ホイールバランスの調整作業を怠ると振動が生じる!

工業製品で真ん丸なモノを作るというのは至難の業だ。とくにタイヤのようなゴム製品をきれいな丸に仕上げるのはじつに難しい。構造的にもベルトの貼り合わせ面もあり(ジョイントレスタイヤもある)、製造過程でどうしても重量のアンバランスが生じてしまう。

そのため、新品のタイヤには「軽点」といって、タイヤ単体の円周上で一番軽い部分に黄色い丸印がついている。



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タイヤをホイールに組み付けるときは、この「軽点」を目安にして、ホイールの一番重い部分とされる、エアバルブの位置とタイヤの「軽点」を合うようにするのが一般的。タイヤの軽い部分とホイールの重い部分を組み合わせることで、釣り合いが取れるようにしたいからだ。しかし、タイヤの「軽点」は何g軽いかまでは明記されていないし、ホイール側もエアバルブの部分が一番重いという保証はない……。



そのため、タイヤとホイールを組みつけたあと、ホイールバランサーで実際に回転させてバランスを取り、軽い部分には鉛のバランスウエイトを貼り付けて、重量のアンバランスを補正する必要がある。この作業をホイールバランスの調整という。もし、このホイールバランスの調整作業を怠ると、重量の不均一性から、回転中に振動が生じる。



乗り心地や燃費にも影響! クルマのホイールバランスってなに?



身近なところでいえば、洗濯機で脱水中に衣服がかたよると、洗濯機が振動し、場合によってはエラーが出て止まってしまう場合があるが、あれと同じようなことがタイヤでも起こると考えればいい。



アンバランスのままにしておくと燃費にも悪影響

通常、ホイールバランサーで20~30g以上のアンバランスが検知されると、ステアリングホイールが回転方向に揺れるシミーやフラッタと呼ばれる振動が出てくる(およそ60㎞/h以上ぐらいから)。また車体が上下・左右に揺れる“シェイク”という振動の原因にもなるし、燃費にも悪い影響がでる。



ホイールバランスは、タイヤ交換時に一度調整すればOKというものではなく、タイヤの摩耗やホイールの変形、ウエイトバランスがとれてしまったり、タイヤとホイールの位置がずれる「リムずれ」などの影響で、時間の経過とともに狂ってきてしまう場合も少なくない。したがって、上記のような振動や、タイヤの偏摩耗などが見つかった場合は、一度ホイールバランスを測定し、再調整してみるといい。



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ちなみに、バランスウエイトは軽いほうが望ましいが、タイヤとホイールの相性次第なので軽いほうが偉いというものでもない。ホイールバランスは最終的にバランスがとれていればOKで、重量バランスより真円度を重視して組むほうが重要。新品のタイヤについている赤い点は「ユニフォミティマーク」といって、タイヤ(単体)の外径が一番大きくなっている部分を表している。



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ホイールにも外径が一番小さい部分を示す白か水色の「ユニフォミティマーク」がついている製品(純正ホイールなど一部)があるので、これを目安に組み付けてできるだけ真円度に近い状態で使ったほうが、スムースで気持ちよく、安定して走ることができる。一方、輸入タイヤや多くの社外ホイールには、「ユニフォミティマーク」はなく、あったとしてもあくまで目安なので、真円度の高い組み付けはタイヤ専門店の技術の差が大きく現れるところ。



乗り心地や燃費にも影響! クルマのホイールバランスってなに?



優先度でいえば、①ユニフォミティ、②ホイールバランス(重量バランス)だが、ホイールバランスは調整できるお店が多いので、ハンドルの振れを感じたらまずはタイヤ販売店に行ってホイールバランスをチェックしてもらおう。

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