写真集が話題の河内桜雪がGⅠ女子オールスター競輪に挑む 昨年...の画像はこちら >>
 ガールズケイリンのGⅠ「毎日新聞社杯女子オールスター競輪」が8月7日(金)から9日(日)の3日間、長崎県の佐世保競輪場で開催される。オールスターと銘打つとおり、「ファン投票得票数上位20名」が選考され、「ガールズグランプリ2025で1~3位となった選手」「平均競走得点上位者」などのトップ選手を含め、計42名がいつも以上の期待を背負って走る真夏の祭典だ。

 この限られた切符を掴んだ若手選手のひとりが、ファン投票6位の河内桜雪(群馬・122期)だ。写真集の発売やメディア出演など、レース外でも「ガールズケイリン」をアピールし続ける期待のホープに、大レースへの展望を聞いた。

【夏は得意な季節】

――女子オールスター競輪は他のGⅠとは異なり、ファン投票でも出場が決まります。河内選手は3年連続の選出となり、過去最高の6位での出場が決定しましたが、率直な感想を聞かせてください。

 3回目の出場ですが、初めて「ガールズドリームレース」(※)出場圏の6位になることができて、まさかという気持ちです。競走得点は高くないですし、自力もまだまだな私を選んでいただいたファンのみなさまのおかげです。本当にうれしいです。
※初日に開催されるファン投票上位7選手が出場できるレース。昨年はファン投票5位の日野未来が引退をしたため、ファン投票8位の河内が繰り上げで出走した。

――河内選手は今年でデビュー5年目になりますが、ここからさらに高みを目指すためにどのような課題を持っていますか。

 競走得点にも表れているんですが、私は調子の上がり下がりが激しいんです。選手になるまでは熱も出さない人間だったんですが、デビュー後は移動が多い生活の影響で体調が安定せず、成績の振り幅が大きくなってしまいました。

 コンディションが不安定だと応援してくれる人にも迷惑がかかってしまうので、ずっと応援し続けてもらえるよう、常に決勝を走って確定板に乗れる、安定感のある選手になっていきたいです。

――選手たちは全国各地の開催に遠征する大変さもありますし、開催の時間帯もさまざまなので、コンディション管理の難しさは想像に難くありません。

 年々「いかに疲れないように移動するか」はうまくなってきているので、少しずつ体調も安定してきていると思います。

――コンディショニングと言えば、女子オールスター競輪では、厳しい暑さとの戦いにもなると思いますが、対策もされているのでしょうか。

 暑い分には体も動きますし、私は平気なタイプですね。レース本番はそこまで長い時間走るわけではないですし、むしろ練習のほうが長時間屋外で活動するので、そこでしっかり体力をつけておけばまったく問題ないと思っています。

 逆に私は寒暖差アレルギーで寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)が出てしまうほど寒さが苦手なので、冬場が課題なんです。氷のうに熱湯を入れたものを持ち歩いてずっと体を温めているくらいで、寒い時期のパフォーマンスはこれからも課題ですね。

――それは大変な事情ですね。冬場の運動やスポーツはもともと苦手なのでしょうか。

 ウィンタースポーツは好きで、2歳くらいからスノーボードで滑っていたと思います。両親は私をスノーボードの選手にさせようとしていたみたいなんですが、自転車に行っちゃいました(笑)。競輪選手になってからはケガのリスクもあるのでスノーボードは辞めていますが、冬季オリンピックなど、観戦も好きですよ。

ただ、自分が走るならやっぱり夏ですね。

写真集が話題の河内桜雪がGⅠ女子オールスター競輪に挑む 昨年覇者を「怖いくらいの存在」と畏怖も「めっちゃ練習して臨む」と意欲
昨年出場したガールズドリームレースのメンバー。河内(左端)は5着だった

【佐藤水菜に畏敬の念】

――女子オールスター競輪は8月開催ですから、河内選手にとっては得意な時期になります。初日のガールズドリームレースを含めて、レベルの高いメンバーと走ることになりますが、どのようなアプローチを考えていますか。

 メンバーはもうガールズグランプリと変わらない顔ぶれで脚力の差は明らかなので、先輩方にとにかく食らいついていくだけですね。去年も自分の得意なマーク戦法でしたし、順位を伸ばせるよう、確定板を目指して走ります。

――他の選手にお話を伺っても「高いレベルの選手と走らないと得られない経験値がある」と聞きますが、河内選手にとっても昨年、一昨年の3日間は大きな糧になっているのではないでしょうか。

 レースのスピードだけでなく、お客さんの数も空気感も、普段の開催とはすべてが違うので、本当に貴重な経験ができる開催ですね。

――となると緊張感もかなりのものになりますか。

 緊張もありますけれど、本番は集中していてレース以外のことは考えられなくなってしまいますね。あれだけすごい歓声も聞こえなくなるくらいなので。

――それだけレースに入り込めている証拠ですね。そのガールズドリームレースでは昨年の覇者でGⅠ開催7連勝中の佐藤水菜選手(神奈川・114期)とも対戦が予定されています。

 最近は毎日の練習で男子選手の後ろに着かせてもらっていますが、(佐藤選手は)そんな男子選手にも勝つんじゃないかと言われていますから、怖いくらいの存在です。

それでもGⅠは何が起こるかわかりませんから、最後までめっちゃ練習して臨みます。

写真集が話題の河内桜雪がGⅠ女子オールスター競輪に挑む 昨年覇者を「怖いくらいの存在」と畏怖も「めっちゃ練習して臨む」と意欲
昨年の女子オールスター競輪で優勝した佐藤水菜(1番車・白)。決勝では後続に5車身の差をつけての勝利だった photo by Manabu Takahashi

【知らない人にこそ見てほしい】

――会場となる佐世保競輪場のバンクについての印象はいかがですか。

 走った回数は少ないんですが、直線が少し短く感じた記憶があります。どちらかというと直線が長いほうが得意なんですが、1着を獲ったこともあるので、特別気にすることはないですね。

――河内選手と言えばメディア出演も多く、先日集英社から現役のガールズケイリン選手としては初めてデジタル写真集も発売になりました。本番のレースだけでなく練習や移動で非常に多忙ななか、発信活動にも取り組む理由や、やりがいを感じる瞬間があれば教えてください。

 イベントなどで実際にお客さんと話せる機会があるのですが、そこで「河内選手を見て競輪が好きになりました」と言っていただけるのは、やっぱりやりがいを感じます。

 なかでも小さなお子さんが私を見て「将来は競輪選手になりたい」と思ってくれるのは、本当にうれしいです。私もガールズケイリンを見て選手を目指したいと思ってここまで来られたので、今こちらの立場に自分がなれたんだなと実感しますね。

――それは素敵なエピソードですね。発信で心がけていることはありますか。

 どう発信していくのがいいのかは私もまだ掴めていないんですが、やっぱり今までガールズケイリンを知らなかった人に知ってもらうことが、一番大きな効果があると思いますし、重要なことでもありますよね。

――写真集から河内選手を知り、ガールズケイリンに興味を持つケースも考えられますね。ちなみに、写真集について周囲からの反響はありましたか。

 SNSでは「買ってください!」と告知していますけれど、なんだか選手同士だと恥ずかしくて、自分からは触れづらいです。それは向こうも同じみたいで、面と向かって「買ったよ」とは言われないんですが、他の選手経由で「〇〇ちゃんが買ってたよ」と教えてもらうようなことが結構あるんです(笑)。

――面識があるからこその恥ずかしさがあるのかも知れませんね。

 自分でも写真集を出すことになるとは思ってもいなかったので、周りの人たちは驚いていると思います(笑)。

――最後に、女子オールスター競輪への意気込みを聞かせてください。

 今年は過去2回よりも絶対にいい成績を残したいので、本番まで悔いのないよう、練習からがんばります!

【Profile】
河内桜雪(かわうち・さゆき)
2002年12月31日生まれ、群馬県出身。小学6年の時に地元の前橋競輪場で見たオールスター競輪でガールズケイリンの存在を知り、選手を目指す。中学から自転車競技を始め、高校は自転車競技の名門・前橋工業に進学。練習漬けの毎日を過ごし、3年時に日本競輪選手養成所を受験。翌年に入所し、成績3位で卒業する。

2022年、19歳でデビューを果たし、2025年9月に初優勝を飾る。女子オールスター競輪には今年で3度目の出場となる。

ハル飯田●取材・文 text by Haru Iida

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