社会から押し付けられる規定や価値観から解放され、自由に作品を制作している女性クリエイターたちがいます。彼女たちはどのような思いで作品を作り、女性としてアーティストとして生きているのか、インタビューしてみました。

触ると喘ぐ大根で笑わせる会社員アーティスト 市原えつこ

センサーが付けられた大根に触ると「あ~ん」という女性の喘ぎ声が鳴るという作品「セクハラ・インターフェース」を開発したのは、市原えつこさん。もともと男性から女性への性的な視線へ気持ち悪さや腹立たしさを抱いていたが、一方で、下ネタの笑いが好きだったのだと言う。それが徐々に、いかに男性が興奮するか、そしていかに男性を恥ずかしがらせるかの探求へ変わり、かつての復讐心を晴らす愉しさになった。そして、男女問わず皆を笑わせ、世の中を面白くする現象を作品化している。

一般企業に勤めながらも外部活動としてアート制作を行っている彼女は「会社にいると、会社の中の人間として権力や常識のプレッシャーを受けてしまうけど、こうした個人の自由な活動だとマイノリティでも自分の本質や個性を認めてくれる人はいる。自分がブレないんです」と語る。

「ちゃんと生きなきゃいけないとか、これは恥ずかしいと一般に思われてることって大したことないんだなって思えてから、すごく生きるのが楽になった」と話す彼女は、「100人見て1人でも良いと思ってもらえたら嬉しいけど、ゼロでも仕方ない。自分も嫌いなものは嫌いなので(笑)、批判ツイートも面白くRTしてます!」と気負いがない。

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(小笠原悠紀)