去年12月、名古屋鉄道は名鉄名古屋駅周辺の大規模な再開発計画を見直すことを発表。そして今度は金山総合駅前のアスナル金山の再開発も延期に。



なぜ、名古屋で再開発計画の足踏みが相次ぐのか考えます。

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なぜ名古屋で相次ぐ?再開発見直し 名駅に金山でも…“建設費高騰のスピード”に“事業費”となるオフィスやテナントの賃料が追い付かない【大石邦彦解説】
CBC

(若狭敬一アナウンサー)
アスナル金山の再開発を楽しみにしていた人も多いのでは?

(大石邦彦アンカーマン)
金山総合駅の駅前では新たな再開発計画が提示されたばかりでしたから、ショックを受けた人も多いと思います。まずはどんな完成イメージだったのか?

名古屋市提供のイメージ図を見ると、商業施設もあって舞台もあります。金山周辺には木々もあって、テーマは「ウォーカブルなまち」。“歩きやすい街”ということです。

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アスナル金山は今後10年このままで…

アスナル金山は2027年に10月に営業を終了し、2032年度から複合ビルの建設が始まる予定でした。商業施設ありホールあり、オフィスあり。しかしそれができなくなってしまった。2036年3月まで、今後10年は今の施設のままで営業を続けることになります。

なぜ名古屋で相次ぐ?再開発見直し 名駅に金山でも…“建設費高騰のスピード”に“事業費”となるオフィスやテナントの賃料が追い付かない【大石邦彦解説】
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なぜ、名古屋の再開発に遅れが生じているのか。これは建設業界の構造的な問題があるんです。

東京・大阪に“人も金もモノも集中”

まず、建設業界は働き方改革によって長時間労働が難しくなり、例えば1人でできたものが2人必要になったりする。人材がより必要になりましたが、この人材確保がかなり難しくなっています。

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さらに、建築資材や人件費も高騰していて、例えば東京や大阪は賃金も高めだと、“名古屋飛ばし”ではありませんが、東京・大阪に人も金もモノも集中するということなんです。



では、こうした背景の中で、アスナル金山はなぜ?建設延期を余儀なくされたのか?

なぜ名古屋で相次ぐ?再開発見直し 名駅に金山でも…“建設費高騰のスピード”に“事業費”となるオフィスやテナントの賃料が追い付かない【大石邦彦解説】
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事業費の多くをテナント料に依存する構造

建設される予定だった新しい複合ビルには、ホールが入っていますね。900人規模のホールだということなんですが、これを運営するのは名古屋市です。そして、商業施設も入っています。民間のお店やオフィスなどが入る予定でした。

なぜ名古屋で相次ぐ?再開発見直し 名駅に金山でも…“建設費高騰のスピード”に“事業費”となるオフィスやテナントの賃料が追い付かない【大石邦彦解説】
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つまりこの複合ビル、市街地再開発というのは“官民一体”の事業なんです。しかも、事業費の多くを商業やオフィスのテナントの賃料に依存する構造になっています。

再開発しないのなら今の賑わいをどう守っていくのか…

今、建設費用がどんどん高騰していますが、その費用高騰のスピードに、賃料の水準が追いついておらず安いままだから、ペイできなくなっちゃうと。事業全体の採算が見込めないということなんです。そのため、今再開発の計画が“とん挫”する事態となっているんです。

なぜ名古屋で相次ぐ?再開発見直し 名駅に金山でも…“建設費高騰のスピード”に“事業費”となるオフィスやテナントの賃料が追い付かない【大石邦彦解説】
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今後どうするのかということなんですが、再開発をしないという選択をするのであれば、今の賑わいをどう守っていくのか、これも大きな課題になりそうです。

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