スイッチ操作をデジタル信号化して伝達
クルマにはたくさんの配線があって、それを使って各装備品を動かしているのはご存知だろう。スイッチを押せば窓が開閉したりするわけで、当たり前の話ではある。
具体的にはプラスとマイナスの電源がスイッチにつながっていて、オンオフで電気が流れたり、止まったりすることで動くというイメージだろうか。
しかし、今ではそうではないと言ったら驚くだろうか。ではどうなっているのかというと、通信ネットワークが構築されていて、そこでの信号のやり取りによって各電装品は動いている。それがCAN-BUSというものシステム。意味としては狭い範囲でのネットワークで、大きなメインコンピュータなしで小さなコンピュータユニットをつなげることで動かせるのが特徴。CAN-BUSの意味もそういった内容を指していて、動くクルマの中で使用するので、ノイズに強いことも特徴のひとつだ。
とはいえ、配線はあるではないか? と思うかもしれない。もちろん電源としての配線はあって、各電装品につながっている。つまりダイレクトにつながっていて、スイッチを経由することはなく(従来も厳密にはリレーを介してはいたが)、たとえばエアコンの調整はスイッチとエアコンに付いているコンピュータとの間で、作動命令の信号をやり取りして行なう。まさにデジタル化だ。
故障箇所が簡単にわかったり配線を減らせることで軽量化も可能に
メリットはまず重たい銅を使用している配線の量が減らせるということ。今や当たり前になっているので比較はできないが、導入初期に開発者に聞いたところでは10kg以上は軽減されているだろうとのことだった。
また、現在進化し続けている自動運転や安全装備などを高度かつファジーに制御するにはこのネットワーク化は欠かせない。各メーカーとも力を入れているつながるという点でも、端末的な存在である車両もネットワーク化されていないと実用化は難しいだろう。
そのほか、故障診断や多車種への拡張性などのメリットもある。とくに故障診断はOBDIIのコネクターから呼びだせるのはご存じの方も多いと思うが、これも車内がネットワーク化されている恩恵のひとつだ。
デメリットももちろんあって、ネットワークの不具合が車両全体に及んでしまうということ。複数の小さなコンピュータをつなげるのが特徴なので、コストもかかる。車種にもよるが30個ぐらい付いているのは当たり前だ。
一見すると、電装品というのは各パーツの進化と思いがちだが、それを結ぶ部分も進化というか、まったく違うものになってしまっていると言っていい。

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