この記事をまとめると
■毎年約300万台もの自動車が廃車処分になっている■価値がないクルマや事故によるもの、維持が困難になり廃車になるケースもある
■クルマのリサイクル率は99%と非常に高いのが特徴だ
クルマが廃車になる主な理由は?
一般財団法人 自動車検査登録情報協会の調べによると、2021年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は13.87年。
また自動車リサイクル促進センターが公表した2022年の国内で発生した使用済み自動車の発生台数は、約276万9000台で、毎年約300万台が廃車になっている……。
クルマを廃車にする理由は、大別すると余剰廃車(古くなって下取り価値がなくなって廃車にする)、経年廃車(経年劣化により維持が難しくなって廃車)、事故廃車の3通りがあるが、大好きだった愛車を廃車にする理由となると、事故や自然災害で全損になってしまったケースが多い。
最近では盗難に遭い、あとからクルマは見つかったが、すでにバラバラにされていて……、といった受け入れがたい災いも!
あとは主要部品の製造廃止で、修理ができずにやむを得ず……というパターンもある。
たとえば、エンジンがオーバーホールできないとか、ATが壊れたとか、ECUが壊れたといったとき、メーカーの純正補修パーツが製造廃止になっていると、もうお手上げだったりする(中古品やリビルト品があればまだ救いはあるが……)。
メーカーは車両の生産終了後もおおよそ10年は補修部品をストックしておくが、10年を過ぎると徐々に欠品、製廃のパーツが増えてくるのが一般的だ。
スカイラインGT-Rのような人気車種だと、パーツを作り続けたり、再販することもあるし、サードパーティーによる代替部品も出まわったりするが、不人気車の補修部品の欠品・製廃は深刻だ。
ヨーロッパ車は比較的古いクルマでもパーツが入手しやすいが、国産車はバラツキがある。日産とマツダはわりと旧車のパーツフォローがしっかりしているが、ホンダは冷酷に製廃する傾向がある。
クルマは99%リサイクル可能!
重要な補修部品が手に入らず、車検が通らなくなって廃車にするのは悲しいこと。
ただ、ディーラーなどでお手上げになっても、その車種専門のファクトリー、ショップがあれば、ノウハウがあってなんとかしてくれることも多いし、ネット等で中古パーツを探して延命を図ることもできるので、諦めなければチャンスがある。
そのほかは費用対効果の問題。
古くなって故障が増え、どこかを直すとまたほかのどこかが壊れる……といったループにはまると維持が難しいし、車検の見積もりをとったら、「50万円かかる」といわれたとか、エアコンが壊れて一式交換40万円となったり、健康上の理由でクルマに乗らなくなったり、そのクルマに乗る機会が減ったり、経済的な理由でクルマを手放さざるを得なくなったり、といったことも考えられる。
ちなみに廃車になったクルマのリサイクル率は99%で、最終的に埋め立て処分等にまわされるのは、クルマ1台分のうち、わずか1%程度といわれているが、売れないクルマ、愛されないクルマがもっとも地球の資源を無駄にし、環境にダメージを与えているはず。
みんなに愛されて、長く乗り続けてもらえるクルマこそ、人にも地球にも優しいクルマだと思うので、平均13.87年といわず、20年でも30年でも乗り続けたいと思えるクルマの開発と、それを維持できるパーツ供給をメーカーサイドにはお願いしたい。

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