この記事をまとめると
■橋や線路のオーバーパスは渋滞しやすい■ボトルネック部分になることによる自然渋滞だ
■橋は迂回することが難しいため交通量が集中してしまう
橋は交通集中による自然渋滞が起こりやすい場所
大きな川にかかっている橋や、線路のオーバーパス(跨線道路橋)などはつねに渋滞しているイメージがないだろうか。
事故や工事などのようなイレギュラーな事象もないのに渋滞することを自然渋滞という。そして、自然渋滞の発生しやすい場所のことを「ボトルネック部分」と呼んだりする。
高速道路などでは、ドライバーが意図せず速度を落としがちなトンネルの出入り口やサグ(くぼみ)部と呼ばれる下り坂から上り坂に切り替わるあたりが、自然渋滞の原因となりやすいとされているが、橋についてはフラットで走りやすくても慢性的に渋滞が起きていることは珍しくない。
大きな理由として考えられるのは、交通集中によってボトルネックとなっていることだ。
簡単にいえば、橋を迂回することは難しく、橋を渡る以外の選択肢が現実的にない。そのため交通量が集中しやすく、それが渋滞につながっている。
そこに突入するという選択肢しかないのが現実
日本で一番長い橋は川崎(神奈川県)と木更津(千葉県)をつないでいる「アクアブリッジ(東京湾アクアラインの千葉県側)」だが、この橋を迂回しようと思うと、東京湾沿いにグルっと遠まわりするか、横須賀(神奈川県)と富津(千葉県)をつないでいる東京湾フェリーを利用するくらいしか方法がない。
渋滞しているのがわかっていても、そこに突入するという選択肢しかないのが現実だ。結果的に利用者の増える週末などは、アクアラインが渋滞することが多くなってしまう。

同様のことは一般道でもいえる。冒頭で記した跨線道路橋を通らずに、線路の向こう側に行こうと思うと、踏切を渡るというルートになってしまうことが多い。踏切を待つくらいであれば渋滞しているオーバーパスを通ったほうが結果的に早いということになりがちだ。
慢性的に渋滞しているということは、そこで多くのロスが生まれていることになる。

というわけで、多くの橋が渋滞している原因は、実質的に迂回路がないため、特定の橋に交通量が集中するために起こっている。
もっとも、場所によっては橋のアップダウンが大きかったり、先の見えないコーナーになっていたりするために自然渋滞が起きているケースもあるだろうが、大筋では橋の渋滞は「そこを渡るしか道がない」からといえるだろう。