この記事をまとめると
■「オートエキスポ2025」のスズキのブースでは「ディザイア」が展示されていた■インドでは税金で優遇される全長4m以内のコンパクトセダンの需要が多い
■ブースに展示されたディザイアはハイグレードすぎたのでスタンダードなディザイアを早く見たい
インドで人気の4m級セダン「ディザイア」がモデルチェンジ
前回オートエキスポを訪れたのは2023年のこと。2024年よりインド政府主導により複数の自動車関連イベントをひとくくりとした、「バーラト(ヒンディー語でインドの意味)・モビリティ・グローバル・エキスポ」の関連イベントのひとつ(オートエキスポ、通称:デリーオートエキスポ)となる前の独立開催されていたときの話であった。
オートエキスポ2023における最大のトピックスは、スズキ・ジムニー5ドアのワールドプレミアであった。
今回で4代目となるディザイアであるが、初代と2代目は「スイフト・ディザイア」であったが、3代目から車名が「ディザイア」のみとなっている。それでも3代目はまだ「トランクのついたスイフト」という表現もできたのだが、4代目は現行スイフトとはかなり印象の異なるエクステリアとなっている。
オートエキスポ2025取材のためにインドの首都デリーに到着したのは1月13日の夜であった。デリー市内の宿泊先に到着したのは夜遅めだったが、周辺を軽く散策していると、二軒隣ぐらいにスズキ・アリーナ店があり、その店舗近くに新型ディザイアが停めてあった。まさにこれが新型ディザイアとのファーストコンタクトであった。「スイフトのセダン」を感じさせないその洗練されたスタイリングに、深夜ながら思わず興奮してしまった。

インドはデリー市内とその周辺しか訪れたことがないのだが、諸外国ではライドシェアサービスとして有名な「ウーバー」がタクシーのように使え(アプリで呼ぶのは変わらない)、しかも世界一安いといわれる料金で使うことができる。そして、そのウーバー車両として大活躍しているのが「ディザイア」なのである。全長4m以内に収まると税制上優遇されるなか、無理やりトランクをつけ、「4mセダン」という新しいカテゴリーを作ったのが初代スイフト・ディザイアとなっている。
日本メーカーではほかにホンダが「アメイズ」というセダンをラインアップするほか、韓国ヒョンデでは「オーラ」、インドのタタでは「ティゴール」といった4mセダンをラインアップしている。

新型ディザイアはカッコよく豪華になりすぎた!?
ディザイアのウーバー車両はほとんどがCNG(圧縮天然ガス)車両で、トランク内にはガスタンクが装着され、トランクは使い物にならなくなっている。
セダン好きな筆者が初めてデリーを訪れたとき、ディザイアを見てまさにひと目惚れしてしまったのである。

オートエキスポ2025のスズキブースでは、メディアデーである初日とディーラーズデーとなる2日目は、ブース内に展示されている車両はほぼ、「eビターラ」であった。そこで、一般公開初日となる1月19日にスズキブースを訪れると、そこにはディザイアが展示されていた。
インドでもクロスオーバーSUVの人気が高いので、一般消費者向けの需要は限定的でウーバー車両などのフリート販売がメインとなっているようだが、それでも改めて新型ディザイアを見てウットリしてしまった。

しかし、展示車を見ていてなんともいえない違和感を覚えた。それは、展示車が結構なハイグレードモデルだったからである。筆者の慣れ親しんでいる、おそらくフリート向けグレードとなるディザイアではなく「ツアーS(別車名となっているようだ)」と名乗るモデルこそ、筆者の惚れ込んでいるディザイアなのである。
ヘッドレストのつながったハイバックシートを装備し、リヤのウインドウの開け閉めはレギュレーターハンドルになっているなど、筆者のオタ心をくすぐるのが「ツアーS」なのである。
2024年11月にデビューしたばかりなので、新型ディザイア自体を街なかで見かけることもほとんどない状況だったが、次回デリーを訪れたときには、新型ツアーSが街に溢れていることをいまから楽しみにしている。