「2~8kgのラーメンをお願いすると言われていてマックスの8kgの材料を用意していました。
明日には全て使い切りたいのでお時間があれば銀波露手稲店でお食事していただけませんか?
捨てるのは嫌なのでお願いします」
幸い、15日の14:30頃に「オープン前から並んでくださったお客様、たくさんお越しくださったお客様のおかげでロスがなく全て使い切る事ができました!」との投稿がなされ、ロスが生じることは避けられた模様である。しかし、あくまでもそれは店の努力と投稿を見た善意の人々の協力のたまものであり、釈然としないものが残ることは否定できない。
このようなケースで、テレビ局には何らかの法的責任が生じないか。損害賠償事件の対応が多く、自身もデカ盛りで知られる東京・豊島区目白の某有名店をこよなく愛し足繁く通うラーメン愛好家の荒川香遥弁護士(弁護士法人ダーウィン法律事務所代表)に聞いた。
テレビ局側の「債務不履行」
荒川弁護士によれば、テレビ局側は「債務不履行」の状態にあると説明する。荒川弁護士:「取材に関する約束が行われた段階で、店とテレビ局との間には、互いに対価的な意義をもつ債務を負担し合う契約が成立しています。
まず、店は『デカ盛りラーメンを作り、それをテレビ局に撮影させる債務』を負います。これに対し、テレビ局は『店を訪問してデカ盛りラーメンを撮影する債務』を負います。
ところが、テレビ局は撮影に訪れませんでした。これは債務不履行にあたります。また、天変地異等、不可抗力にあたる事由は見受けられませんので、債務不履行についてテレビ局側に過失が認められます」
とはいえ、このような取材では、予め対象者に「スケジュールが変わって取材が中止になるかもしれない」と断って了承を得ておくことが多い。
そのような事前の了承があり、結果として取材に行かず、仮に食材のロスが生じた場合(本件では幸い生じなかったが)、どうなるのか。荒川弁護士は、店側が取材の不履行による不利益を甘受する旨の合意が成立していたのでない限り、テレビ局側は責任を免れないと説明する。
荒川弁護士:「本件では、店側が取材のために大量の食材を用意しなければならないことが明らかでした。もし、店側が食材を準備した後で取材が中止になった場合、食材が無駄になることは当然に想定されます。
そして、その場合の損失を店側に負わせることは、通常は考えられません。したがって、その旨の合意は存在しなかったといわざるを得ず、テレビ局側は債務不履行の責任を免れることはできません」
損害はいくら請求できるか
本件では、結果的に店側のX投稿を見た人々が多数来店し、食品ロスが生じることは避けられた。また、むしろ通常よりも多くの利益を得ていると考えられる。したがって、損害は発生していないかに見える。しかし、荒川弁護士は、このような場合でも、2つの損害を観念し得ると指摘する。
第一に、契約上の債務不履行責任。
荒川弁護士:「店側が損害を軽減するために払ったコストがあれば、それを損害として請求することができます。なぜなら、そのコストは、債務不履行との相当な因果関係があるからです(民法416条参照)。
本件ではX投稿が功を奏していますが、そもそもテレビ局の債務不履行がなければ、Xに投稿しなくて済みました。合計4回の投稿の文面を考えなければならなくなったうえ、『お願いがあります』という画像まで作っており、余計な手間がかかっています。
したがって、少なくともそこにかかった人件費相当額を請求できるでしょう。
もちろん、その他になんらかの情報伝達や宣伝等のコストがかかっていれば、それも請求できます」
第二に、不法行為に基づく「無形の損害」について賠償責任の追及も考えられるという(民法709条、710条参照)。荒川弁護士:「テレビ局側が取材に訪れなかったことにより、店長をはじめとするスタッフは、店に損害が発生することを大変憂慮したと考えられます。
私が同じ立場ならば、損失をなんとか抑えることはできないか、損失は避けられないのではないかと、気が気ではありません。したがって、店側は、個人でいう慰謝料に準じた『無形の損害』を請求する余地があると考えられます。
なお、個人でない団体には厳密な意味での『精神的損害』は観念できません。しかし、裁判所も、団体についてケースバイケースで『無形の損害』の賠償請求を認めています(最高裁昭和39年(1964年)1月28日判決等参照)。
本件の場合、金銭評価すると2~3万円程度が妥当でしょう」
テレビ業界に対する一般視聴者の目は、昨今、「オールドメディア」とレッテル貼りされがちなことにも見られるように、厳しさを増している。
そういったレッテル貼りや非難が正当なものかどうかはさておき、このような状況を招いた原因の一つとして、業界で不祥事が相次いでいることだけでなく、一部の業界関係者が醸し出す「取材して取り上げてやっている」「ありがたく思え」といった、どこか「上から目線」の「甘え」「思い上がり」が透けて見えるからであることは否定できないだろう。
現代社会では、あくまでも人と人との関係は対等であることを忘れてはならない。今回、店側はテレビ局や番組の名前を公開していないが、もし公開していたら、大炎上は免れなかったに違いない。
当該のテレビ局ないし番組の関係者は、店側の配慮と損害軽減の努力に感謝して肝に銘じ、今後は襟を正すことが厳しく求められる。

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