すべての情報が横一列に記載された時代も
公道を走行する車両には必ず装着されているナンバープレート。最近では好きな数字4桁を選ぶことができる希望ナンバー制度の導入やご当地ナンバーの採用、オリンピックやラグビーワールドカップなどを記念した記念ナンバープレートなどの導入が記憶に新しいところ。
そんな日本のナンバープレートは果たしてどんな進化を遂げてきたのだろうか? 今回は簡単にその歴史を振り返ってみたい。
そもそも、日本でナンバープレートの装着が義務付けられたのは今から100年以上前の1907年のこと。すでに1897年には陸運監督業務はスタートしていたが、自動車の普及が進むなかでより厳格な登録管理の必要性が生じたことが理由のようだ。
当時は登録台数も少なかったため、4桁の数字のみという極めてシンプルなものだったが、大正に入ると登録台数の増加によって、4桁の数字のほかに登録地名の頭文字のアルファベットを表記するようになった。しかし、重複する地域が多く(神奈川、香川、熊本などはすべて「K」となるなど)判別が難しいことなどから、1919年には、登録地名の漢字1文字と改められている。
1949年には現在の陸運局が発足し、全国の都道府県に陸運事務所が設置され、1951年には道路運送車両法によって自動車登録が本格的にスタートすることとなった。この時のナンバープレートは横長で、横一列に府県の頭文字、分類番号、登録番号が記載される形となっていた。
「シングルナンバー」は1967年以前に登録されたもの
現在のナンバープレートに近い様式となったのは1955年のことで、ひらがなが追加されたのもこのタイミングだった。ただし4桁の数字の真ん中にはハイフンはなく、現在では存在しない「0」から始まる数字も存在していた。
1962年にはついに4桁の数字の真ん中にハイフンが入ることになり、3桁以下の数字の場合は「0」ではなく「・」が使用されるようになり、ほとんど現代のナンバープレートと同じ表示方法となった。
1964年にはそれまで漢字一文字で表していた陸運事務所を示す文字が変更となり、現在のように「横浜」や「足立」など複数文字表記となり、67年には分類番号も2桁となった。
旧車などの世界でいう「シングルナンバー」とは、この分類番号が1桁の時代のものを指すため、1967年以前に登録されたナンバーということになる。
そして1999年には分類番号が3桁となり、2018年には分類番号にローマ字が使用されるようになり、現在に至っているというのが簡単な日本のナンバープレートの歴史である。
普段何気なく目にしているナンバープレートもじつは多くの変更を受けて現在の形となっていることがおわかりいただけたかと思うが、今後更なる変化はあるのだろうか?

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