この記事をまとめると
■一大ファミリーを築くMINシリーズにはかつてミニバンが提案されたことがあった■コンセプトカー「MINI ヴィジョン・アーバノート」は独自の世界観をもつ魅力的なミニバンだった
■もしかしたら今後の計画として着々と進行している可能性に期待したい
MINIからミニバンの提案「アーバノート」
近ごろのクルマは同じプラットフォームを使って、モデルのバリエーションを増やす手法が主流です。とりわけMINIは上手にバリエーションを増やし、一大ファミリーを築き上げているといっても過言ではないでしょう。ベーシックの2ドアハッチバックを中心に、5ドア、カブリオレ、クーペ、ワゴン、そしてSUVまでのラインアップは、選ぶ楽しみどころか困惑まで誘うものかと(笑)。
しかも、以前はMINIのミニバンまで企画されていました。コンセプトモデルに終わってしまったものの、これが加わっていればMINIファミリーはさらに充実していたかもしれません。
2021年、MINIがコンセプトカー「ミニ・ヴィジョン・アーバノート(MINI Vision Urbanaut)」をロサンゼルスで公開しました。その1年前にはバーチャルモデルとしてCG製作によるアーバノートが発表されていたので、目にされた方もいらっしゃるかと。
ご覧のとおり、顔つきこそMINIっぽいけど、ボディが膨らまされてグラスエリアも拡大しているせいか、別物の印象もあります。それでも、MINIのコンセプトのひとつ「空間の賢い使い方」を思い出すと、将来のモビリティらしさ、そしてMINIの進化を見出すこともできるでしょう。

アーバノートは全長4460mmというのもMINIの範疇で、自動運転機能を搭載したEVというのがコンセプトカーらしいポイント。スタイリングそのものはMINIのサイズ感を優先したミニバンで、室内空間は驚くほどに最大化されています。そして、移動できる都会のオアシス、ごくプライベートな空間の創造こそがアーバノートに課せられた機能。
当時のMINIのデザイン責任者、オリバー・ハイルマーが、「私たちは、アーバノートにおいて、車内の利用可能な表面積を占有面積との関連で見直し、さらに増やすことができました」というように、エクステリアから表現されているようにインテリアも画期的。

エントリーはサイドのスライドドア1枚ですが、ルーフにまで切れ込んだ開口部のおかげで乗り降りも便利そう。
MINIらしさが満載された楽しさいっぱいのインテリア
フロントシートは回転式とされ、背後はもちろんあらゆる方向へ視界を広げてくれるもの。

また、ラウンジのような空間とされたリヤスペースもアーバノートの売りのひとつ。床から天井までを囲うLEDライトがその場に合った雰囲気を作り出すギミックが取り入れられ、運転/停車中を問わず室内空間をより充実させてくれるのです。そして、四方を取り囲むガラスエリアも規格外の広さ。
なかでも大きくスラントしたフロントウインドウは跳ね上げ式で、停車していればバルコニーのような快適さを与えてくれるもの。ファミリーが楽しめるミニバンとしては、ぜひ実現してほしいアイディアでした。

アイディアといえば、アーバノートではMINIトークンと呼ばれる小さな端末が用意されています。車体中央のテーブルにあるスロットに入れると、あらかじめ設定されている3種類のMINIモーメント(Chill、Wanderlust、Vibe)を起動。さらに、「マイMINIモーメント」など、個人に特化した別の体験をプログラムすることもできるとのこと。MINIトークンによって、ユーザーは、香りやアンビエントライト、音楽などについて自分の好きなシナリオを設定し、スロットに入れるだけで再現可能とされています。

なるほど、パパやママがそれぞれのトークンをもつことで、ドライブのイメチェンができるというわけです。
ちなみに、CGのときから気になっていたスケボーのホイールを模した車輪ですが、コンセプトカーでもしっかり再現されていました。

それにしても、見れば見るほどアーバノートは魅力的なミニバンです。実現できたら、きっとMINIファミリーのなかでも売れっ子になったに違いありません。いや、もしかしたら今後の計画として着々と進行している可能性だって否めません。MINI好きは、アンテナを高くして待つこと、オススメですね!