーツ報知の水納愛美記者は「むしろ、それがプラス材料」と言ってこう続ける。

「近年の桜花賞は、阪神JFからの直行ローテが『黄金ローテ』と言えます。過去5年の連対馬10頭のうち、6頭がこの臨戦過程。繊細な3歳牝馬だからこそ、ゆとりを持って調整できる点がプラスに働くのでしょう。

 そして今年、このローテーションで臨んでくるのは2歳女王のスターアニスのみ。1週前追い切りを終えた時点で、管理する高野友和調教師が『だいぶ整っています』と話していたように絶好の状態にあります。

 動きもよく、3歳になって馬体の筋肉量も増加しました。当然、中心に考えていますし、同じ舞台でのGI連勝への期待が高まります」

 ただ、1番人気は過去10年でわずか1勝。馬券の軸としては最適だろうが、アタマとして考えるのはベストとは言えない。その点では、より期待が持てるのは2番人気の馬かもしれない。なにしろ、過去10年で2番人気は5勝も挙げているからだ。

 それゆえ、水納記者は2番手に評価されているドリームコア(牝3歳)にも熱い視線を向ける。

「ドリームコアはGⅢクイーンC(2月14日/東京・芝1600m)を快勝。ラスト1ハロンの末脚には目を見張るものがありました。勝ちタイムも1分32秒6と優秀。4戦3勝、3着1回と安定した戦績も魅力です」

 そうなると、今年の桜花賞はこの「2強」で決まりなのか。波乱の目はないのだろうか。水納記者は「2強」を中心視しながらも、「今年の桜花賞戦線は異例」としてこんな見解を示す。

「例年と異なり、今年の桜花賞はトライアル重賞の勝ち馬がともに出走しません。GⅡチューリップ賞(3月1日/阪神・芝1600m)を勝ったタイセイボーグは故障して戦線離脱。GⅡフィリーズレビュー(3月7日/阪神・芝1400m)を制したギリーズボールは体調面を考慮して参戦を見送りました。

 その結果、先述した有力2頭と阪神JFで1番人気に推された素質馬アランカール(牝3歳)以下は、かなり人気が割れそう。文字どおりの混戦で、そこから人気薄が馬券圏内(3着以内)に飛び込んでくれば、オイシイ配当が見込めるかもしれません」

 そうして、水納記者は大駆けの可能性を秘める候補馬2頭をピックアップした。

1頭目はスウィートハピネス(牝3歳)だ。

「阪神JFの際にも一発があると思って、穴馬に推奨させてもらった1頭。同レースでは、9番人気で惜しくも4着でした。直線で進路を切り替えるロスがなければ、上位3頭との差はもっと縮まっていたと思いますし、馬券にも絡んでいたのではないでしょうか。

 1勝クラスの白菊賞(2着。11月30日/京都・芝1600m)のときと同じく、馬群のなかで我慢できたことも収穫でした。操縦性が改善されていたのは明らかで、阪神JF後にはリステッド競走のエルフィンS(2月7日/京都・芝1600m)を快勝。そこから、ゆとりを持って本番に臨めるのは大きいです。

 中間の調教時計はそれほど目立っていませんが、精神面を考慮しながら順調に調整されてきました。阪神でも京都でも好走していますが、長くいい脚を使えて、追ってからジワジワと伸びるタイプ。その持ち味からすれば、直線の長い阪神外回りのマイルがより合いそう。今回も人気以上の激走に期待が膨らみます」

 水納記者が注目するもう1頭の穴馬候補は、フィリーズレビューで2着に入ったサンアントワーヌ(牝3歳)だ。

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「管理する鹿戸雄一厩舎の勝嵜太資助手によれば、長所は精神面で『1頭で攻め馬ができるのが強み』とのこと。関東馬ながらフィリーズレビューのときと同様、今回も栗東に滞在していますが、環境の変化に動じず調整できているのは心強い限りです」

 ここまで1400m戦では3戦2勝、2着1回と安定した成績を残しているサンアントワーヌ。一方で、マイル戦は過去に2戦をこなして、GⅢ新潟2歳S(8月24日/新潟・芝1600m)4着、GⅢフェアリーS(1月11日/中山・芝1600m)5着と、ワンパンチ足りない状況にあるのは気がかりだ。だが、水納記者はその点も「問題ない」と話す。

「個人的にも当初は1400mがベストだと思っていましたが、勝嵜助手は『1600mがダメだとは思わない』と明言しています。実際、フェアリーS当時よりも今回のほうが断然状態はいいので、マイル戦もこなせるはずです。

 また、前走の伸び脚の力強さを見ても、1ハロン延びて脚色が鈍るとは思えません。この馬も阪神の外回りはプラスでしょうし、距離適性を不安視されて人気を落とすなら、狙う価値は十分にあります」

 激戦の桜花賞。有力馬たちが人気どおりの結果を残すのか。あるいは、思わぬ伏兵の台頭があるのか。若き乙女たちによる熾烈な争いから目が離せない。

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