この記事をまとめると
■高速道路にたまにある「右ルート」「左ルート」の違いを解説■日本にはルートが分かれている高速道路が4つある
■所要時間はほとんど変わらないが、使い勝手に若干の差があるので注意
高速道路の「右ルート」「左ルート」の違いとは
人生は選択の連続ともいえる。要所要所に分岐点があって、AorB、右に進むか左に進むか選ばなければならない。そのどちらかを選ぶことで、人生はいろいろ変わっていくわけだが、高速道路には「右ルート」「左ルート」にわかれてもやがて再び合流し、目的地は同じというポイントがいくつかある。
それは
東名下り線:大井松田IC~足柄SA間(1991年~)
東名上り線:日本坂トンネル付近(1998年~)
名神上下線:天王山・梶原トンネル付近(1998年~)
中央道下り線:上野原~大月IC間(2003年~)
の4箇所だ。
走り慣れていない人だと、どちらのルートを走ればいいのか迷ってしまうかもしれないが、これらの区間ではなぜ左右2つルートに分かれているのか。
これらの道は、山岳地帯でトンネルがあるというのが共通項。2ルートになるまでは渋滞多発地帯として知られていたところだ。
これらの渋滞解消を目指し、車線を増やすための工夫が、左右2ルート方式で、とくにトンネルがあることが2ルート化した大きな理由となっている。
というのも、トンネル内で車線を広げるには、直径の大きなトンネルを掘る必要があり、それは非効率でコストも高くなるので、標準的な直径のトンネルをもう1本増やすことで車線を増やし、そのトンネルに合わせてルートが分かれたというのが、左右2ルート化した経緯だ。
渋滞解消のために車線が増えるのは大歓迎だが、二手に道が分かれると、どちらを通ればいいのか迷うことも……。
「左限定」のケースもある!
じつのところ、東名上り線:日本坂トンネル付近(約3.6km)と中央道下り線:上野原~大月IC間(約4km)は、右ルート・左ルートともに距離はほぼ同じで、その他の点もとくに違いはない。
強いていえば、左ルートだと大型車が多く、全体的な通行量はわずかに右ルートのほうが多いかもしれない。いずれにせよ通過時間は誤差の範囲と思っていい。なお中央道は、左右のルートが合流したあと、河口湖方面と名古屋方面に分かれる分岐があるので、車線変更が面倒な人は、河口湖方面に向かうなら左ルート、名古屋方面に向かうのなら右ルートを選ぶとラクかもしれない。
東名下り線の大井松田~足柄SA間は、どちらも全長は約19.3kmで距離は変わらない。
そして4つの区間で1番考えなければならないのは、名神上下線の天王山・梶原トンネル付近。距離は左右とも約8kmで変わりがないが、上り線の左ルートは途中で京都縦貫道、京滋バイパス、第二京阪、山大崎出口に進むことができて、下り線の左ルートは京都縦貫道、京滋バイパス、第二京阪、新名神、山大崎出口に向かうことができる。どちらも右ルートではこうした分岐を利用できないので、行き先次第で左ルート限定になるので要注意。
というわけで左ルートにしかない施設や分岐を利用する人は、必然的に左ルート一択になるが、ただ通過するだけの人なら、左右どちらのルートを走っても、目的地への到着時間は変わらないと覚えておこう。

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