この記事をまとめると
■東京オートサロン2025のホンダブースではモータースポーツ参戦車両が展示された■「シビックタイプR レーシングブラックパッケージ」が初公開された
■プレリュードは2025年の秋に発売されるという正式なアナウンスがなされた
HRCのモータースポーツ活動をアピールする展示内容
東京オートサロン2025のホンダブースは、これまで以上にレーシングなムードに包まれていました。ブースのメッセージワード「Honda SPORTS」を体現するに相応しい展示構成です。
まず目に付いたのは、1964年にホンダが初めてF1に参戦するという歴史に残る1歩を刻んだマシン「RA271」です。
当時、「葉巻型」と呼ばれた円筒をつぶしたような独特の形状のボディに1625ccのV型12気筒ユニットを搭載したマシンです。
そのすぐ後ろには、2024シーズンを戦った最新のF1マシン「オラクル・レッドブルレーシングRB20」が並べられていました。

「RA271」とこの「RB20」の間には、ホンダがF1に取り組んだ60年の歴史が詰まっています。そのことを直接目で見てもらいたいというかのような展示に、思わず感慨がわき上がってきました。
さて。今回のブースの中央に設けられたメインステージには、左に2024シーズンのスーパーGTに参戦していた「シビックタイプR-GT」が置かれ、中央を挟んで右にはカバーに包まれた「シビックタイプRレーシングブラックパッケージ」が、そしてその斜め後方には、またもやカバーに包まれた「プレリュード・プロトタイプ」が置かれていて、本邦初公開となるその姿に期待が膨らみます。

このカバーが取り除かれる「アンベール」のセレモニーは、初日の11時から開催されるプレス・カンファレンスのなかでおこなわれます。
シビックタイプRの新型モデルやプレリュードの発売時期を公表
多くの報道陣がメインステージ前に陣取り始めると、まもなくカンファレンスが開始されました。
まず登場したのは「シビックタイプRレーシングブラックパッケージ」開発責任者の明本禧洙(あきもと・よしあき)氏。
現行のフリードとCR-Vがカーオブザイヤーにダブルで輝いたことなどに触れつつ、ブーステーマの「Honda SPORTS」に沿って、創始者である故・本田宗一郎氏のモータースポーツに対する想いを振り返ります。

その遺伝子が受け継がれた先は……という流れで、いよいよ「シビックタイプRレーシングブラックパッケージ」がアンベールされました。
目にまぶしく飛び込んできた車両のボディカラーは鮮烈なレッド。

そして、立て続けに「プレリュード・プロトタイプ」もアンベール。カバーが取り除かれて現れた車両は、ブラックのボディカラーをまとっています。
この次期プレリュードは、2023年の「モビリティショー」で初披露され、その後にハイブリッドシステムの新たな変速機構「Honda S+ Shift(ホンダ エスプラスシフト)」の提案とともに、青の迷彩に塗られたプロトタイプ然とした姿でメディアの前に現れました。

そして今回の「東京オートサロン2025」では、発売を前に早くもドレスアップの提案モデルとして再びお披露目となったわけです。
「ホンダレーシング(HRC)」代表取締役社長の渡辺康治氏のスピーチのなかで、プレリュードの発売予定が発表されました。その時期は2025年の秋です。いよいよプレリュード復活が秒読み段階に入ったといっていいでしょう。

ブース内にはほかにも、MGU-K(モーター・ジェネレーター・ユニット・キネティック)やMGU-H(モーター・ジェネレーター・ユニット・ヒート)という高度なエネルギー回生機構を備えたF1マシン「オラクル・レッドブルレーシングRB20」のパワーユニットや、メカニックを育成する学生により競われる「ホンダ学園関西校☆N-ONE☆」車両、そして毎年夏におこなわれる国内2輪レースの代表格、「鈴鹿8時間耐久レース」の優勝車両「CBR1000RR-R」などが展示され、まさにレースムード一色という雰囲気でした。