この記事をまとめると
■フォルクスワーゲンは自社の車両にChatGPTを搭載すると発表■ChatGPTは人間が自然に感じられる回答をするとのことで一躍注目を集めた生成AIだ
■クルマと音声で通信することはドラマなどでも相性がいいと証明されている
クルマにもついにChatGPTが!
ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、OpenAI(オープン・エーアイ)の開発したChatGPT(チャット・ジー・ピー・ティー)を車載すると発表した。
OpenAIは、米国の人工知能の開発を行う企業で、ChatGPTは2022年に公開され、人間が自然に感じられる回答をもたらすことで一躍注目を集めた生成AIである。
上記のほかにChatGPTの特徴は、日常的な会話のような入力で会話が成り立ち、回答を得られるところにある。すでに車載の音声機能であるGoogleアシスタントやAmazon Alexaなどと比べ、より自然な応答が可能になるとのことだ。
実際、新車試乗の折に音声入力による目的地設定など試しても、快適に利用できる場合と、何度やってもうまくいかないときがある。発音や、認識できる言葉遣いなどに制約があるためだ。
人とクルマの接点となる、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の重要性や改善は、今後の先進技術開発の重要な要素のひとつといえる。音声入力は、運転中の目的地変更や、立ち寄り先の追加などの希望に、目線をスイッチ操作にそらすことなく操作することができるようにし、ことに、はじめて訪れた土地での道案内に有効だ。あるいは、交通事故や渋滞の情報は手に入っても、どの道筋を選ぶと適切かといった即応性にもより適合しやすくなるのではないか。経路を変更しても、そこがまたクルマの集中で渋滞になるといったことも起こるからだ。
未来を見据えるなら、高齢者や身体障害者がひとりでクルマを利用し移動する場面で、より効果的な機能を発揮すると期待される。いまのクルマは健常者向けだが、万人のクルマとなるひとつの重要な要素といえるだろう。
1980年代初頭の米国テレビドラマであるナイトライダーは、キットと名付けられたクルマが登場し、主人公と会話しながら自動運転を利用して難局を乗り越える筋書きだった。
自動運転や音声入力は、まだ本当にクルマの利用者に必要な機能であるかどうか、実感を持てない消費者も多いのではないか。しかし、40年前以上前の米国テレビドラマでは、クルマと楽しく、かつ便利に過ごす日常が描かれていた。生成AIの進化も、既存のクルマの成長だけでなく、モビリティという移動手段としての価値を見極めれば、いっそう期待が持てるのではないか。

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