この記事をまとめると
■高速道路での逆走の発生件数は今なお深刻だ■しかしピークだった2016年からは減っている
■逆走の件数やそれによる事故件数、また逆走の動機などについて解説する
故意に逆走をする人も少なくない
以前、大きく話題になったのが逆走だ。事故だけでなく、数自体が増えているというニュースをよく目にした。
データとしては少々古いものになってしまうが、NEXCO東日本が2018年についてのリポートを発表している。社会問題になったのは、5年以上前なので、その後の変化を見ることはできるだろう。
対象はもちろん全国の高速道路で、発生頻度は相変わらず高く、概ね2日に1回の割合。発生場所はインターチェンジやジャンクションで、どっちに行っていいのかわからなくなる箇所となる。また、ドライバーの年齢は、65歳以上が69パーセントで、そのうち75歳以上が48パーセントとなっている。これが逆走事案についての概要で、相変わらず深刻というのはわかる。
ただし、変化は起きていて、発生件数はピークだった2016年の259件から59件も減って200件。約2割減になっている。発生場所の内訳については、IC、SA/PA、本線で見た場合、細かな増減はあるものの、割合自体はあまり変わっていない。
事故となった数には変化があり、2016年の57件から2018年は32件となっている。死亡事故は7件から1件に減っていて、対策の効果が出ていると言っていいだろう。
そして注目なのが、逆走の動機。データは4つに分かれていて、下記となる。
・故意:逆走になる事を認識して逆走を開始した事案
・過失:逆走になる事を認識せずに逆走を開始した事案
・認識なし:事故や確保等により逆走を終えた時点においても、 逆走したとの認識を持っていないもの(認知症等)
・その他
このなかで、大きく減っているのは認識なしとその他で、変わらないのが故意。そして過失は約1割増えている。過失と認識なしは、最終的に逆走したかに気がつくかどうかにあって、つまり故意と過失というのは、いわゆる認知症などとは関係ないことがわかる。
実際、頭はしゃっきりしているであろう、30歳以下だと、故意が16パーセント、過失が6.5パーセント。30歳から65歳では故意が32パーセント、過失が23.4パーセントになって、ふたつ合わせると結構な割合になる。
単純に逆走したから戻ろうといったことなのだが、基本的には認識が甘いし、故意ともなると逆走は分かっていてしているだけに、よく見かける一般的な対策も効果が出にくいようにも思える。数が減っていても、その内訳を見ると、まだまだ対策が必要ということがわかってくる。

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