インパクトホールディングスは26日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。米投資ファンドのベインキャピタルと組んでTOB(株式公開買い付け)を行い、福井康夫社長らの所有分を除く約82%の株式取得を目指す。

買付代金は最大272億4000万円。インパクトHDは流通小売業のフィールド(店頭)マーケティング事業を主力とするが、コロナ禍を受けて販促活動のデジタルシフトの動きが強まるなど市場環境が変化する中、独自のポジションを築き、競争を勝ち抜くためには非公開化による機動的な経営体制が必要と判断した。TOBが成立すれば、東証グロース市場への上場が廃止となる。

TOB主体はベインキャピタルが設立したBCJ‐70(東京都千代田区)。買付価格は1株につき4500円で、TOB公表前日の終値4150円に8.43%のプレミアムを加えた。買付予定数は605万3385株。買付予定数の下限は所有割合48.55%にあたる358万9100株。買付期間は1月27日~3月10日。決済の開始日は3月17日。公開買付代理人はSBI証券。

インパクトHD創業者で筆頭株主の福井社長は所有する株式14.35%のうち、担保設定されている6.76%についてTOBに応募しない。また、第2位株主で福井氏の資産管理会社の所有分5%なども不応募の予定。

インパクトHDは2004年に店舗店頭に特化したマーケティング支援を目的に、メディアフラッグとして設立。ラウンダーと呼ばれる店舗巡回から販売員(マネキン)派遣、実演販売、覆面調査、デジタルサイネージ(電子看板)までフィールド業務をトータルに提供している。2012年に東証マザーズ市場に上場(2022年4月に東証グロース市場に移行)。2019年4月に現社名に変更した。

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