「白ナンバー」は9月30日まで申し込み可能
新型コロナウイルスの影響で無観客開催となった東京オリンピック2020は閉幕しました。オリンピック期間中には首都高速のロードプライシングにより昼間の利用料が一律1000円増しになったり、競技場周辺が通行止めになったりと自動車ファンからすると反発したくなるようなことも多かったが、軽自動車オーナーからすると東京オリンピック・パラリンピック2020様々だったという人も少なくないだろう。
そう、オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレートを選ぶことで軽自動車のナンバープレートを黄地から白地に変えることができたのだ。

ちなみに、オリパラ特別仕様ナンバーの取得にかかるコストは地域によって異なるが、7330円~9830円とけっして安くはない。軽自動車ユーザーといえば、コストにはうるさいというのが通説だが、それでもこれほどの追加料金を払って白いナンバーが欲しいという思いがあったのだ。
そんな東京オリパラ特別ナンバーの申し込み期限は、令和3年9月30日まで。新規でなくとも特別ナンバーに変えることは可能であるし、そのクルマを廃車にするまでは使い続けることができるので、ラストチャンスに駆け込みで申し込むユーザーも増えそうだ。
ところで、オリパラ特別ナンバーをつけると遠目には登録車と届出車(軽自動車)の識別がしづらくなる。そもそも、なぜ軽自動車は黄色いナンバーを使い、ひと目で区別できるようにしている必要があるのだろうか?
黄色ナンバーは料金所のスタッフが識別しやすかった
いくつかの説から、有力なのは高速道路に関するものだ。いまのようにETCが存在せず、料金所でチケットを受け取り、現金で支払っていた時代には料金所スタッフがパッと見て軽自動車と登録車を識別する必要があった。

また、かつては高速道路の制限速度も軽自動車と登録車は異なっていた。20世紀は軽自動車の最高速度は80km/hと規定されていたのだ。つまり取り締まりにおいても、ひと目で軽自動車と登録車を区別する必要があり、そのためには明確に違いがわかるよう色を変えることは妥当だったのだ。

とはいえ、ご存じのように高速道路におけるETCの利用率は93%を超えている。

そもそもナンバープレートの色が同じであっても、軽自動車であることは外観で判別できるポイントがある。それがリヤ・ナンバープレートの封印の有無だ。登録車ではナンバープレートを外せないよう封印されているが、軽自動車はあくまで「届出車」であるため封印が不要なのだ(これは二輪などでも同様)。

「白いナンバーだから軽自動車に見えないだろう」なんて思うのは浅はかで、見る人が見れば軽自動車(届出車)と登録車は簡単に識別できる。逆にいうと、そうであれば敢えて黄色いナンバープレートにして誰でも区別できるようにしておく必要性はないともいえる。
東京オリンピック・パラリンピック2020の特別ナンバーによって、軽自動車も登録車も同じような白いナンバーにしても問題が起きないことがはっきりした。これを機に、ナンバープレートの色を揃えることを検討してもいいのではないだろうか。

もっとも、法的にいうと登録車のナンバープレートは「自動車登録番号標」といい、その表示義務は道路運送車両法 第19条第1項によって定められている。一方、軽自動車のナンバープレートは「車両番号標」であり、その表示義務は道路運送車両法 第73条第1項によって定められているなど、まったく異なるものであり、容易に「共通化すべし」などと言うことはできないのだ。