この記事をまとめると
■EVはあと何キロ走れるかという「航続距離」の表示がされている■ガソリン車では「走行可能距離」を表示しているがあまり精度はよくない
■今後は燃費よりも航続距離の表示を優先したほうがいいだろう
EVで表示される航続距離はガソリン車でも役に立つ
EV(電気自動車)が登場してから、「航続距離」という言葉をよく聞くようになりました。これは、搭載されるバッテリーが満タン(または80%)の状態から、何km走行できるのかを表示するものです。日本ではガソリン車の燃費計測と同じ条件となるWLTCモードで換算した数値が表示されており、そのEVでもっとも効率よく走行した場合の最大走行距離として考えられているのが一般的。
というのも、航続距離の数値は走行時のアクセル操作やエアコン、ヒーター、オーディオなどの使用状況、坂道や渋滞、高速道路といった走行環境、雨や外気温などさまざまな条件によって刻々と変化するからです。EVで走っていると、さっきまで航続距離が400kmだったのに、ヒーターを入れた途端に370kmにガクッと減ったり、逆にヒーターを切ったりECOモードに切り替えたり、長い下り坂をコースティング状態で走ったりすると、航続距離も急に増えたりすることがあります。
あくまで参考程度の表示ではありますが、とはいえEVでは充電スポットにどこで立ち寄るかというのがルート上で重要となってくるので、この航続距離を気にしながら走ることが多くなっています。
でもよくよく考えてみれば、これってガソリン車(ハイブリッド車を含む)でも同じことがいえるのではないでしょうか? 現在、ガソリン車では燃費の表示がメインとなっています。カタログを見てもスペック上に燃費は記載してありますが、ガソリン満タンからの航続距離を記載しているモデルは少数派。ただ、メーター内の表示を切り替えていくと、現在の燃料タンクに入っている燃料であと何km走行できるのか、という表示が「走行可能距離」として表示されるモデルも多数あります。
重要なのは航続距離の数値
これは直近までの平均燃費を主に考慮して出される数値で、その後の燃費が悪化すれば距離の減り方も早くなり、燃費がよくなれば距離が増えることもあり、わかりやすいですね。なので慣れているドライバーは、燃費よりもむしろ、この走行可能距離を表示しながら、あとどれくらいで給油が必要となるのかを考えるという人も多いのです。

ただ、ガソリン車の走行可能距離表示は、残り50kmを切ると「ーー」とエラーのような表示になってしまうモデルがあるなど、なかなか最後まで信用できない一面もあるのが現実。これは、昔から一般的にガソリン残量のメモリでオレンジのランプが点灯すると「給油してください」という合図とされており、そのランプが点灯するのがだいたいあと50km走れるかどうか、というタイミングなです。
これは日本の高速道路上のサービスエリアが、およそ50km間隔で設置されているため、次のガソリンスタンドにたどり着けるように、という理由が一般的。でも実際は、すべてのサービスエリアにガソリンスタンドがあるわけではないので、もっと早めに給油する必要があるわけです。

そこで、今後はEVだけでなくすべての車種でこの「航続距離」の表示をメインにすべきではないでしょうか。燃費を知るのも大事ですが、ガソリンスタンドの閉店が相次ぐなか、一般道でも次の給油の計画を立てることは大事です。実用性の面では「目的地まで給油なしで行けるのか」、給油が必要ならば「何km先のガソリンスタンドまで行けるのか」、それがひと目でわかって計画が立てられるほうが便利だと思うのです。
愛車のメーター表示をいま一度確認して、航続距離の表示があればぜひ活用してみましょう。