アステラス製薬は1日、米バイオ医薬品企業のアイベリック・バイオ(ニュージャージー州。売上高-、営業利益△258億円、純資産728億円)を買収すると発表した。
アイベリック・バイオは2007年に設立し、眼科領域に特化した新規治療薬の研究開発を進めてきた。有望視される新薬候補の一つ、地図状委縮を伴う加齢黄斑変性(AMD)の治療薬について米国で承認申請中で、米食品医薬品局(FDA)から優先審査に指定(審査終了目標日は8月19日)されている。アステラスによると、AMD患者の80%を占める地図状委縮型の標準治療薬になる可能性があるという。
アステラスでは全売上高の約4割に達する主力医薬品の前立腺がん治療薬「XTANDI(イクスタンジ)」が2027年に特許切れを迎えることになっており、これに伴う売上減少を補う新薬としての期待も大きい。
アステラスは米国持ち株子会社Astellas US Holding, Inc.(イリノイ州)の傘下企業を通じて、1株40ドルでアイベリック・バイオの全株式を取得する。約8000億円に上る買収資金は手元資金に加え、短期借入金とコマーシャルペーパー(CP)の発行で賄う。

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