何かの縁があって「結婚」に至った夫婦。いつしか「夫だから(妻だから)大丈夫」と、蔑ろにしてしまうこともしばしば。

しかし、あまりに軽く考えていると、とんでもない事態を引き起こすこともあるようです。みていきましょう。

この人と結婚してよかったこと/この人と結婚して失敗だったと思ったこと

夫婦喧嘩は犬も食わぬとはいうものの、すべてがすべて、すぐに仲直りとはいかず、こじれにこじれ、離婚という結果になるケースも珍しくはありません。

新婚、もうすぐ1周年だという30歳の妻。1歳年上の夫は、周囲からも温厚で誰にでもやさしいと評判なんだとか。反対に女性は気が強いことで知られ、「あんないい人が、あんたと結婚してくれるなんて……不思議ね」と言われるほど。

順調だと思っていた新婚生活が、突如、「子供もいないし、別れるなら今がチャンスだと思う」と夫から離婚を切り出されたことで一変します。

株式会社ネクストレベル「縁結び大学」が結婚経験のある男女に行った『結婚相手の選び方についてアンケート調査』によると、「この人と結婚してよかった! と思えるポイント」で、男性の回答の最多は「自分への愛情を感じる」で37.3%。「子供をかわいがる」「一緒にいて気を遣わない」「やさしい」「家事や料理が得意」と続きます。女性の回答の最多「自分への愛情を感じる」で39.5%。「やさしい」「一緒にいて気を遣わない」「子供をかわいがる」「家事や料理が得意」と続きます。

男女で多少の差異はあるものの「この人と結婚してよかった!」と思うポイントには共通しています。

一方で「結婚相手としてイマイチ……失敗だったかもと感じるポイント」を尋ねたところ、男女ともに最多は「とくにない」でそれぞれ24.6%、21.6%。

次点をみていくと、男性では「片付けられない」17.9%。「金銭感覚が合わない」「パワハラ・モラハラ」「自分に愛情を感じない」「病弱・不健康」と続きます。女性については、「家事や料理をやらない」14.4%。「金銭感覚が合わない」「片付けられない」「パワハラ・モラハラ」と続きます。

こちらも男女に差異はあるものの、「この結婚、失敗だったかも」と思うポイントには共通した部分がありそう。また、男性も女性も4~5人に1人は「結婚相手に後悔はない」と回答。

ちょっと救われた気がします。

親戚を前にした「妻の失言」が、「夫の逆鱗」に触れた

新婚なのに夫から離婚を切り出された妻。まさに青天の霹靂とはこのこと。女性は結婚を機に退職。専業主婦として家庭を支えています。

――もしかして、働かないのがマズかった⁉ いや、家計が大変ということは、いまのところないし……

女性いわく、夫の月収は35万円ほど。

「うちの旦那は稼ぎが悪くて……」と不満を漏らす人も多いなか、女性としては「不満などひとつもない」といいます。厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマン(平均43.6歳)の平均給与は、月収で36.3万円。30代前半の平均は30.7万円です。それと比較すると、女性の夫は平均を大きく上回り、女性としても不満がないのは当然といったところでしょう。

【年齢別・サラリーマン(正社員)の平均給与】

~19歳:19.35万円

20~24歳:23.22万円

25~29歳:27.14万円

30~34歳:30.70万円

35~39歳:34.48万円

40~44歳:38.02万円

45~49歳:40.64万円

50~54歳:42.83万円

55~59歳:44.08万円

60~64歳:37.24万円

そんな夫から離婚を切り出された女性。きっかけとなったのは、親戚との集まりでの会話。

周りが「良い人を見つけた」「良い人を見つけた」とあまりに夫をもち上げるので、「でもいい人でも高卒よ」と女性がひと言。一瞬、時が止まったと感じたといいますが、すぐに「え~いまどき学歴なんてねぇ」と、大きな笑いに包まれたといいます。

しかし、そのひと言が夫にとって離婚を決意するきっかけになったのだとか。

――経済的に進学を断念して就職をした。それなのに高卒であることを親戚の前でバカにするような発言をして

――いままで、気が強い女性だと思って色々と我慢していたけど、もう限界だ!

親戚を前にちょっと笑いを取ろうとした女性の言動が夫の逆鱗に触れたようで、何度謝罪を繰り返しても、聞き入れてもらえず、新婚ほやほやの雰囲気はどこに消えてしまったのか……。そもそも気の強い女性の日々の言動は、夫にとって「パワハラ・モラハラ」だったらしく、不満が積もり積もって許せないレベルに達した、というのが夫の言い分でした。

周囲からも「それはあんたが悪いわ」「親しき中にも礼儀ありだよ」と咎められ、反省しっぱなしの女性。今後、どうなるのか、まったく先が見えない状況だといいます。

このように世の中には、些細な言動がきっかけで離婚に至る夫婦は多いもの。経済的に一方の収入に頼っている場合は、突然の離婚により、その後の生活が成り立たなくなることも珍しくはありません。そのような事態を回避するためにも、伴侶との仲には十分に気をつけたいものです。

[参考資料]

株式会社ネクストレベル/「縁結び大学」『結婚相手の選び方についてアンケート調査』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』