この記事をまとめると
■高速道路でも一般道でもキープレフトが交通ルールの基本



■しかし一般道では徹底されていない



■理由は右折しようとするクルマが右側車線を走ることになるため



キープレフトは一般道でも守るべき交通ルールの基本

高速道路においては、もっとも右側の車線が追越車線となり、追越車線をずっと走っていることは「通行帯違反」という立派な違反行為であるという認識は広まっている。この通行帯違反は、いわゆる“あおり運転”を誘発する原因として指摘されることが多い。



では、一般道においても同じように右側車線をずっと走っていると通行帯違反となり得ることはあるのだろうか。



まず、交通ルールを規定している道路交通法で確認してみよう。



その第20条第1項において、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。」と規定されている。



つまり、二車線以上の道路においては、高速道路であろうが、一般道だろうが、左側車線を走行しなければいけないのだ。キープレフトは一般道でも守るべき交通ルールの基本だ。



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では、高速道路での走り方でよく指摘される右側からの追い越しというのは、一般道でも適用されるのだろうか。



同じく道路交通法を見ると、第20条第3項で、「追い越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない」と規定されており、高速道限定とは書かれていない。



つまり一般道であっても追い越しは右側車線で行わねばならないのだ。なお、追い越しというのは、車線を変えて前を走るクルマの前方へ出る行為のこと。すなわち、一般道で右側の車線を走っているときに左側に車線変更をして、追い越すのは違反行為になるのだ。



右側車線を完全に追越専用車線と捉えることはできない

しかし、一般道で右側からの追い越しが徹底されているような印象はなく、また通行帯違反を取られたという話もほとんど聞かないだろう。なぜなら一般道というのは右折が可能になっているため右側車線を完全に追越専用車線と捉えることはできないためだ。



右折禁止でない限り、二車線道路の右側車線から右折して路地に入ったり、店舗の駐車場に入ったりする行為は禁じられていない。

つまり右折しようとするクルマは自ずと右側車線を走ることになる。その際、「追い越し目的でないから通行帯違反だ」というわけにはいかないことは自明だ。



また、右折待ち状態で一時停止している車両を左側に車線を変えて抜いていく行為も問題ない。結局、一般道というのは交差点以外の右左折が存在するため、基本ルールであるキープレフトと右側追い越しを厳密に適用することは不可能なのだ。



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右側に出口が存在する首都高速道路でも、そうした判断は同様だ。追い越し目的ではなく、出口やジャンクションに向かうために右側に車線変更をする必要がある。



そのため首都高速では追越車線という概念はなく、あくまで右側の車線という認識になると主張する人もいるようだ。



とはいえ、キープレフトが基本であって、右側に出口などがないシチュエーションにおいては左側に車線変更をして追い越しをするというのはNGといえる。マイペースで走りたいクルマはキープレフト、すなわち左側車線を走るのも基本だ。



また、本当に大事なのは交通ルールを守ることは大前提として、スムースな流れを阻害しない運転をするということだ。「道交法は違反していない」と言って、独りよがりな運転をしてしまうことがないように気をつけたいものだ。

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