レベル3以上の量産化も進まず一時のブームは過ぎたのか?
いま(2020年9月)から5年ほど前、テレビやネットで自動運転に関するニュースが一気に増えた。その筆頭にいたのが、グーグルやアップルなどのITジャイアンツたちだ。
米西海岸カリフォルニア州のシリコンバレー周辺で、クルマのルーフにくるくる回るレーザーレーダー(通称ライダー)を付けて走り回る様子は、世界中の人々に「近い将来、世のなかが大きく変わるかもしれない」という期待を抱かせた。
この時期に、なぜシリコンバレーで自動運転が流行ったのか? 背景にあるのは、アメリカ政府機関が2000年代に3回開催した「無人カーレース」。優勝賞金は破格の200万ドル(現在のレートで2億1200万円)だった。参加したのは、スタンフォード大学、MIT(マサチューセッツ工科大学)、CMU(カーネギーメロン大学)など、ロボット工学の世界での超有名教育機関で、欧米の自動車メーカー各社が車両などを提供した。
この無人カーレースで活躍した大学の研究者らを、グーグルやアップルなどが引き抜いて、IT産業での新たなるビジネスとして基礎研究を始めた。2010年代中頃になると、研究が一般道路でも行われるようになり、メディアの注目を集めたのだ。
実証試験が本格化したり、また自動運転技術を活用した量産品が出回ると、事故も起きた。テスラのユーザーが、自動運転技術を使った高度運転支援システムを作動させて走行中に死亡事故が発生。また、日本ではウーバーイーツで認知度が高い、ライドシェアリング大手のウーバーが独自の自動運転実験中に自転車を押して歩いていた人をはねて死亡させる事故では、車内の実験管理者がテレビ番組を見ていて、緊急対応に送れたことが大きく報道された。
最近では、自動運転に関する大きな事故の報道は影をひそめている印象がある。
今でもさまざまなシチュエーションでの開発は続いている
では、完全無人化の自動運転の実用化についてはどうなのか? グーグルから分社した、ウェイモなどは自動車メーカー各社とも協業しながら、実用化に向けた公道走行や、オンライン上でのさまざまなシュミレーションを続けている。単独企業としての実証試験の走行距離としては、他を圧倒している。
一方、欧州では国連の欧州委員会での、道路交通法や車両技術に関わる法律などについて、日本を含めた協議を進めてきた。
このほか、中国については実証試験を含めた走行データは事実上、「国が管理する」(日系自動車メーカー関係者)という特殊な事情があるなか、中国メーカーの自動運転関連の技術は着実に進歩しているようだ。

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