この記事をまとめると
■2025年1月単月締めでの新車販売台数は登録車と軽自動車ともに好調な数値を記録した■トヨタ系を除きディーラーの年始営業日が1月4日・5日からだったことが影響している
■軽自動車においてはダイハツが一気に巻き返しを図っている一方でホンダが不調だ
1月は新車販売が好調な結果に
2025年1月のカレンダーをみると、1月4日が土曜日、1月5日が日曜日となっている。暦のせいもあるのか、例年は1月4日から早めに初売りを始める新車ディーラーは同地域内でも数軒という感じだったのだが、ある地域の2025年1月4日では、トヨタ系ディーラー以外はすべての日本メーカー系ディーラーが初売りを行っていた。
そのせいもあるのか(例年より稼働開始が早い)、自販連(日本自動車販売協会連合会/登録車)、全軽自協(全国軽自動車協会連合会/軽自動車)ともに発表した2025年1月単月締めでの新車販売台数は、登録乗用車が21万6664台(前年比112.2%)、軽四輪乗用車が11万1541台(前年比120.9%)となり、2025年の新車販売は好調なスタートを切った……といっていいだろう。
初売りこそ同時スタートではないものの、トヨタは新規受注停止車が目立つなかでも、国内販売では一強状態をいまだに維持している。トヨタ以外のメーカーと比べると、トヨタ車は納期もかかり気味となっているが、だからといってトヨタ以外のメーカーも納車にはまだ多少時間を要しており、その差は際立っていないようにも見えるのが現状だ。
そのなかで、2025年1月単月の新車販売が好調であった背景は、4日、5日の初売りが成功に終わった結果といってもいいかもしれない。世間一般での仕事始めは6日あたりからとなるなか、年末・年始に帰省や旅行に出かけていたひとの多くは、3日には自宅に戻ってきていることが多い傾向にある。仕事始めまではまだ2日あるので、そのなかで「ディーラーの初売りをのぞいてみるか」というひとも多かったようだ。
また、初売りでは既納客(すでにクルマを販売している管理顧客)を初売りへ誘致するという活動も活発に行われており、「いまなら1月中に納車が間に合うかも?」といった魅力的な購入特典を用意するなどして、店頭誘致した既納客を中心に受注に成功したというケースもあったそう。

前年比で軽四輪乗用車のほうがプラス幅が多いことについては、軽自動車は登録車より新規届け出(軽自動車は登録ではなく届け出)に要する期間が短いのでギリギリまで追いかける(1月実績に間に合わせる)ことができるので、より前年比増が多くなったものと考えている。
登録車は、契約当月内登録可能(納車は間に合わず新規登録だけ間に合ったものも含む)なケースはごく少数なので、2024年12月以前に受注して納車ができていない(受注残)車両のなかで、2024年12月の増産などの効果もあり、2025年1月登録として納車できた台数が多かったと考えたほうがいいだろう。

ダイハツが一気に巻き返しを図る
2024暦年(2024年1月~12月)締めでのブランド別軽自動車年間販売台数はスズキがトップとなった。
2025年最初の単月締め統計となる1月もスズキがトップとなっている、2024年1月ではダイハツが認証問題による出荷停止もあり、「どん底」という状況でもあったのだが、最終的にスズキとダイハツの差は2万6364台という大差でスズキがトップであった。
しかもダイハツはホンダに抜かれ3位となっている。2025年1月も変わらずスズキがトップとなっているのだが、ダイハツは2024年1月とは異なり2位となり、スズキとの差を9882台まで縮めている。

軽四輪乗用車では、前年同月比でみるとスズキが112.9%、ダイハツが249.2%となっているのだが、ホンダは88.7%となっている。ホンダの軽四輪乗用車といっても、そのほとんどはN-BOXシリーズの販売台数が影響を与えているので、販売がいまひとつなことを統計数字から見ることができる。

これから3月までは2024事業年度締めでの年度末決算セールが展開される。1月も事業年度末決算セールが事実上始まっているので、いまの時期はその前哨戦ともいわれている。その前哨戦でホンダの新車販売でボリュームのある軽自動車がいまひとつという結果でスタートを切っている。
2月、3月は新車販売では好条件の提示が期待できるなか、販売台数稼ぎのための自社届け出(新車にナンバープレートだけをつける)がN-BOXをメインに積極的に行われることになりそうだ。
さらに2024事業年度末締めの、軽自動車ブランド別年間新車販売台数でトップ奪還は難しいものの、ダイハツが1月の盛り返しを引き続き維持していけるのかが、これからの注目に値するといっていいだろう。