サイズと値段だけで決めてはいけない!

走れば走るだけすり減ってしまうタイヤ。とくにきちんとグリップするタイヤほど減りが早いので、新車についてきたタイヤがまともなら、3~4万kmも走ればスリップサインが出てしまう。タイヤが減ってしまった場合は、新しいタイヤに交換するしかないわけだが、タイヤというのは一般ユーザーが思っている以上に、クルマの印象を変えてしまうもの。

また安全性にも直結しているので、サイズと値段だけで考えてしまうというのは短見だ。



タイヤを交換するときは、最低でも新車装着タイヤ=OEタイヤ(オリジナルエクイップメントタイヤ)と同等以上の性能を持ったタイヤを履かないと、クルマそのものがワンランク下の存在になりかねないので要注意。とはいえ、その新車装着タイヤの性能は、どんな基準で考えればいいのか。



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ブリヂストンでは、①直進安定性、②ドライ性能、③ウエット性能、④低燃費性能、⑤ライフ性能、⑥静粛性、⑦乗り心地の7つの性能を、新車装着タイヤとリプレイスタイヤ(補修用タイヤ)で比較して欲しいとしている。この7つの性能でとくに重視して欲しいのは、安全に直結しているドライ性能とウエット性能。次に直進安定性で、あとはクルマのキャラクターとユーザーのお好み次第。



クルマのタイヤ交換は「新品装着時と同等以上の性能」のものを推奨! そもそも新品装着の性能はどうわかる?



セダンやクーペ、コンパクトカーなら、静粛性や乗り心地も大事だろうし、エコカーなら低燃費性能は気になるところ。その他、ミニバン、SUV、軽自動車にはそれぞれ専用タイヤがあるし、スポーツカーならハイグリップな高性能タイヤが欠かせない。



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新車装着タイヤは、当然、そのクルマの用途、性格、性能にあったタイヤが選ばれているので、一番いいのはタイヤ専門店に行って、「トータル性能で、新車装着タイヤよりも同等以上のタイヤをください」と注文すること。とはいえ、いいタイヤはお値段も高い。高性能でも高いタイヤを押しつけられたら……という心配もあるだろう。



そこで、もっと簡単なタイヤ選びの方法をお教えしよう。



タイヤはお寿司のように松、竹、梅、特上に分類できる

じつのところ、どのタイヤメーカーでも、乗用車用のタイヤというのは、それほど多くの種類があるわけではない。大雑把にいうと、お寿司のように、松・竹・梅と特上のだいたい4種類ぐらいに分かれている。



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ブリヂストンを例にすると、エントリータイヤの「ネクストリー」が梅。「エコピア」が竹。「プレイズ」が松。そして静粛性・乗り心地に優れた「レグノ」や、スポーツ用のハイグリップタイヤの「ポテンザ」が特上といったところ。ベーシックなファミリーカーなら、この「竹」クラス以上のタイヤを選べば間違いない。実際、ブリヂストンではエコピアNH100シリーズを、新車装着タイヤと同等+αの基準タイヤと位置付けているほど。



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もちろん高級車や高性能スポーツカーには、新車時から「特上」クラスのタイヤが装着されているので、「竹」や「松」クラスのタイヤにクオリティを落とすことはすすめられないが、車両価格が安いクルマの場合、新車装着タイヤも低コストの「梅」クラスという例もある。



新車装着が「梅」なら、履きかえるのも「梅」でいい、というのではなく、車格に関わらず最低限度のクルマでも「竹」クラス以上のタイヤを履くのが、『新車装着タイヤと同等以上の性能』と考えてもらいたい。



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タイヤメーカーのホームページの「主要乗用車タイヤ性能比較表」などを見ると、セダン、クーペ、ミニバン、コンパクトカー、軽自動車、スポーツカー、SUVのそれぞれの松竹梅のポジショニングマップや性能イメージがわかりやすくまとめてあるので、参照してみるといいだろう。

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