議会も市民も賛否両論です。1日2時間以内の利用を全市民に促す、愛知県豊明市の“スマホ条例案”が可決しました。
22日の豊明市議会本会議。
(豊明市議会 近藤裕英議長 午後2時半過ぎ)
「賛成の方は起立してください。賛成多数であります。可決されました」

賛成多数で成立したのは、「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」です。余暇時間のスマホ利用を1日2時間までとするよう促す内容で、罰則規制こそありませんが、すべての市民が対象となる点では全国初の取り組みです。
また小学生以下は午後9時、中学生以上は午後10時までとする内容も盛り込まれています。条例案を提出した豊明市の小浮正典市長は。
(豊明市 小浮正典市長)
「不登校の子どもたちがスマホを手放せず、家から出られないケースが増えているところから出発」


きっかけは不登校の子どもがスマホ依存で外出できず、支援を受けられないという市民の声。あわせて、睡眠やコミュニケーションの時間を確保するために「家庭内でスマホのルール作りを進めてもらう」という狙いがあるといいます。条例案に対して22日の本会議では反対派、賛成派が論戦を展開しました。
「個人の自由な時間を狙い撃ち」「情報機器との付き合い方を考えるきっかけ」
(清水義昭議員・反対)
「本条例案は個人の自由な時間を狙い撃ちしたもの」
(林ゆきひろ議員・反対)
「大人・子ども含め、全市民の健康・睡眠問題とあり、課題とターゲットがかみ合っていない」
(一色美智子議員・賛成)
「情報機器との付き合い方について考えるきっかけを作るものと受け止めている」
(鵜飼市議 賛成)
「スマホから手が離せない子たちは、市が支援した場所に行くことができない」


採決の結果、賛成12、反対7で条例案は可決しましたが、反対派の意を汲んで「市民の自由と多様性の尊重」や「誤解を招かない丁寧な説明と情報提供」など、5つの条件を市に求める付帯決議案も可決されました。

全国初の“スマホ条例“成立に市長は。
(豊明市 小浮正典市長)
「過剰使用について控えてもらえるように、丁寧に市民の皆さんに伝えていきたい」

(市民)
「夫は(子どもを)あやすためには、動画を見せるのも一つだけれど、それで(夫と)すごいけんかをしたりもしたので、『こういう条例ができたよ』と、もう一回声をかけてもいいなと」
(市民)
「罰則がないので可決されてもあまり意味がないのかなと。無駄な条例かな」

条例の施行は10月1日です。