岐阜県の「池田温泉」で、旅館や飲食店を運営する業者が未払い金を抱えたまま姿を消しました。いったい何が。
のどかな田園風景が広がる、岐阜県池田町。人口2万2000人という小さな町の"観光の目玉"とも言えるのが、町が運営する池田温泉です。その泉質から「美肌の湯」とも言われ親しまれてきましたが、今、大きな波紋が広がっています。
施設の「新館」の2階と3階にある旅館と飲食店が、先月末、なんの前触れもなく閉じられたのです。
(柳瀬晴貴記者)
「町の関係者が訪れた際には、張り紙だけが貼られ、もぬけの殻になっていたということです」
旅館と飲食店を運営していたのは、池田町から委託された地元の企業「たち川」。


町の関係者によりますと、この業者は、施設使用料や光熱費などあわせて230万円を滞納。そして先月末「事業停止」の張り紙だけを残し、連絡が一切取れなくなったというのです。
旅館は1泊2万円から5万円ほど。一時は、県外からも多くの観光客が訪れる人気宿だったといいます。なぜ、突然姿を消したのでしょうか?

「定休日にひっそりと閉鎖することにしました」
張り紙に書かれていた弁護士事務所に電話をかけてみると…「池田温泉の本体に迷惑がかからないよう、定休日にひっそりと閉鎖することにしました」という回答が。
弁護士によると、お盆明けに倒産の手続きに入るということです。
かつてこの旅館に勤めていたという元従業員の家族は…
(元従業員の家族)
「(社長は)ちょっと変わっていた。
「新館」の1階にあり池田町が運営する温泉は、慢性的な赤字が続き、経営の立て直しに追われていました。町は11月から入浴料の値上げを決定。温泉バスの運行も、10月末で廃止し、コストカットを図るなど再建途中の出来事でした。町の人は…

(池田町民)
「こんなことになるとは思いも寄らなかった」
「びっくりですね。ますますお客さんも減ってしまう。この先どうなるのかわからない」
池田町は「1階の温泉は委託業者とは無関係で、今後も通常通り営業を続ける」と話しています。
