この記事をまとめると
■彗星の如く現れ、多くのファンを獲得しているアメリカのテスラ■EVのウィークポイントをクリアし、魅力的なモデルを世に送り出している
■今回はテスラのラインアップや価格、速さ、航続距離など最新情報をおさらい
テスラのラインアップをおさらい
世界をあっと驚かせる新時代のEV専門メーカーとして、彗星の如く現れて多くのファンを獲得しているアメリカのテスラ。CEOであるイーロン・マスク氏の常人には理解が難しい言動はたびたび話題となっていますが、EVのウィークポイントである充電時間や航続距離といったものをことごとくクリアし、魅力的なEVを世に送り出している事実は疑いようのないものです。
当初は1000万円オーバーの高級モデルが主力でしたが、ここ数年で手が届きやすいモデルもローンチ。
そこで今回はあらためて、テスラのラインアップや価格、速さや航続距離、充電設備についてなど、最新情報をおさらいしておきたいと思います。
ラインアップですが、まずはテスラの名を一躍有名にした高性能4ドアEVの「Model S」があります。2014年から販売されているロングセラーモデルですが、テスラの特性としてソフトウェアが随時、最新版にアップロードされていくので、最初に購入した人もずっと最新の機能が使い続けられるというのが、大きな魅力の1つです。

グレードはベーシックな「デュアルモーターAWD」と「Plaid」の2つで、どちらもAWD(全輪駆動)。速さと航続距離を両立するデュアルモーターAWDが0-100km/h加速3.2秒、航続距離が634km(WLTPモード)。速さを突き詰めたPlaidが0-100km/h加速2.1秒、航続距離は600km(WLTPモード)となっています。ちなみにPlaidは2023年6月4日に、ドイツのニュルブルクリンクサーキットで7分25秒231というタイムを叩き出し、量産EVの最速記録を打ち立てたと発表されました。これは新たなオプション装備として販売される「トラック・パッケージ」を装着したモデルだということです。
気になる価格ですが、デュアルモーターAWDが1296万9000円。Plaidが1596万9000円です。

続いて、価格改定で身近となったミッドサイズセダンの「Model 3」。UVカットの広大なガラスルーフで明るい室内が特徴となっており、テスラのほかのモデル同様のシンプルな室内は、後席の足もとスペースも余裕があります。ファミリーでも十分に使えるセダンです。

グレードはベーシックな「RWD」524万5600円、航続距離が長くなる「ロングレンジAWD」626万8600円、速さと航続距離を両立した「パフォーマンス」700万5600円の3つです。航続距離と速さはそれぞれ、「RWD」が565km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速6.1秒。「ロングレンジAWD」が航続距離689km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速4.4秒。「パフォーマンス」が航続距離605km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速3.3秒となっています。

SUVモデルも魅力的!
続いては、こちらもテスラの人気を押し上げた1台である、最大7人乗りのSUVとなる「Model X」。後席へのアクセスを良くするため、両側のリヤドアが鳥の羽のように上にあがって開く、ファルコンウイングドアが特徴的。最大2300kgの牽引能力を備えており、アウトドアレジャーの相棒としても頼れるモデルとなっています。

グレードと価格は、ベーシックなデュアルモーターAWDの「Model X」が1446万9000円。速さを追求したトライモーターAWDの「Plaid」が1666万9900円。

そしてサイズ的にも価格的にも身近なSUVとなるのが、「Model Y」。こちらは5人乗りのみですが、荷室スペースが大きくレジャーにもしっかり活用可能。天井が広大なガラスルーフで、室内は開放感いっぱいのSUVです。

グレードと価格は、ベーシックな後輪駆動の「RWD」563万7000円、航続距離が長いデュアルモーターAWDとなる「ロングレンジAWD」652万6000円、同じくデュアルモーターAWDで速さを突き詰めた「パフォーマンス」727万9000円の3タイプ。航続距離と速さはそれぞれ、RWDが507km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速6.9秒。ロングレンジAWDが航続距離605km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速5.0秒、パフォーマンスが航続距離595km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速3.7秒(ロールアウトを差し引いた値)となっています。

この4モデルを比べると、もっとも加速が速いのはModel S Plaid、もっとも航続距離が長いのがModel 3のロングレンジAWDの689km(国土交通省審査値)。ライフスタイルや好みに応じて、パフォーマンスが選べるのがいいですね。
そしてテスラの特徴の1つに、充電時間の短さが挙げられますが、その秘密がテスラ独自に開発、展開している「スーパーチャージャー」という超高出力な急速充電器。最新の「V3スーパーチャージャー」は最大250kWの出力を誇り、わずか15分で最大275km走行分が充電できるといいます。日本では、高級ホテルやショッピングモール、リゾート地や洗車場、レストランといった場所に続々と設置されており、2023年6月30日時点で79カ所/390基以上のスーパーチャージャーが稼働中。今後も増えていく見込みとなっています。

このほか、日本が採用している急速充電器の規格「CHAdeMO」も、アダプターを接続することで使用可能。自宅で充電するためのウォールコネクターもあり、出力は最大9.6kWと、家庭用としては高出力。テスラ車が複数台ある家庭のために、最大6台のウォールコネクターを1つの回路で電力供給できるようになっています。さすがアメリカ生まれだけあって、スケールが大きいですね。また、家庭用蓄電池「Powerwall」の設置事業もおこなっており、自宅に導入すれば太陽光発電による余剰電力を貯めたり、自宅に電力を供給できたりと、いざという時にも安心のシステムです。
そしてすべてのテスラ車に共通する魅力として、スマートフォンのアプリでドアのロック、アンロックをはじめさまざまな操作や設定ができること。インパネには大きなディスプレイが1つあり、ほとんどの物理スイッチがないシンプルさであること。充電中に楽しめるエンターテインメントやアクティビティが豊富に用意されており、ゲームのリモコンをつなげれば後席からもディスプレイでゲームが楽しめるところなど。

また、イーロン・マスク氏はユーモアたっぷりでサプライズ好きであることから、ある日突然、隠しコマンドがテスラ車に配信されて、サンタクロースがやってきたり、クルマがダンスを踊ったりする仕掛けも過去に話題となりました。いつもワクワクさせてくれるテスラは、今後どう進化していくのか注目したいですね。