この記事をまとめると
■三菱自動車は1993年から「小学生自動車相談室」のサービスを始めた■1990年代に小学校の教科書でクルマ産業が紹介されたことが「小学生自動車相談室」サービス開始のきっかけ
■小学生らしい独創的な質問や大人も知らなかった疑問が過去に寄せられていた
子どもたちのクルマに関する疑問を解決する「小学生自動車相談室」
子どものときにいろいろなクルマへの疑問を感じたことはないだろうか? そんな疑問を親に聞いてみたり図書館で調べたりしたことは、クルマ好きなら多くの人が通ってきた道だろう。
それでも答えがわからず、疑問のまま時間が過ぎたこともあるのではないだろうか? そんな子どもがいたら教えてあげたいのが、三菱自動車が行っている小学生自動車相談室だ。
社会科の授業内容が開設の背景
三菱自動車が行っている「小学生自動車相談室」は1993年からスタートした。夏から秋の期間に開設され、今年(2024年)は7月20日~12月10日までの間で開設されている。
1993年に開設した背景には、1990年代に自動車産業が日本の代表的な産業として、小学5年生の社会科の教科書に取り上げられたのが大きく影響している。教科書で取り上げられたことにより、お客様相談センターへと問い合わせが急増したのだ。

そのような状況を受け、三菱自動車では自動車産業の授業が行われる夏から秋にかけて、小学生を対象に自動車に関するさまざまな問い合わせに対応する「小学生自動車相談室」を開設した。という訳だ。
クルマ好きも答えられないような質問が寄せられる
自動車ライターにも勉強になる質問
小学生の疑問というか、発想は自由なもので我々でも気になる疑問から、小学生ならではなアイディアが詰め込まれた疑問まで、さまざまな質問が送られてくるそうだ。たとえば筆者も今回記事を書くにあたり、取材した上で「勉強になったなぁ」という質問があった。
たとえば「なぜクルマのバックの音は『シ』の音階なのか?」という質問だ。正直音符が読めない筆者は気にしたことがなかったが、小学生ならではの独創的な質問だ。これは、「シ」の音が幅広い年代の人たちに聞き取りやすい音だからだ。バックの音以外にも救急車のサイレンは「シ」と「ソ」の繰り返しになっている。

また、「現在は1台のクルマ全体の99%がリサイクルできるとされているが、出来ない1%とは何か?」という質問もあった。これは、曇り取りのために熱線が付けられているガラスだそうだ。

ほかには小学生らしい独創的な質問もあった。「ハンドルは四角やハートの形じゃだめなの? バイクみたいなハンドルだといいと思うんですが」や「クルマの名前はどうやって決めているの?」「空飛ぶクルマは作れるの?」といった質問は大人では思いつかない質問ではないだろうか。

三菱自動車も刺激を受ける
実際に三菱自動車としても、この相談室には新鮮な刺激を受けているようだ。熱意ある小学生からの質問が多く集まっていて、クルマに対する熱量や憧れ、興味をもっている子どもがまだまだ多いと実感しているとのこと。
そして、それと同時に勉強熱心な小学生が多いことにも驚かされているそうだ。質問をする前に事前に下調べした上で質問する小学生も多く、なかには担当者が困ってしまうケースもあるんだとか。

また、授業のなかでスピーカー機能を使って電話をして、生徒から代わる代わる質問を受けたケースもあったとのこと。三菱自動車は小学生のクルマに対する興味関心に大きく貢献しているといえるだろう。
夏休みの期間とも被るので、来年の自由研究の題材にしてみるのもいいかもしれない。