この記事をまとめると
■4WDのパイオニア「三菱」の四駆を振り返る■30年前のコンセプトが現代に受け継がれているモデルもある
■SUVがほとんどなので、スポーツモデルの4WDが登場することにも期待したい
4WDのパイオニア的存在の名車を振り返る
三菱といえば惜しまれつつも終売となったパジェロや現在でも高い人気を誇るデリカD:5、そしてラリーウェポンとして誕生したランサーエボリューションにPHEVの技術を融合させたアウトランダーPHEVと、代表する車種のなかでも4WDモデルが多いメーカーとなっている。
そこで今回は、三菱の4WD車の歴史を振り返ってみたい。
まず、三菱の4WD車の礎を築いたといっても過言ではないのが、1953年に生産をスタートしたジープだろう。
しかし、1955年には日本製のエンジンを搭載し、翌年には完全な国産化を実現。その後も改良を重ねながら生産を続け、なんと1998年まで45年間にも渡って生産が続けられたのであった。
そんなジープのノウハウを受けて誕生したのが、1982年5月に登場した初代パジェロである。ジープはライセンス生産という形を取っていたため、完全な新規車種として登場したパジェロは、RVブームの後押しもあって瞬く間に大ヒット車種に。当初は3ドアの小型貨物車のみだったバリエーションも、乗用モデルのワゴンやロングボディの4ドア、クラス初の4速ATの採用などあっという間にワイド化がなされていった。
30年前のコンセプトが現代にも生きている
そして大人気のパジェロのシャシー(正確にはパジェロのベースとなったフォルテのシャシー)をベースにワンボックスのボディを組み合わせたのが、1982年10月に登場したデリカ スターワゴン4WDである。
通常のデリカよりも高い最低地上高と大径タイヤを装着しており、遠目に見てもひと目で4WDであることがわかるそのスタイルは、のちの3代目デリカスターワゴンやデリカスペースギアにも通ずる意匠となっており、現在販売中のデリカD:5にも受け継がれている。
パジェロをベースとした派生車種としては、1996年に登場したチャレンジャーもそのひとつで、無骨なオフローダーであるパジェロに対し、都会派なイメージを持たせたモデル。日本では1世代のみで終売となってしまったが、その実質的な後継車種であるエアトレック、そしてアウトランダーという系譜をたどり、現在のアウトランダーPHEVに繋がる重要なモデルと言えるだろう。
一方の乗用車系については、1986年8月に当時のミラージュ/ランサーワゴンにフルタイム4WD1800が追加となったのが元祖となっており、そこからギャランVR-4やランサーエボリューションへと発展。ギャランからはステーションワゴンタイプのレグナムが誕生し、乗用車系では1990年に3ナンバーサイズ専用車として登場したディアマンテと、そのプラットフォームを流用したスポーツクーペ、GTOなどの派生車種も登場した。
現在はSUVタイプの4WD車がメインとなっている三菱ではあるが、いつの日かセダンやクーペタイプの4WDモデルが復活することを期待したいところだ。

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