この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2025にはシビックが多数出展されている



■EGシビックやEKシビックなど1990年代のシビックの割合が多かった



■こだわりのパーツや独特な世界観をまとった車両たちには多くの人が集まっていた



関西といえばやっぱりシビック!

「大阪(関西)」と「改造車」で思い浮かぶ車種は?



この質問をクルマ好きに問いかければ、多分100人中80人くらいはこう返すはず。



「シビックですね」と。



そう、大阪近郊を象徴するスポーツカーは、911でもなければGT-Rでもなく、ホンダのシビックなのだ。

これには諸説あるが、メジャーなモノだと、三重県の鈴鹿サーキットで行われていたシビックのワンメイクレースを走っていた車両を、オーバルコースのようなレイアウトの大阪環状線に持ち込んで走りまわっていたという地場の文化があり、それが1980年代中頃から加熱。大小さまざまなチームが存在し、ピーク時には数百台規模だったとかなんとか……。これがいわゆるお馴染みの「環状族」たちの成り立ちといわれている。



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もちろんこれはバリバリの違法行為であるが、こういったアウトローな方向に憧れる人は今も昔も多い。そんな文化を象徴するクルマがシビックだったわけだ(AE86やシルビア、スターレットなども走っていたが)。



とはいえ、毎晩走りまわっていた環状族たちも、逮捕だの免許取消しなどされてはたまったものではない。なので今ではそういった行為をする人たちは皆無。当時の意志を継ぐ者たちはサーキットへ主戦場を移しているそうだ……。



前置きが長くなったのでそろそろ本題に移ろう。



2月7~9日で開催されている西日本最大級の規模を誇る自動車系イベント、大阪オートメッセ2025の会場を訪れると、2025年はやたらとシビックの出展が目立つ印象がある。EKシビックを所有する筆者的に、これは無視できない。ってなわけで今回は、会場内にいた3代目のワンダー(AT)から6代目のミラクル(EK)という、シリーズ中で1番人気が高い世代のシビックを一気に紹介する。

この手のクルマが好きな方はしばしお付き合いあれ。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
ホンダ・シビック(EK4)



先ず紹介するのは。インテックス大阪4号館に巨大なブースを構えるK's Factoryのブース。ここにはなんとド派手なカラーリングをまとったEGとEKが計10台展示されている。



先述のように、大阪環状を走りまわっていたクルマはワンメイクのレーシングカーだったという背景もあることから、環状マシンはレーシングカーチックなカラーリングにしていたという文化がある。K's Factoryが展示していたクルマもすべてレーシングカーのカラーリングをオマージュしたモデルで溢れかえっていた。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
K's factoryのシビック



現代の解釈を入れてリメイクした、Gr.Aで大活躍した出光シビック風のカラーリングなんかは、きっと当時を知る人からしたら「懐かしい!」な1台ではないだろうか。



K's Factoryの関係者に聞いたところ、ここに展示されているシビックはすベてお客さんのクルマとのこと。「EKとEGどっちが人気なんですか?」と聞くと、「うちではEGですね。見た目で選ぶとそうなるみたいです」との返事が返ってきた。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
K's factoryのシビック



今、ノーマルの状態でこういったペタペタなデザインをまとったクルマはそう存在しないので、ホンダのデザイン黄金期ともいわれる時期に誕生したこの世代のシビックは、今見るとかなり攻撃的なデザイン。正直これが当時のオーソドックスなコンパクトカーだったと聞くと、凄い時代だったなと感心する。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
K's factoryのシビック



EGとEKがそれぞれ5台ずつ展示されていたわけだが、これほど大規模な展示をしている理由は、同社の社長がシビックが大好きだからだと説明してくれた。すべてナンバー付きで公道を走れるとのこと。なお、K's Factoryはシビック屋ではなく、普段は国産から輸入車まで幅広く扱っている中古車屋さんなんだそう。



ド派手なカラーリングをまとった、いかにも関西チックなシビックのまわりには、黒山の人集り。大人気であった。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
K's factoryのシビック



関西のプライドが詰まったこだわりのシビックたち

続いては関西のみならず今や世界的に認知度があるFIVE MART。大阪JDMという自社ブランドのパーツも多数展開しており、海外でも大人気だ。お店にも連日多くの外国人観光客が訪れている。



同社のブースにはシビックが2台とインテグラ(DA1)、レストア中のシビック(EK9)のハコが展示されていた。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
FIVE MARTのシビック



1台目のシビックはワンダーシビックと呼ばれる3代目シビック。25Rという1.5リッターのベースの箱にB16Aをスワップしたもので、お客さんのクルマだ。走りも見た目も徹底的にこだわっており、ここまでフルノーマルの状態から仕上げたとのこと。

随所にワンオフパーツやアメリカ製のパーツなどを拵え、唯一無二のワンダーとなっている。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
FIVE MARTのワンダーシビック



2台目はEK4だ。あえてタイプRではないところがまた渋い。エクステリアはSPOON製のリップスポイラーにノーマルのバンパー(通称:髭付き)、純正OPのリヤゲートスポイラーとSPOON製のリヤスポイラーを装備した一見ノーマル+α程度のエクステリア。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
FIVE MARTのシビック(EK4)



あえて派手にしないのは、このクルマが「90年代」をテーマにしているから。実際、車内のシートはBRIDEのジータ2を2脚インストールしているなど、内外まとめて当時仕様となっている。似たようなことを筆者も愛車でしているので、これには感涙。



ちなみにこの渋さでありながら、オーナーは23歳の若者だという。なお、こういったオーナーのこだわりを叶えるため、FIVE MARTでは要望に沿ったパーツを探す徹底ぶり。理想のシビックを探すとき、きっと強い味方になるはずだ。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
FIVE MARTのシビック(EK4)



ブース奥に展示されているバラバラのEK9は、同社の代表がこれから乗ることを前提にレストア中だというハコだ。事故車かつ放置期間もありそれなりにボロいとのことで、レストアの過程をSNSを通じて発信し、仕上げていく過程を多くの人と楽しむ目的でプロジェクトが進行している。

2025年末に完成予定とのこと。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
FIVE MARTのレストア中のシビック



現在は下まわりだけ完成しており、その様子を公開していた。ちなみに、時間と費用はそれ相応に発生するが、お客さんのクルマもレストアしてくれるそう。EGはもちろん、EKも30年選手に近いので、長くシビックに乗りたい人は必見だ。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
FIVE MARTのレストア中のシビック



ちなみにFIVE MART代表曰く、やっぱりEGとEKが人気で、相談に来る人の多くは20~30代。ワンダーやグランドは維持が難しくなっているので、この2台が現状まだ乗りやすいというのが大きな理由。



「昔はシビックなんて数十万で買えたので、それこそ環状やら山やらサーキットやらで楽しむ人が多かったですけど、今はもうそういうクルマじゃないですね。うちに来るお客さんは8割は街乗り、2割がサーキットですね」と語る。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
FIVE MARTのシビック



「それと、最近はアメリカより東南アジアでのホンダ熱が半端じゃないですね。タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア。この辺りからのオファーが異常です。アメリカで流行った文化が今になってあちらで盛り上がってる印象です。

今回出展しているインドネシアのNMAAさんからも、今年ホンダ車のイベントをやるから来てくれと、さっきオファーを受けました(笑)」と答えてくれた。今、世界的に1980~90年代のホンダ車がキテいると、お店をやっていて感じているそうだ。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
FIVE MARTのシビック



EXCEEDのブースでは、お菓子のデザインを模したEK9と、同社のパーツやアメリカ発の人気ブランド、バトルクラフトのパーツで武装したEK9の2台が展示されていた。どちらのクルマも、アメリカ人のJoey Lee氏が率いる、カスタムカーなどを紹介するメディア「Chronicles」にて掲載、プロデュースされている話題の2台だ。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
EXCEEDのシビック



使用されているパーツやマシンメイクは随所にこだわりが感じられる仕立てとなっており、誰が見ても素直に「格好いい」と思えるクルマ作りは、同車種オーナーたちにとっていい刺激になりそうだ。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
EXCEEDブースのシビック



その裏で、長野工房はEK4とEK9を展示。「マッハキャリバー1号」「マッハキャリバー2号」と名付けられた2台は、型式と色違い以外はほぼ同じパーツで構成というコンセプトで、走りにも魅せる方向に振られている。目視ではわかりにくいが、同社の職人がスポットを増したボディやワンオフマフラーの装着など、中身にこだわった2台だ。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
長野工房のシビック



会場内には、筑波サーキットやセントラルサーキットでNAのFF車最速タイムを記録するなど、輝かしい成績を残しつつも、今シーズンでラストランとなったTEMPLEのASLAN SPIRIT EG6も展示されている。ワンオフのカナードやエアロパーツで武装した同車の迫力は半端ではなく、こちらも多くの人が集まっていた。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
ASLAN SPIRIT EG6



SNSで最近話題のおばけのキャラクターをモチーフにしたGHOSTEXPODのブースでは、シビッククーペ(EJ1)が同ブランドのデモカーとして展示されていた。ブランド所属のメンバーの愛車とのことで、ワイヤータックされたB16Aが鎮座。

全体をスタンス系のテイストにまとめ上げ、魅せる方向に振った1台だ。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
GHOSTEEXPODのシビッククーペ



前述のインドネシアのNMAAからは、EG6にK型エンジンをスワップしたクルマを現地からもち込んで展示。エクステリアは今やヤフオクで札束の殴り合いをしないと手に入らない、無限の当時モノのパーツで統一されており、お宝の塊となっていた。もちろんマシンメイキングも完璧で、ショーカーに相応しい佇まいであった。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
NMAAのEG6



会場内ではこのように、「大阪=シビック」といわんばかりのシビック祭り状態で、東京オートサロンでは見ることがないクルマが数多く集結し、「このシビックを見に来た!」といっている人もチラホラ見受けられた。



さらに特徴的なのは、これらのシビックの多くは15インチないし16インチの小径ホイールでまとめ上げ、外装も極力ノーマル+α程度。多くのクルマが1980~90年代のホンダ車特有のデザインを生かす形としている点に、並々ならぬこだわりを感じる。



2025年のOAMはシビック祭り! 見なきゃ損するチューンドシビックを一挙紹介【大阪オートメッセ2025】
EXCEEDのシビック



シビックファンは是非1度、”本場のシビック”を見に、大阪オートメッセに足を運んでみてほしい。

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