この記事をまとめると
■2025年1月単月締めでの車名別新車ランキングはデッドヒートが繰り広げられた■1位のN-BOXが苦戦する一方で軽自動車2位のスペーシアには勢いがある
■トヨタ車の新規受注停止の影響でリセールもいいレクサス車に注目が集まっている
2025年1月にもっとも売れた新車はホンダN-BOX
自販連(日本自動車販売協会連合会)からの登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車それぞれ2025年1月単月締めでの車名(通称名)別新車販売ランキングを合算すると、2025年1月単月締めでもっとも売れた新車はホンダN-BOXとなった。2位のトヨタ・ヤリスとの差はわずか137台、まさにN-BOXが逃げ切ったというデッドヒートが展開されたと表現したくなるような結果となった。
しかし、ホンダ系正規ディーラーとなる「ホンダカーズ店」は、年明けは1月4日から営業を開始したのに対し、トヨタ系ディーラーは6日もしくは7日あたりから営業を開始している。
つまり、週末フェアベースでは、トヨタ系ディーラーはホンダカーズ店より週末フェアが1回少ないことになる。このように考えると、いち早く店を開けて勢いをつけようとしたものの、N-BOXの元気がいまひとつといえる状況が年明けも続いていると見ることもできる。ヤリスシリーズはハッチバック、クロスともに新規受注を停止していたとも聞いているので、さらに「N-BOXがんばれ」といいたくなる。
ホンダカーズ店同様に、1月4日から営業を開始したこともあり、軽自動車のみで2位となるスズキ・スペーシアの勢いは、N-BOXとは対照的であった。N-BOXは対前年同月比94.0%なのに対し、スペーシアは131.5%と統計数字を見てもスペーシアに勢いがあるのは明らかであった。

前年同月には初売りを行わず、2025年1月に久しぶりに初売りを行ったダイハツ系ディーラー。その成果は確かなもので、タントは前年同月比247.0%と、2024年1月はまさに「どん底」だったとはいえ、ムーヴ系の315.9%、タフトの258.2%などを見れば、初売り効果が絶大だったことを物語っている。

相変わらずのトヨタ一強が続く日本市場
登録車のみのランキングでは相変わらず、上位10車中トヨタ車が7台も入っており新年となってからも「トヨタ一強」が続いている。とくに注目なのが、登録車のみのランキングで3位に9868台を販売してアルファードがランクインしているところ。2024年12月末に追加モデルと改良を行っているので、2025年1月単月締めでは台数が伸びることは容易に想像できるが、アルファードほどの高額車を1カ月でほぼ1万台販売してしまうというところは、「さすが販売のトヨタ」ということもできる。
しかもトヨタは、単に国内販売シェアが著しく高いといっても薄利多売で実績を積み上げるのではなく、台当たり利益のいい高額車両もなんなく1万台近く単月で売り上げてしまう、バランスよく売るという実力はトヨタ以外のメーカーも羨むところではあるものの、なかなか真似のできないことともいっていいだろう。

すでに上位に入っているが、トヨタ車のなかでとくに供給体制に問題なく発注できるのは、人気モデルのルーミーとライズになっており、これから2月、3月の統計ではさらなる上位にランクインするのではないかと考えている。
目立って上位というわけでもないが、登録車のみで26位にNX350h、35位にLBXとレクサス車がランクインしている。供給体制の調整などもあり新規受注停止が頻発しているトヨタブランド車に対し、レクサス車では人気モデルを中心に比較的短納期で安定して供給されている。
さらに残価設定ローンでは、ディーラーにもよるのだが、金利が低めでありながら再販価値が高いので「同クラストヨタブランド車の1.5倍」ともされる価格アップを意識させないぐらいの割安イメージが強いレクサス車も多くなっており、「それではレクサス車」を選ぶ人が多いと聞いている。

トヨタ系ディーラーは新規受注車両も多く、「年度末決算セール」というお祭り気分になりきっていないのだが、トヨタ以外のメーカーでは売れ筋モデルを中心に本稿執筆段階あたりに発注すれば、まだまだ年度内(3月中)納車も可能となっているので、2025年も新車販売はひとまず好調な幕開けを迎えており、3月まではこのまま好調に推移していくのではないかと考えている。