自民党派閥の裏金事件で政治資金規正法違反の罪に問われている、前参議院議員、大野泰正被告(66)の裁判が始まり、大野被告と元秘書はともに無罪を主張しました。
(石破茂総理 9月7日)
「政治とカネの問題をはじめ、国民の皆様方の政治に対する不信感を払拭することはいまだできておりません。
辞任表明した石破総理が「政治不信を払拭できなかった」と悔やんだ「政治とカネ」。9月10日、一連の裏金事件で初めて政治家が法廷に立ちました。

岐阜選挙区選出の前参議院議員 大野泰正被告。自民党派閥の政治資金パーティーで、5100万円あまりのキックバックを受けながら、収支報告書に記載しなかった罪で去年1月に在宅起訴され、自民党を離党。ことしの参院選には出馬しませんでした。


地元の反応は…
初公判を控え、地元岐阜県羽島市では。
(70代女性)
「自分が正しいと思っていれば正々堂々と話をしていただきたい」
(60代男性)
「お金が不記載になること自体が、われわれ一般国民からすると(疑問)。(お金を)何に使ったかですよね」
20年来の付き合いだという羽島市の近藤伸二市議は。
(羽島市 近藤伸二市議)
「身の潔白を証明していただくことを期待するしかない」

大野被告「道義的責任はありますが犯罪を犯してはいません」

そして、10日…東京地裁に姿を見せた大野被告。午後1時半から始まった初公判では、「政治のこと以外を考える余裕はなく、事務的なことがおろそかになっていたのは事実。心よりお詫び申し上げる」

このように謝罪したうえで、キックバックについて「収支報告書に記載しているのか、記載していないのかさえ知らなかった」と主張。また、起訴状では元秘書と共謀した犯行とされていますが、「共謀など一切行っていません。道義的責任はありますが犯罪を犯してはいません」と起訴されたすべての内容について、無罪を主張しました。

元秘書の岩田佳子被告も共謀を否定し、「派閥からの寄付だとは認識していなかった」と無罪を主張しました。
一方、検察側は大野被告が「収支報告書の案を確認しながら、修正の指示をしなかった」と指摘。「キックバックされたカネは、事務所の口座を経て大野被告名義の口座に移され、飲食店での支払いに費消されるなどした」と話しました。
