この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2025で「Total Car Produce Voyage」のクライスラー300に注目■ワイドボディやシザースドアが目立つ車両だが注目はなんといってもペイント
■ミューラルやソウルペイントを融合した超本格カスタムペイントは技術とアイディアの結晶
ド派手なクライスラー300はカスタムペイントが目玉
2025年の2月7~9日に、大阪港湾地域のインテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ2025」。記録的な大寒波に見舞われるなかで3日間の合計で19万人以上のカスタムカー好きが来場し、会場は熱気を伴う賑わいを見せていました。
ここでは、多くの出展車両のなかから、筆者がとても興味を惹かれた車両を紹介していきたいと思います。
迫力を放つ多くのカスタム車両が並ぶなかで、その複雑な構成のカスタムペイントがひときわ注目を集めていた「Total Car Produce Voyage」が製作した「クライスラー300」を、今回は見ていきましょう。ちなみにベース車は300の特別バージョンである「SRT8」です。
クライスラー300は同じEセグメントのライバル車よりも低価格なことが支持されて欧米で大ヒットしたモデルで、SRT8はその300に425馬力を発生する6.1リッターのHEMIエンジンを搭載して、全体的に走行パフォーマンスを引き上げた特別仕様。
この300を製作したのは兵庫の「Total Car Produce Voyage」というショップで、中古車の販売から整備、カスタムカーの製作など、カーライフをトータルでサポートしているところです。
車体的には、前後フェンダーをワイド加工して拡幅し、4枚のドアすべてを上に跳ね上げるシザースドアにするなど、迫力のカスタムが施されています。
しかし、もっとも注目すべきポイントはそこではありません。ボディ全体にほどこされた見事なカスタムペイントが圧巻の仕上がりです。
まず全体を上下に分割して、上をゴールドに、下をブラックのツートンで構成。後部から見ると、中央には中世の女騎士を思わせるミューラル(エアブラシによるグラフィック)があしらわれています。肖像の周囲には甲冑に見立てたようなゴールドのリーフ模様で飾り付けられ、両脇の甲冑の騎士と獅子が印象的。
そして、トランクからルーフ、ボンネットに至る上面は、前後に貫くストライプ状のソウルペイントで仕上げられ、その複雑な陰影の模様が独特の深みを全体の雰囲気に与えています。
技術もセンスも超一流!
このソウルペイントは何重ものマスキング作業と、エアブラシやフレーク塗装、シルバーリーフなどを組み合わせた手の込んだ工程と技によって仕上げられたもので、その複雑な工程には想像以上の時間が費やされたことでしょう。
サイドにはブラックの部分に、上面とはややテイストが異なるスピード感を演出するソウルペイントが施されています。
シルバー基調のストライプ部分には、モノトーンで単調な印象にならないように色味を加えた線を入れてアクセントにしたり、広い面には幾何学的な縞模様をあしらったり、じっくり観ても飽きさせない工夫が見て取れます。その上下にはピンストライプを入れ、繊細な要素も見逃せません。
ヘッドライトまわりにはシルバー系のグラフィックがまわり込んで表情を引き締めています。そしてよく見ると、内側にもリーフ模様が施されていました。
複雑な表情を見せるカスタムペイントに合わせて、ホイールは大径のビレットタイプをチョイス。ディスク部外周の面にはカービングによるリーフ模様が見えます。

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