最新機能によって進化した結果消滅の危機に瀕している装備も

スタイリングなど感性に訴えかける要素も重要だが、基本的にはクルマはテクノロジーによって進化しているといえる。新しい機能、素材、製法いずれも技術革新によって生まれる要素だ。それゆえに新しい技術と思っていたものが陳腐になり、古くなり、廃れていってしまうのも、またクルマの歴史の一面であろう。

そこで、かつては最新であったにもかかわらず、いまや完全に消え去ろうとしているテクノロジーアイテムをピックアップしてみた。あくまで消えようとしているだけであって、該当機能を有しているクルマを悪くいうものではないので悪しからず……。



1)HDDナビゲーション

いつの間にかクルマにカーナビは欠かせないアイテムになった。GPSにより自車位置を測定するという仕組み自体は最新モデルでも変わりはない(補正するための情報や準天頂衛星などの新技術は生まれている)。カーナビの進化というのは地図データの収納方法が大きな要素となっている。1990年代、カーナビが出始めた初期には地図データはCD-ROMに収めているのが当たり前だった。CD-ROMのデータ容量は650MB程度しかないためカバーエリアの外にいくとCD-ROMを差し替えるという手間があった。



その後、データ容量の大きなDVD-ROMを経て、HDDに地図データを収めるようになっていった。差し替えの手間もなくなり、読み取り速度も格段に向上したことで使い勝手はよくなったが、いまや新車に搭載されるナビゲーションシステムでHDDナビを見ることはほとんどなくなっている。現在の主流はメモリーナビで、かつては憧れだったHDDナビは過去のものとなってしまった。もっとも、メモリーナビについてもカーナビの最終形態というわけではない。ディスプレイオーディオといってスマートフォンのナビ機能を利用するタイプが増えており、車載ナビ自体が消滅の危機に瀕していくともいえる。



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ただし、日産のプロパイロット2.0やSUBARUのアイサイトXのような手放し運転を可能にする運転支援システムにおいては3Dマップと呼ばれる高精度地図データが必須であり、地図データを車載するトレンドが盛り上がりつつあるともいえる。



2)キーレス

いまや「スマートキー」といってクルマのカギを身に着けているだけで、ドアロックを解除したり、エンジンを始動できたりするようになっている。最新のプジョー2008などには「プキシミティスマートキー」といって、スマートキーを身に着けたまま車両から2m以上離れるとドアロックされ、1.5m以内に近づくとアンロックされるというシステムまで採用されている。しかし、その昔「キーレスエントリー」といえばクルマのカギとドアロックのオン/オフができるリモコンが一体化されていて、キーを使わずにロック解除できるだけのものを指していた。



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つまり「キーレス」ではエンジンをかけるときにはキーを挿して回すという動作が必要だ。いまでも軽トラックや廉価版のグレードには「キーレス」が残っているが、乗用車で見かけるケースはだいぶ減っている。とはいえ、スマートキーでは信号を増幅することで、まるでスマートキーを持っているかのように振る舞えるリレーアタックという盗難手法が問題となっている。その対策として、昔ながらのキーが有効という風に考えている人もいるようだ。なお、スマートキーについてもこれが最終解というわけではなく、ホンダの電気自動車Honda eが実装したようなスマートフォン(NFC対応端末)を鍵として利用する仕組みが増えていくかもしれない。



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先進運転支援システムにも徐々に消えいくものもある

3)クルーズコントロール

最新モデルでは先行車に追従するACC(アダプティブクルーズコントロール)の躾具合がクルマの機能として評価される時代になっている。その一方で、速度固定式の単純なクルーズコントロールというのも、まだまだ一部のクルマには残っている。思えば、国産車で初めてクルーズコントロールを設定したのはトヨタ・クラウンで、それは1964年のことだった。ドライブバイワイヤといってアクセル操作が電気信号に変わるなど、技術的な洗練はあったが、その当時からクルーズコントロールの基本的な機能は「設定した速度を維持して走り続得る」という点において変わっていない。



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順調に流れている高速道路などであれば問題なく使える機能だが、先行車と適切な車間距離を守ってくれるACCを一度使ってしまうと、単純なクルーズコントロールを使いたいとは思わなくなってしまう。かつては高級車だけに備わっていた上等な機能だったが、遠からず消える技術といえるだろう。



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4)低速限定の衝突被害軽減ブレーキ

ACCのような先進運転支援システムといえば、いの一番に思い出す機能がAEB(衝突被害軽減ブレーキ)だ。主に、前方の様子をセンサーで検知して、歩行者や車両との事故が避けられないと機械が判断すると自動的にブレーキを作動させ、事故を回避したり、衝突の被害を軽減してくれたりする機能だ。そして、このAEBというのは文字どおりに日進月歩で進化している。AEBが日本で広まったのはSUBARUの「アイサイトver.2」が登場したことが大きいが、軽自動車にも採用されるようになったきっかけのひとつは、2012年に上陸したフォルクスワーゲンup!が150万円を切る車体価格ながらAEBを備えていたことも無視できない。とはいえ、up!のAEBは赤外線レーザーを用いるもので、検知できるのは車両のみで、対応できるのも30km/h以下という限られたものだった。



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その後、軽自動車に採用されたAEBの多くもup!と同様のシステムで低速限定・対車両限定のAEBが多かった。いまはAEBには歩行者検知が求められる。事実、新型車では2021年11月以降に義務化されるAEBには、対車両だけでなく歩行者検知機能も求められている。そのためには最低でもカメラの搭載は必要であり、赤外線レーザーを使うタイプであっても単眼カメラを併用するフュージョン方式とすることが最低限必要となる。10年前には最新鋭としてもてはやされた機能が、あっという間に古くなってしまうのが先進運転支援システムのスピード感なのだ。



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