この記事をまとめると
■運転免許証の自主返納制度が始まって23年が経過した



■運転免許証を返納すると運転経歴証明書が発行され、本人証明として利用可能



■運転免許証の返納を考えている人の中には返納に踏み切れない事情を抱えている人も多い



運転免許証返納車をサポートする制度や機器がある

運転免許証の返納は、1998年(平成10年)4月から受け付けられている。高齢者のペダル踏み間違え事故などが注目されるようになり、自主返納の制度がはじまった。それから23年が経過している。



自主返納に際しては、運転免許証を持つ本人が、警察署または運転免許センターに申し出る必要がある。返納後は運転経歴証明書が発行され、これで金融機関などでの本人証明に役立てることができる。運転経歴証明書は、返納した時点で受け取っていなくても、5年以内であれば発行してもらえる。



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運転しなくなったあとの移動手段として、路線バスや地下鉄などが無料で乗車できるシルバーパスを70歳以上の高齢者に対し支給している自治体がある。また、時速6kmまでのセニアカーは、運転免許証なしで利用できる。トヨタが先ごろ発表した、C+walkT(シー・ウォーク・ティー)は、そうした運転免許を持たない人が歩行の代わりに移動できる機器として開発されている。



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一方で運転を続けることが健康維持につながるという考え方もある

一方、マツダは、コ・パイロットの技術と導入計画を発表した際に、運転をすることが健康維持の一助になるとの説明を行った。コ・パイロットとは、体調不良などにより運転操作に支障が出た際、走行中のクルマを自動的に停車させる機能だ。突然起こるような体調不良にも予兆が見られる可能性があるとして、マツダは脳の研究を医学部や国土交通省のワーキングチームなどと共同で行っており、人が自ら運転をすることを支援する機能としてコ・パイロットを開発している。また、体調不良に気付いた同乗者が、スイッチ操作することで自動停止する選択肢も設けられる予定だ。



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いずれにしても、周囲から返納を促したり強制したりしても、本人の不満が残ったり、その後の生き甲斐や暮らしに影響を及ぼす可能性があり、何より本人が自覚し、納得したうえでの返納が望ましい。



私も、60歳を過ぎたころから「いつ返納すべきか?」との問い合わせを受ける機会が増えた。

同時に質問者は、不安であっても、まだ返納に踏み切れない生活や精神的な事情を抱えている場合が多い。そこで、まず正しい運転姿勢をとれるクルマを選ぶこと、そのうえでサポカー(安全運転サポート車)であることを勧めている。



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さらに電気自動車(EV)は、アクセルを戻せば回生が働き減速するので、環境だけでなく安全・安心の点でも選択肢となり得る。あるいはマニュアルシフト車は、クラッチ操作を適切に行わないとエンストを起こすので、ペダル踏み間違えによる暴走を起こしにくいのではないかと思っている。



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そのうえで、体調だけでなく、目の衰えは歳を重ねるとどうしようもなく、また、頭でわかっていても動作に移るまでの時間が余計にかかるようになり、日々の体調管理に気を配ることが、無事に運転免許証を返納することにつながると考えている。

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