この記事をまとめると
■いまEVに注目が集まっている



■しかし初めて使ってみると、短所や困ることもある



■今回は「初めてのEVあるある」を5つ挙げて紹介する



初めてEVを所有すると驚くことが多数!

いろんな自動車メーカーが次々に新型のEVを発表したり、日本では2030年代半ばにガソリン車の販売をゼロにする方針が打ち出されたりして、がぜんEVへの関心が高まってきていますね。次に買い換える愛車はEVも検討してみようかな、と思っている人も多いのではないでしょうか。



確かに、自宅に充電器を設置するのも戸建てならそれほど費用がかからなくなってきているし、公共施設や商業施設などに設置されている急速充電器の数も、この7~8年で4倍近くに増えているので、かなり利便性が高まっているのは事実です。

EVの性能や航続距離も飛躍的に進化して、すでに満充電で400km以上走れるEVもたくさん登場しています。補助金が高額なのも魅力のひとつで、来年度は増額される? なんて話も飛び出しているので、今のうち購入したほうが得策かもと前のめりになっている人もいるのではないでしょうか。



満充電のはずが乗ろうと思ったら半分! 充電待ちで牛歩! 初め...の画像はこちら >>



とはいえ、EVを売りたいメーカーや政府がアピールするのは長所ばかりですが、それを鵜呑みにしてEVを初めて購入した人が、実際に使ってみると「まさか!」とビックリしたり困ったりする短所だって、やっぱりあります。今回はそんな、「初めてのEVあるある」をご紹介したいと思います。



1つ目は、ドライブの途中のサービスエリアや道の駅、ショッピングモールなどに設置されている急速充電器で充電した場合に、メーカーから説明を受けたほどの電力量には程遠い量しか充電されていないというショック。よくEVのカタログには、満充電(または80%)まで●●分、などと記載されていますよね。たとえば急速充電で満充電まで90分と書かれていたら、30分だから大体その3分の1くらいは充電されるはず、と初心者は期待しがちです。ところがどっこい、実際に急速充電器にケーブルをつなぎ、30分ほど買い物などをして戻ってきてみると、また5分の1くらいしか充電されていない、なんてこともしょっちゅう。



満充電のはずが乗ろうと思ったら半分! 充電待ちで牛歩! 初めてのEVあるある5つ



これにはいくつかのカラクリや理由があって、まずはカタログ記載の充電時間が何kWの充電器を基準としているか。これを確認してください。多くの場合が50kWを基準にしていると思うのですが、じつは現在、日本に設置されている急速充電器のおよそ8割が、20~30kWと低い出力の急速充電器なのです。出力が低ければ、その分充電時間も長くかかりますから、期待していたほどの電力量が得られないという事態になるわけです。

また、バッテリーの状態が原因の場合もあります。温度が高すぎたり低すぎたり、まだ充電量がそこそこ残っている場合など。



バッテリーは80%以上になると、なかなか電力が入りにくくなり、充電速度が極端に遅くなるという特性もあるので、残量が60%くらいあるところから充電をスタートしても、20%まではすんなり入るのですが、その後がノロノロ充電になるので時間がかかるのです。充電量はその時の状況によって、大きく左右するものだという認識を持っておく方がいいですね。



2つ目は、普通充電にしても急速充電にしても、公共の充電施設を利用するには「充電カード」を事前に申し込んでおくのが最善だということ。これも初心者がやりがちなことなのですが、ガソリンスタンドのように、その場で現金やクレジットカードで簡単に支払いができると思い込んでいませんか。充電施設では、確かにその都度クレジットカードでの支払いもできますが、その場合にはビジター登録が必要となって、とても面倒なんです。手順はいろんなパターンがありますが、オーソドックスなのはまずその充電器に記載されている管理会社に電話やQRコードなどを読み取るなどで連絡を取り、充電するためのパスワードを発行してもらいます。



満充電のはずが乗ろうと思ったら半分! 充電待ちで牛歩! 初めてのEVあるある5つ



支払い先のクレジットカード番号を登録したり、それだけで5~6分はかかる作業です。そしてパスワードが発行されたら、充電ケーブルを差し込み、充電器の画面にそのパスワードを打ち込みます。そうすると充電が開始され、終了すると料金の明細書が届くという手順です。こんなこと、毎回やってたら面倒すぎてイヤですよね。

なので、事前に「充電カード」を申し込んでカードを手に入れておくことが重要。それがあれば、充電器のセンサーにカードをかざすだけで、キャッシュレスで充電が利用できて便利です。多くは月額数千円の基本料金がかかりますが、普通充電は無料だったり、急速充電の料金も1分15円くらいと割安。輸入車では登録から1年間の無料キャンペーンを行っているところもあるので、今ならかなりお得になりますね。



充電待ち行列に悩まされることも……

3つ目は、前々からEVに乗っている人の間では悩みのタネになっている、「充電待ち行列」がひどくなっているということ。交通量が多い東名高速道路のSAや、首都高の大黒PA、東雲のA-PITといった人気の場所ではとくに充電待ち行列が必ず発生しているような状況で、急いでいるのに2台も並んでいるので、早くて充電開始できるのは1時間半後……とガックリする場合も多くなっています。しかも困るのは、充電中にお茶したり買い物したり、クルマを離れているのはぜんぜん構わないのですが、30分たって充電は終了しているのに、ドライバーがまったく戻ってこなくて次の人が充電をさらに待たされる、という迷惑な行為も発生していることです。



満充電のはずが乗ろうと思ったら半分! 充電待ちで牛歩! 初めてのEVあるある5つ



多くの急速充電器は1回30分と決まっていて、自動で充電が終了するようになっているのですが、それを知らない人もいて、1時間くらい平気で置きっぱなしになっていることもしばしば。やはりEVに乗るなら、30分経ったら速やかにクルマをほかの駐車枠に移動して、次の人に充電器を譲るというマナーも身につけてほしいところです。



4つ目は、自宅などで満充電にして準備万端にしておいたのに、いざ出発しようとメーターを見たら、バッテリー容量が減っていてビックリするということ。3日くらい乗らないで置いておいたりすると、かなり減っていることもあって「え? 何で?」と思う人が多いようです。確かに、ガソリン車は乗らない間にガソリンが減ることはほとんどないですものね。

初めてのEVだと驚くのも無理はないかもしれません。でもこれは、スマホと同じだと考えれば納得ではないでしょうか。スマホもまったく使っていなくても、少しずつバッテリーが減っていきますよね。使わない間も、メールを受信したりアップデートの対応をしたりと、人知れず電気を使っているということと、微量ではありますが自然放電もあるでしょう。寒い時期などは減りが早かったりしますよね。



満充電のはずが乗ろうと思ったら半分! 充電待ちで牛歩! 初めてのEVあるある5つ



EVもやはり、乗っていない間にも通信をしていたり、いつでも最適なパフォーマンスで走り出せるようにしておくために、システムを温めておく必要もあるので、満充電にして置いておいてもバッテリーは減ってしまいます。なので、なるべく走り出す直前に満充電にするようタイマーを設定するなど、工夫するといいのではないでしょうか。



5つ目は、バッテリー残量からクルマが計算した航続距離がメーターに表示されますが、目的地までの距離よりかなり多かったので余裕で到着できると思っていたら、途中でほぼカラになってしまった、ということ。これもEVあるあるです。ガソリンでも多少、渋滞などの道路状況やスピードの出し過ぎなど運転の仕方に走行可能距離が左右されるところはありましたが、EVはそれがもっともっと顕著に航続距離に影響してきます。しかも、スピードや渋滞だけでなく、天気、アップダウン、エアコンの使い方といろんなものが影響を与えてくるのです。



なので、目的地まで200kmで、バッテリー残量から推測する航続距離が400kmだから余裕! と思っていても、途中で上り坂が続いたり、寒くなってきてヒーターをガンガンにかけたり、雨が降ってきてワイパーを使ったりするごとに、どんどんバッテリーを消耗してしまい、気がついたら航続距離が足りなくなっていた! ということになるわけです。



満充電のはずが乗ろうと思ったら半分! 充電待ちで牛歩! 初めてのEVあるある5つ



最近はアウディやメルセデスのEVなどで、ナビに目的地設定をすると、バッテリー残量を考慮しながら途中の充電施設を経由していくルートを提案してくれる、といったEVならではのサービスも登場しています。ドライバーもEVを知り尽くしてくると、なるべく速度を落として走ったり、ヒーターなど電気を食うものは使わずに厚着をしてカイロを貼って運転する、なんていう強者も。いろんなことを考慮して頭を使い、工夫してアイディアで電気を節約して乗れるのが、EVの面白いところでもあります。



ということで、初めてEVを使ってみた人が驚きがちなEVあるある、いかがでしたでしょうか。これらは短所といえば短所ですが、なかにはそうした不便を楽しんで乗るのもEVの面白さだと言う人もいます。思ったより早くバッテリーが減ってしまい、充電器を探していたら初めて訪れる街に来て、思いがけず美味しいお店を見つけることができた、といった新鮮な出会いや発見をもたらしてくれるのも、EVの美点でもあるかもしれませんね。ガソリン車とまったく同じように使うことはまだ難しいEVですが、そうした特徴を理解し、それに合わせたライフスタイルにシフトしていくと、楽しいEVライフが待っているのではないでしょうか。

編集部おすすめ