新型コロナワクチンの接種後、4年間にわたって長期体調不良が続く人たち。
国の救済制度の申請もうまくいかず苦しむ日々。
保冷剤を顔に当て、ベッドの上でぐったりする女性。もう4年も、ほぼ寝たきりの日々が続いています。
(40代女性)
Q.今の体調は?
「全身が痛い。刺さるような痛さと燃えるような熱さがあって痛い」
女性は2021年に受けた2回目のワクチン接種直後、胸の痛みを訴え病院へ救急搬送。一旦は症状が落ち着きましたが、数か月後、体に異変が。
「揚げ物の油に足を突っ込んでいる感じ」
(女性)
「お風呂に入ってすごく足がヒリヒリする、やけどみたいになっていると思って、見たら真っ赤になっていた」
Q.どういう痛み?
「揚げ物の油に足を突っ込んでいる感じ」
痛みと腫れは次第に手や顔に広がりました。そして症状はほかにも。

(女性)
「痛い…痛い…」
(夫)
「寝るといっても体育座りのような、うずくまった状態で寝ている。そうしないと筋肉がつっぱってしまう。痛みに耐えられないから」
(女性)
「痛いから寝られなくて、大体痛みがマックスにきて気絶して寝る。寝ても2時間とか」

搬送先の病院「何も異常がなかったから書けません」
日常生活を送れなくなった女性。医療費もかさんでいますが、ワクチンの健康被害に対する国の救済は、受けられないでいます。複数の医療機関からワクチンの影響の疑いがあるという診断を受け、カルテなどの必要書類は集めましたが、まだ申請できていません。
(女性)
「1つの病院が受診証明書を書いてくれないから先に進まない」

接種の直後に救急搬送された病院が、受診証明書を出してくれないといいます。
(女性)
「心電図とかいろんな検査しても、何も異常がなかったから書けません。先生に何が分かるのって思いました」
接種直後に起きた症状の診断証明があった方がいいと考え、申請できずにいます。

医師法では、患者の求めがあれば診断書を発行することが義務付けられていますが、病院側は診断書を出さない理由について、取材に対し『個人情報なのでお答えできません』としました。
これまでにかかった医療費は約60万円。救済は受けられず、症状も改善しない日々が続いています。
(夫)「どうしていこうと思っています」
(女性)「医者がもっと患者に寄り添ってもらいたいというのはありました」

ワクチン接種直後に倒れた女性も“否認”
大阪市内に住む、立花みきさん(仮名)。立花さんも国の救済を受けられないでいます。
(大石)「お元気ですか?」
(立花さん)「ちょっと回復してきました。動悸がたいぶ収まりました。めまいもだいぶ収まった」
看護師だった立花さん。2021年に、接種を受け持っていた大規模接種会場で余ったワクチンの接種を受けた直後に倒れ、救急搬送されました。

しばらくして、起き上がるのも大変な全身の倦怠感などに悩まされるように。
(立花さん)
「心臓の違和感や不快感があります。頭もすっきりはしていないです」

3年前の2022年に国の救済制度に申請しましたが…「医療費・医療手当及び障害年金の不支給を決定しましたので通知します」などと記載が。
国からの通知には、接種直後に倒れたのは通常起こる副反応の範囲であり、その後起きた体調不調はワクチンとは関係ないとして、申請は認められなかったのです。

「ワクチンが無関係なんて納得できない」
(立花さん)
Q.これをご覧になった時?
「泣きました。通常起こりうる副反応の範囲は、3年間寝込むことなんですかと直接聞きたい」
その後、新たな医師の意見書を添えて再度国に申請しました。

(立花さん)
「お金と時間と労力をかけて否認されるので、すごく精神的にもダメージを受けます」
Q.それでも再申請した理由は何?
「なかったことにはできないです。ワクチンが無関係なんて全く納得できないです」
救済に積極的とは言えない国の対応に、立花さんは国に損害賠償を求める訴えを起こす決意を固めています。

(立花さん)
「精神的被害と肉体的被害と、元気だったら得られていた収入や慰謝料を請求しようと思っています」
(大石)
「もし、国の健康被害救済制度がしっかり対応してくれていたら、こんな裁判起こさなくてよかったのでは」
(立花さん)
「そうですね。国民の健康を害すことに、何とも思っていないと疑わざるを得ないです」
