この記事をまとめると
■ボルボが3列シートをもつフラッグシップSUV「XC90」のマイナーチェンジモデルを発表■大幅刷新した内外装と進化したインフォテインメントシステムに注目
■走りの面でも一部改良が入り価格は税込1099万円から
北欧プレミアムSUVのヒット作がさらなるアップデート
EVシフトを加速させる欧州メーカーのなかでも、とくに電動化を推し進めるのがボルボだ。2024年のグローバル販売では、EVの販売が前年比54%増となり、総販売台数ではじつに半数近い46%が電動車(EV・PHEV)となるなど、業界内でもトップクラスに電動化が進んでいるメーカーのひとつである。
そのボルボから、フラッグシップSUVとなるXC90の改良モデルが発表された。
今回のマイナーチェンジでは、内外装を大幅に刷新したほか、最新EVモデルと共通のインフォテインメントシステムを採用。パワートレインも一部仕様変更を受けるなど、モデルライフ10年目にして最大といえる大幅なアップデートを受けた。
発表会で登壇したボルボ・カー・ジャパンの不動奈緒美社長は、このマイナーチェンジを受けた新型モデルについて「2代目XC90の完成形」とコメント。その完成度への自信を窺わせた。

リニューアルした新型XC90でまず目を引くのは、大きく変わったフロントマスクだろう。フロントグリルは、2方向から伸びる斜線が重なりあうグラフィカルデザインとなる。クルマのデザインとしては珍しい左右非対称の意匠であるが、不思議とそこに違和感がないのはデザインの妙だろうか。
マトリックスデザインLEDを採用したことでよりシャープな印象となったヘッドライトやロアバンパーもよりモダンな印象を与えるデザインへと全面的に刷新。フルモデルチェンジかと見まごうような大胆な変化を遂げている。

なお、グリルやルーフレール、モール類といった箇所の装飾は、マイルドハイブリッドモデルがクロームメッキ、プラグインハイブリッドモデルがグロスブラックの仕上げとなる。
最新EVモデル同様の次世代インフォテインメントシステムを装備
エクステリア同様、インテリアのデザインも大幅な化粧直しを受けている。
仕上げについては、上質なウッドやナッパレザーに加えてボルボ独自の100%リサイクル素材「ノルディコ」を取り入れ、伝統的なスカンジナビアンデザインをより現代的なものとしている。

ダッシュボード中央で存在感を放つセンターディスプレイは、このマイナーチェンジの大きなハイライトでもある。ボルボの最新EVと同様のUIを導入したことで、ユーザーが頻繁に使用するアプリや機能が優先して表示されるようになったほか、パーソナライズされた情報が自動的に提供される次世代のインフォテインメントシステムへと進化を遂げた。
従来の9インチから11.2インチに大型され、21%向上したピクセル密度によって視認性や操作性が向上したディスプレイそのものの改良も見逃せないポイントだ。

メカニズムの面では、マイルドハイブリッドモデルにおいて新たにミラーサイクルエンジンを採用し、従来モデルと比較して5.3%の燃費効率向上を達成したほか、ダンパーにも改良が入った。また、パワートレイン・グレードを問わず全モデルにおいて遮音材が追加され、さらなる静粛性を手に入れた。

新型XC90の価格は、マイルドハイブリッドモデルの「Plus B5 AWD」が税込1019万円、電動シートなどを備えた上位モデルとなる「Ultra B5 AWD」が税込1099万円。プラグインハイブリッドモデルは「Ultra T8 AWD Plug-in hybrid」のモノグレードとなり、税込1294万円となる。
今回のアップデートで、ボルボXC90は北欧プレミアムSUVの決定版という地位をさらに確固たるものとしたといえるだろう。なお、XC90のアンバサダーとして俳優の坂口憲二さんが就任したことも発表されており、今後のプロモーションにも注目だ。