この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2025が無事閉幕■今回もリバティウォークが出展した
■展示車両のR32スカイラインに注目
「街道WORKS 32 スカイライン ドリフト」を初公開
リバティウォークといえば、いまではランボルギーニやフェラーリなどの超高価なスーパーカーをワイド化してしまうという大胆極まりないカスタムの手法がイメージとして定着している感があるカスタムメーカーです。
とくにヤンチャ界隈では絶大な支持を集め、日本国内はもとより、北米最大のカスタムの祭典「SEMAショー」をはじめ海外各地のカスタムショーへの出展が引っ張りダコな状況となっています。
そんなリバティウォークは、その大胆さの極みとして、2023年の東京オートサロンで“あの”フェラーリF40をカスタムのベース車に選び、ファンたちの度肝を抜いて見せたのは記憶に新しいですが、続く翌年の2024年にはランボルギーニ・カウンタックを、そして続けざまに今年2025年には、フェラーリF40と並ぶ希少さのランボルギーニ・ミウラのワイドVer.を発表。
■いい意味で期待を裏切る車種選びに意外性と待ってました! が共存
そしてここ、大阪オートメッセ2025の会場には、果たしてどんな車両がお目見えするのかと、西のカスタムファンが息をのんで待っていたリバティウォークブースのブランニューは、R32型スカイラインの「街道WORKS」スタイルでした。
「え? それって東京で発表されたヤツ……」と思った人もいるでしょう。しかしここ大阪オートメッセの会場でアンベールされたのは、東京オートサロンで初披露された「街道WORKS 32 スカイライン」と対になる仕様違いのマシンでした。

「街道WORKS 32 スカイライン ドリフト」と名付けられたそのマシンは、「街道 ワークス 32スカイライン」と同じエアロをまとっていますが、中身はまるで別物といっていい内容です。
ベースになった車両は、ドリフトの界隈では発想が枠外なことで知られている某ビルダーが製作していたR32スカイラインベースのドリフトマシンです。譲り受けたときの状態は、キャビンのモノコックに、前後のパイプフレームが装着された状態だったそうです。大幅な走行性能の向上を目指して、レースマシンと同じパイプフレームで足まわりを支える構造にモディファイされていました。あまりに大胆なモディファイのため、ナンバーの取得はあきらめ、サーキット専用として製作されています。
そこに搭載されるのはもちろんRB26……ではありませんでした。日産ですらなくトヨタの直列6気筒2JZが搭載されています。排気量が大きいためパワーを出すには有利ということからのチョイスです。
しかもこのマシンは、長い直6の2JZをフロントミッドシップマウントしていました。

大幅なモディファイに合わせて内装も大きく手が入れられています。エンジンが後退したことで、従来のダッシュボードの位置では収まらず、室内側に大きく膨らます形でバルクヘッドを製作し直しているのが写真からもわかるでしょう。シートの位置も後退しています。

リヤウインドウはアクリル化したうえでガバッとくりぬかれています。これは重量物を前に集中させないという目的で、ラジエターをトランクルーム内に移設してあるためです。

フロントには「出っ歯」を採用!
外観は基本的に「街道WORKS 32 スカイライン」と同じです。フロントのワイド化はオーバーフェンダーで行い、リヤまわりはごっそりと1980年代の日産のスーパーシルエットGr.5ワークスマシンをモチーフにした箱形の造形という、前後で異なるテイストを融合してまとめています。

また、テールランプは自然に収まっているように見えますが、真ん中でかなり延長されているので、ちょっと不思議なバランスになっています。

大きく増したリヤのボリュームに対してバランスを取るため、バンパーの下に長さ50センチ以上はあるであろうアンダースポイラー、通称“出っ歯”を追加しています。

大きな違いはロングノーズの有無です。「街道WORKS 32 スカイライン」では街道テイストを盛り上げるために、グリルとヘッドライト周囲をぐるっと囲むパネルを前に伸ばす“ロングノーズ”の手法が欠かせませんでしたが、こちらのドリフト用マシンでは不要と判断して非採用にしています。
ロングノーズがない分、口が開く表情に見えてしまうようになり、精悍な顔つきに見えるようにバランスを取るのに苦心したそうです。
先に東京で発表されたロングノーズ仕様の「街道WORKS 32 スカイライン」も隣に並べて展示されていました。

こちらは内装も“街道スタイル”のコンセプトでまとめられています。
全体を1970~1980年あたりに多く見られた色付き内装のイメージにするため、えんじ色で仕上げられています。
そして、当時の「BOSO−ZOKU」を象徴するような、水中花シフトノブや、リヤウインドウの内側に据えるタイプのスピーカーなどが各所にあしらわれています。

車両が載せられた台が畳張りなのもシャレが効いています。
■ もはやお馴染み!? のスーパーカーシリーズやスーパーシルエットシリーズもお目見え
「街道WORKS 32 スカイライン」のフロントスタイリングのドリフトVer.とは逆側の隣には、東京オートサロンでどよめきを呼んだ「LB シルエットWORKS GT ミウラ」が並んでいました。

これも大阪では初披露となるため、多くの来場者の目を釘付けにしていました。

そしてその隣には、時系列を辿るカタチで2024年発表の「LB-WORKS カウンタック」を展示。

あらためて実車を前にすると、この伝説のクルマのフェンダーをカットする大胆さに深い感慨を覚えます。

カウンタックとは逆サイドには、2023年にカスタム業界の話題をさらった「LB-WORKS F40」が置かれていて、

東京でもその試みに驚く人が多かったという、「ボディに落書きしてください」の展示があり、新たに大阪のLBWKファンの描き込みがおこなわれていました。

そしてそのメインブースに連なる場所にも、多くのワイドボディなマシンが並んでいて、来場者の目を輝かせていました。