新型コロナワクチンの副反応で、国の救済を受けるのに必要な医療機関のカルテが今後廃棄されてしまうかもしれません。このことに反対し、自治体の議会も声を上げはじめています。

(大石邦彦アンカーマン)
「大阪城と向かい合うように建っている大阪府庁に来ています。実は大阪維新の会が新型コロナワクチンに関して、ある意見書を府議会に提出するというんです。一体どんなものなんでしょうか」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?...の画像はこちら >>

2025年12月17日の大阪府議会。審議されたのは、ワクチン接種後の体調不良に関するカルテの保存期間延長について。

医師法では、カルテの保存義務は5年。そのため2021年2月から始まったワクチン接種後の体調不良で、医療機関を受診した際のカルテは2月以降、廃棄が始まる可能性が。

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

ワクチン接種後 体調不良の女性「大切なカルテは永久保存に」

国の予防接種救済制度では、申請にカルテが必要なため今後新たに救済申請しようとしてもできなくなる恐れがあるのです。

今回、議会でこの問題が審議されるきっかけとなったのは…

(ワクチン接種後体調不良に 50代女性)
「(カルテという)証拠がなくなってしまったら、今まだ苦しんでいる患者は訴えることすらできなくなる。私たちに大切なカルテは永久保存していただかないと、研究にも使えないし、国の調査もできないので、まずその5年を何とか突破して」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

こう話すのは関西に住む50代の女性。4年前、始めて取材した際は寝たきりでした。

(ワクチン接種後体調不良に 50代女性・2022年)
「家で寝たきりで動けなくて、ご飯も作れない、洗濯もできない。トイレまで這って行っていた」

ワクチン接種後、ひどいめまいや倦怠感で起き上がれず、最近ようやく職場にも復帰しましたが体調不良は続いています。

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

ワクチン接種後の体調不良に悩まされた大学教授も…

この女性とともに、カルテの保存期間の延長を訴えたのは、関西学院大学の安岡匡也教授。

安岡教授もワクチン接種後の体調不良に悩まされた一人です。



(関西学院大学の安岡匡也教授)
「カルテの保存がされないと、申請するための書類がそろわないので、出せない新たな問題が加わってしまう。カルテの保存期間の問題は、非常に大きな問題」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

去年夏、大阪府にも要望を出した二人の声が大阪維新の会を通じて、今回議会で審議されたのです。

“カルテの保存期間延長”の意見書 全会一致で可決

(大阪府庁 12月17日)
「以上の意見書案は原案の通り決定することに異議ありませんか」
「異議なし」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

全会一致で可決。今後、意見書は国に送られ、議論の広がりを期待しています。

(ワクチン接種後体調不良に 50代女性)
「ようやく通りました、すごいことですよね。これから社会が動きそうです」

議会での審議を後押しした大阪維新の会では…

(大阪維新の会 市来隼議員)
「これまで維新の会で新型コロナワクチンの課題点を指摘する議員もいたが、あくまで野党の立場から発言していたので、今回与党に入ったこととあわせて、大阪府議会という地方からも国に対して訴えていきたい意思表示。地方の声を国政に届ける役割を果たしていきたい」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

医師「カルテはもっと長期で保存すべき」

カルテの廃棄について、当事者の医師は。

(梅村医院 近藤昌代院長)
「今後患者さんが5年以後に医学の変化で、新しいことがわかって昔のカルテを見せてほしいと言われたときに、情報がわからない困った事態に発展する。カルテはもっと長期で保存された方がいい」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

ワクチン接種後の体調不良の治療を積極的に行ってきた、名古屋の近藤医師。患者はこれまでに50人に上ると言います。

医院の2階には…

(大石邦彦アンカーマン)
「段ボールは山積みになっていますね。これがカルテですか。何箱ありますか?」

(近藤医師)
「20箱くらいは。もっとありますか」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

(大石)
「これは2021年のもの。

つまりこの年から2026年は丸5年になるので、これが破棄されていくということですね」

山積みの段ボールの中に、びっしりと詰められた紙カルテ。電子データだけでなく、紙でも保存しています。

(近藤医師)
「これで7年分あると思います。令和からはとってありますので」

(大石)
「通常であれば5年ですけど、プラス2年とってあると」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

“ワクチン後遺症”の患者分は「永久保存」

保管にはかなりの場所が必要な上、廃棄の際も、個人情報保護のため専門業者に頼む必要があります。

この医院では、電子カルテについても保存のため、大容量のサーバーを導入しています。

(大石)「サーバーはいくら?」
(近藤医師)「500万円です。6年ローン」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

一方、ワクチン後遺症とみられる患者約50人分については…

(近藤医師)
「これは永久保存するつもりです。明らかな診療方法や診断基準もないものですから、来なくなる患者も多い。廃棄せずにこのままとっておく」

治療法が確立されていないなか、いまも胸の痛みなどに悩まされている62歳の女性。

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

(接種後体調不良に 62歳女性 2022年)
「少し良くなってもまた動けなくなって、息苦しさが続いたりするので」

4年前の取材では、ほとんど起き上がれない状態でした。それから回復しつつありますが今も定期的に診察を受けています。

(接種後体調不良に 62歳女性)
「これから先 医学がもっと発展して『このこともワクチンのせいだった』とわかってくる時が来た場合に5年、10年前のカルテがわからないことは問題」

“カルテ廃棄”で新型コロナワクチンの救済が受けられなくなる?迫る5年の保存期限… 2021年2月に始まったワクチン接種 医師「永久保存します」【大石が聞く】
CBC

結論までに長い時間がかかり、認められないケースも増えている救済制度。

ワクチン接種が国策として進められた以上、国は最後まで責任を持って見守る必要があるのは言うまでもありません。

CBCテレビ「チャント!」2026年1月6日放送より

編集部おすすめ